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 先日、昔のコンサルティング会社の同窓会があった。必死でやっていた感覚と、ついていけているのかわからない焦燥感を思い起こすあの会社。まだコンサルティングにいる人々はいる。マッキンゼーやら、ベインやら、たくさんお金をもらっているんだなー、と。昔、すごいなーと思ったマネージャーは、ある戦略グループのパートナーにまでなってた・・・。

 それで、マッキンゼーの人が「世界一やさしい問題解決の授業」という本を、元同僚が出した、と言ってた。子供向けに書いたらしい・・・。↓この本です。(買わなくていいですよ。リンクの勉強で貼ってるだけです。)



 私は個人的には、問題解決という視点でのフレームはあまり好きではない。当然、過去にコンサルティング会社が編み出してきた数々のフレームワークは確かにすごいと思う。3Cを考え出した大前研一もすごい。4Pだって5Fだって、素晴らしいものだ。

 ただ、「問題」にフォーカスする視点があまり好きではない。問題を探すと、たいていは人の問題に帰着する。まあ、それを人に帰さずに、システム化で解決するところに、コンサルティングの価値はあるのだけれど・・・。小さいグループでこれをやってしまうと、結局、あの人が悪いとかできてないとか、そういうことにみんなの意識が行く。そりゃー、口にするしないは別にして、みんな心の中では思っているだろうし、無意識的にも感じているだろう。

 だいたい、全社の方向性があんまり明確でないときに、問題解決のフレームをあてはめると、相当ひどい状況に陥る。まあ、方向性が無いことが問題なのだが・・・。個別の問題から、根本原因まで掘り下げるじゃないか!と言われるかもしれないが、個別の問題を扱っているプロセスそのものが、集団の生産性を下げるんでないの?と思う。

 どういう状況になればいい?そのために何を、どうすればいい?というプロセスには問題という概念は派生的に出そうと思えば出てくるけど、出さないでやるのもできるように思う。こういうプロセスのほうが、集団にはいい影響を与えると思う。

 NLPとか、コーチングで言うアウトカムフレームと同じような話しだけど、もう少し深く掘り下げたい。

 おそらくこれは、現在の原因が過去にあるという考え方と、現在の状況が過去の意味合いを創り出すという、2つの時間の捉え方の違う考え方ではないか?と思う。問題解決思考では、現在の原因が過去にあるという考え方だと思う。つまり、時間は過去から未来に流れる考え方である。この考え方だと、過去は変えられない。

 ただ、アウトカムフレーム的に考えると、過去のある事象を、今後の状況を変えることにより、意味合いが変わってくる。つまり、今が「よい」状況になれば、過去の意味合いは、「よい」状況にいたるプロセスとなる。現在がその瞬間、瞬間に生成されて、そこから過去へと時間が流れていくという考え方だと思う。

 これは人間、集団の精神衛生上、非常に重要ではないかな、と思うのです。ただ、人は連続性を求める側面があって、現状が次から次へと変化してしまうと、過去の事象すべての意味合いが次から次へと変わっていってしまう世界観に、ちょっと落ち着かなくなるというか、つらいかもしれない。ボスコンがシナリオプランニングでやってる、非連続的変化、というやつも、この考え方をゆるやかにしたものかな、とも思う。

 ちょっと、ゆるくないお話しになってしまったかもしれません。ごめんなさい。

 ただ、クライアントサイドで大手コンサルティングファームをやり方を見ていると、非常に、集団のメンタルヘルスを悪化させているなあ、と思うようなことがけっこうありました。「問題」を経営陣に報告するはするでいいけどさ、あんまりいいやり方ではないなあ、と思いました。まあ、コンサルティングにいた、すごく若かったころは、私自身もクライアントにそう思われていたかもしれないけど。


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2007.10.24(12:02)|シンキングメソッドコメント(0)トラックバック(0)TOP↑
 ひらがなで書くと、意外とかわいらしく見えますね。ただ、ミッシーと同じぐらい、口を酸っぱくして教育されたというか、指導されたというか、怒鳴られっぱなしだったというか・・・。あの頃のことが思い出されます・・・。

 MECE(ミッシー)は知ってますよね?コンサルティング系の本でやたらと紹介されてる。問題解決プロフェッショナル「思考と技術」とか、考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則とか。ミューチュアリー、エクスクルーシブ、コレクトリー、エグゾースティブの略です。漏れなくダブり無くという意味。

 コンサルティングの会社では、「事実に基づき、漏れなくダブり無く、効率的に論点を検討し、トップマネジメントの意思決定を支援する」ことをやってるんですね・・・。わかりにくいかな・・・。

 経営者は、日常的に、何がしかのことを決めていかないといけない。何をすべきか?どうすべきか?を決める際に、それって正しいの?というのは、なかなかわかるものでもないのです。まあ、俗に言う、ビジネスに正解は無い!というやつですね。

 ただ、「より正しい」意思決定をしたいものですよね、経営者の立場からすれば。特に、その決定が、収益に対するインパクトが相当大きそうだ、ということがわかっている場合、特に慎重になる。そんな時、コンサルティング会社さんの出番になるわけです。

 部外者に何がわかる!という批判は当然あります。(まあ、ゲーデルの不完全性定理とか、チャイティンの定理から考えると、内部のパターン認識には、外部が必須にはなりますが・・・。人間は感情的にはそう思うものです。)その批判に対してのカウンターとして、コンサルティング会社は、事実に基づいて客観的に、論理的な思考プロセスに基づいた提案をするのですね。

 でもまあ、「海の水はすべて沸かせない」という言葉があるように、あらゆる事実を集めることはできないし、意味がある事実はほんのわずかです。(これは「パレートの法則」と、「Sカーブ」によっています・・・。いつか解説しますけど、今は割愛します・・・。)

 意味ある提案を効率的にするために、意味ある検討事項、論点を効率的に考えて、意味ある事実の収集をするんですね。その時に、検討事項に漏れがあったら、説得力を失うし、ダブりがあったら、効率が悪いですね。だから、ミッシーという概念、つまり漏れなくダブりなくが大事なんですね・・・。長い説明だった・・・。かえってわかりにくいかな?

 まあ、スピーディーに、説得力のある提案をするために、ミッシーに考えるという技術が大事なように、「そら、あめ、かさ」で考えるというのもすごく重要でした。(やっと本論にたどりつきました。ごめんなさい)

 そら、あめ、かさは、文字通り、「空を見て、雨が降りそうだから、傘を持っていこう」の略です。それが何?と思うかもしれませんが、意思決定に関するフレームワークとしては非常に強力なものです。

 そらを見て、何が見えるのでしょうか?しっかりと見ましょう。雲があるかもしれないし、無いかもしれない。色は青いかもしれないし、赤いかもしれない。そこから、判断をするわけです。「雨が降りそうだ」と。なぜ?

 風が吹いてきている方角に大きな雲があるから、かもしれないですし、湿気を感じるから、かもしれません。そんな匂いがするから、でもかまいません。

 で、「雨が降りそう」と判断したなら、どうします?出かけるのをやめますか?それとも、徒歩を極力控えて、なるべく車で移動しますか?雨合羽を持っていきますか?いや、傘を持っていきます。なぜ?

 雨合羽はあなたにあわないからですか?歩きでしか行けなさそうなところがあるからですか?まあ、だとしたら、どんな傘にします?色は?大きさは?それは、どこかで買うんですか?それとももう既に持っているんですか?

 説明って難しいですね。わかりやすく伝えられなくてごめんなさい。 

  「そら」の部分が現状認識です。いわゆる、分析というやつです。内部環境分析とか、外部環境分析とか、聞いたことありません?その際に、ある程度の粒の大きさに分けて考える。気候に関して言えば、湿気、気温、風、雲ぐらいを見るのかな?それぞれを時間できっても良いですね。12時間前、6時間前、3時間前とか。

 で、「雨が降りそうだ」と。「でかけようとしている」という自分の意思に照らしてみると、それは問題だ、と。この部分が意味合いの抽出という部分ですね。現在の状況は、意思決定の主体にとって、どんな意味があるのか?ということを考える部分。

 ここにある程度のクリエイティビティが必要ですね。長年の勘とか、そういうものに近い技術が必要になります。夜、星を見るだけで、次の日の天気がわかる人、いますよね。それって特殊技能ですよね。コンサルティング会社は、現状をわかりやすく、分析してあげた上で、その意味合いを、自然につなげてくれるんですね。(すべてのプロジェクトで、できているわけではありませんが・・・。)

 ちゃんとしたスーツを着て、ぬれちゃったら、クリーニングに出さなきゃいけなくなる。だとしたら、何か雨を防ぐものがいる、それはなんだろう?と。傘だ、と。これが、アクションプランみたいな部分になります。現状をどう読み、それが意思決定主体にとって、どんな意味があり、だからどんな行動を取るべきだ!とプロセスをきっちり見せてあげる。それがコンサルティング会社に頼む意味ですね。

 ちょっと、難しいはなしになったかな・・・。せっかくゆるく暮らしているのだから、ゆるーい説明ができるといいなあ、と思ったのだけど、堅くなってしまいますね。ごめんなさい。でも、これがわかると、ビジネスの意思決定において、すごく腑に落ちる感じがあります。

 事業会社時代に、部下に一生懸命教えたのですが、なかなか伝わらなかったなあ・・・。彼らは今、元気かなあ・・・。




 


 パレートの法則ですが、俗に言う、80対20の法則というやつですね。イタリアの学者さんのパレート氏が主張していることです。本も出てます。「人生を変える80対20の法則」というやつです。
 
 あと、インターネット上では、それが通用しないというお話しがロングテールの法則です。これも、本が出てます。「ロングテール―「売れない商品」を宝の山に変える新戦略」というやつです。

 インターネットだと、マニアックなものも、売れていくし、在庫管理コストを最小化できる、まあ、棚がいらないけど、インデックスというか、リストだけ表示できるようにしておけば、売れる可能性があって。あんまり売れないような商品の収益貢献の割合があがって、上位の収益貢献が相対的に下がります。

 あと、Sカーブは、文中に紹介した「問題解決プロフェッショナル「思考と技術」」にも出てきますね。
 
 Sカーブと似た概念に経験曲線という概念があります。詳しいケースは忘れましたが、アメリカでダンピングをしていると、訴えられた企業があったのですが、ボスコンが提唱した経験曲線という概念が、最高裁に提出され、判決に影響したと言われています。

 どういう内容かというと、ある商品の製造コストは作れば作るほど、下がってくるということですね。2年前から、商品Aを作っている会社の製造コストは、今年から商品Aを作り始めた会社の製造コストを下回るというものです。

 なんか、硬くなってしまいましたが、こんな感じです・・・。解説になってます?
2007.10.30(16:25)|シンキングメソッドコメント(3)トラックバック(0)TOP↑
 「インサイト100」と題して、メールマガジンをはじめることにしました。自分なりに自分が得た知見をまとめておきたいことと、それをギュッとまとめて、純度の高い言葉にして残しておきたいという思いがあって。まあ、そんなに肩に力を入れているわけでもありませんが。

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 インサイトというのは、「洞察」という意味ですが、コンサルティング会社で使う、「意味合い」という意味ですね。「空を見て、雨が降りそうだから、傘を持っていこう」に当てはめると、「雨がふりそう」というのを、見出す部分です。

 いわゆるコンシューマーインサイトという単語でご存知の方も多いかもしれません。お客さんが望んでいる気持ちの深層みたいな部分を、クリエイティブに見出すみたいな語感で使われますね。広告代理店でよく使われてた言葉ですが・・・。

 私がビジネスプランニングに関わる中で、おお、これは!と思い、普遍的に使えそう、と思ったものをメールマガジンのほうに書いていこうかな、と。あと、その前提の知識を伝えることでしょうか。
 
 私はこれまで、プランニングワークとは?ということを、事業会社時代は部下や他部門の人間に、コンサルティングに従事している時は、お客さんやセミナーの出席者の方に伝えてきました。

 でも、なかなか伝わらないのです。日々の業務で手取り足取りで、ようやく少しだけ伝わる感じなんですね。私の伝え方が悪いのだろうか?と思いつつ、ロジカルシンキングとか、ビジネスプランニングの書籍は、書店で相変わらず平積みになっていますよね?

 それはつまり、みんなわかるようになりたいし、わかるようになることを企業側も求めているけど、なかなかできるようにならないことを示しているのかもしれません。

 企画、プランニングって何だか本当に知っていますか?ビジネスの場面場面で企画、プランニングができていますか?

 プランニングを語るとき、エグゼキューションとの対比の中で語るのがわかりやすいかもしれません。エグゼキューションとは、実行、執行と訳されますね。何かを淡々とするのは、オペレーションという言葉を使いますが、エグゼキューションという言葉を使う意味は、考えながら実行するという側面を少し強調するからだと思います。

 何を実行するかを考えるのが、企画、プランニングでしょうか?それって計画のこと?と思うかもしれませんが、計画やアクションプランと言われるものは、何がしたいのかが明確な場合、それに向かう時に多く使われますね。計画やアクションプランも、企画概念に含まれますが、企画、プランニング概念のほうが大きいでしょうね。

 「日本を明るくしよう計画」だったら、文字通り日本を明るくする計画のことですし、「小麦生産量増大のための5カ年計画」だったら、小麦の生産量を増加させるための今後5年間の計画のことでしょう。

 そもそも何するの?何するべきなの?何するのが自然なの?というところを考える概念も企画、プランニングに入りますね。というか、そっちの色合いが濃いですね。 

 前に触れましたが、戦略とは「持続的競争優位を保持するための打ち手の束」のことです。ビジネスでは、「持続的に競争優位を保つべき」というのが前提ですよね。それと会社の今の立ち居地とか、今後どうありたいか?どうしたいか?といった条件をもとに、何を打ち手としてやるの?というのを決めるという意味、と読めますね。

 全社レベル、事業レベルで何するの?何するべきなの?何するのが自然なの?というところを考えるのは、戦略寄りのビジネスプランニングなんですね。

 若者たちの「自分探し」がバブル期以降、流行したような気がしますが、自分が何をしたいかわからない、でも食っていかないといけないから仕事している、みたいな状況は、企業に置き換えると、戦略不在な状況ですね。

 やりたいことが明確な人は少ないと思います。本当にこれが私がやりたいことなのだろうか?というのは至極まっとうな問いです。日々みんな疑問に感じるでしょう。私も感じています。

 中小企業のコンサルティングになると、社長さん、何したいの?どう生きたいの?という論点に結局行ってしまう理由はこういうことですね。社長個人がある意味で会社と一心同体の状態ですので、コンサルティングが社長の個人カウンセリングになるんですね・・・。とほほほほ・・・。

 気を取り直して、私がいいと思ったビジネスプランニングの本は、「ロジカル・プレゼンテーション―自分の考えを効果的に伝える戦略コンサルタントの「提案の技術」」です。著者の方が、外資コンサルドットコムという就職サイトをやってましたね。私も、よく掲示板を見てました。本の内容は、とてもわかりやすくて、しかも深いものだと思います。

 何度か書いていますが、私の思いとしては、「自分の活動を通じて、より社会が知的になっていく」なんですね。そして、できれば、情報の非対称性をいいことに悪意でアービトラージをしている人々がいる状況を無くしていければいいな、と思っています。
 
 メールマガジンはそういう思いの延長上の活動ですね。ある意味、このブログは日々のストレス解消的な部分もありますが、メールマガジンは将来に向けて自分なりに自分の知見をまとめなおすことに主眼を置こうと思っています。

 まあ、多くはすでに世の中で語られているものだし、私がオリジナルでもありませんけどね。気が向いたら読んでみてください。



2007.11.11(01:00)|シンキングメソッドコメント(0)トラックバック(0)TOP↑
 2日前にメールマガジン創刊します、というお話しをブログに書きまして、創刊いたしました。ブログの右上、プロフィールの下に登録できるところをプラグインでくっつけました。ちゃんと見えているでしょうか?少し不安です。でも、今のブログは簡単にこういうことができるんですね。気が向いた方は、登録してみてくださいね。

 でも、今のメールマガジンはすごいですね。有料メニューで、読者増加させるサービスを「まぐまぐ」「メルマ」などのメールマガジンの発行会社がやっていたりするんですね。メールマガジンで商売されている方がいっぱいいるんでしょうね。ブログでもちょっと怪しい商売のようなブログがすごく多いことにびっくりしましたが、メールマガジンもきっとそうなんでしょうね。

 それと、FC2のブログランキング、ビジネス>マーケティング経営の部門でいつの間にか、27位になっていました。まあ、小さいカテゴリではありますが・・・。、ビジネスのほうで見たら163位ですね。すごいのかすごくないのかは微妙なところです・・・。


≫「データ、インフォメーション、ナレッジ、ウィズダムとは・・・」の全文を読む
2007.11.13(01:00)|シンキングメソッドコメント(0)トラックバック(0)TOP↑
 コンサルタントは論理的な人、と思われがちだと思います。私は、あんまり論理的なほうではないのですが・・・。

 そういえば、事業会社に移ったばかりのころ、女の子の社員さんと仕事の話しをしていたら、「なんか、機械と話しをしているみたいです。」と言われてちょっとショックでした。今のスタイルはこの時言われたことも影響しているかもしれません・・・。

 まあ、確かにロジカルシンキングの訓練は受けます。ロジカルシンキングは、一言で言えば、「関係性」を、「読み解き」、「展開する」技術だとは思います。

 関係性は、AならばBのような因果関係と、AはBに含まれるというような包含関係の大きく2つに分かれると思います。

 MECE(ミッシー)という概念があります。この概念は、なんらかの主張をする時に、包含関係に関して、漏れなくダブり無く説明できているか?説明する時の、部分部分の大きさがそろっているか?というものをチェックするためのものですね。

 ちょっとわかりにくいですか?ごめんなさい。少し具体に寄せて説明しますね。

 ビジネスの際に、因果関係で問題になるのは、本当にAならばBなのか?というポイントです。人口が増えているから、ビジネスチャンスだ!が本当なのか?とか、店舗数を増やせば売上が上がる!という主張をしている人がいるが、それは本当なのか?とか、そういうものです。

 そして、包含関係で問題になるのは、Aに含まれるのは、本当にBとCだけなのか?というポイントです。店舗の売上を上げるための施策は、客数を増やすための施策と、単価を上げるための施策です、と言った時に、本当にそれだけなのか?というのは、当然気にしますよね?

 MECE(ミッシー)という概念は、包含関係で問題になる、本当にそれだけなのか?とか、ダブっているのではないか?というのをチェックするためのものですね。
 
 こんな感じの説明をしたり、ロジカルシンキング研修の先生をやったりしているので、ロジカルなんですね、とか、イメージで言われたりしますが、私自身はそんなにロジカルシンキングが得意なわけではありません。

 コンサルティング下積み時代、マネジャーと議論になると、必ず負けました。エンドビジョンはなんとなく見えるのですが、それがなぜか?現在わかっていることと、どうつながるのか?がうまく説明できなかったのですね。

 同期の人は、みんなマネジャーへの説明はうまかったですね。私はとっても下手でした。見えてくるたくましい落とし場所に対して、論理展開をきっちりできない。

 けっこう悔しかったですね。なんで伝わらないんだろう?このエンドビジョンに落ちるのはわかるじゃないか!と。

 さっきから、「エンドビジョン」とか、「落とし場所」と言っていますが、こういうものを見る力はクリエイティビティ、創造性と言われる力が必要ですね。

 昨日のブログで、いつもあてずっぽうに答えを出して、則行動に移ってしまうM社長のお話しを書きましたが、なんであろうと、答えが出せる力がクリエイティビティです。感性というか、右脳というか、そういう力に拠っていますね。

 こういう力をロジカルシンキングと対極的に捉える方もいますが、創造性と論理性は相補いあい人間の思考を前に進めるものです。ビジネスを進めていくにおいて、大きな問いはいくつもあります。その大きな問いの大きな答えはダイレクトにはなかなか出ません。

 だから、コンサルティング会社は、大きな論点を細かく分解し、論点を具体に近づけていきます。大きな論点の解はなかなか出ませんが、細かく分けた論点の解は、調べたり、誰もが直感的にわかったりします。(誰もが直感的にわかる解を蓋然性が高い仮説と言います。)

 大きな論点は、この会社はどこへ向かうべきなのか?とか、長期的に収益を上げ続けるにはどうしたらいいのか?とかそういうものです。

 これだけど、即答できる人はあまりいませんし、これだ!と答えを言ったとして、その信憑性はよくわかりませんよね。だから、小さな論点に分けていって、その解を少しずつ出していきます。その上で、その小さなわかったことを、統合していって、解にするんですね。

 ただ、これだ!と答えを言うには、ある種の思考のジャンプ、創造性が必要になってきます。検討を進めていく際に、そういう大きな方向性は必要だと思います。

 そんなのいらない!と思います?

 でも、ある程度、答えがどのへんにありそうなのか?というのがわからないと、なかなか小さな論点の検討も進まないんですね。大きな解の仮説をある程度イメージしていないと、どこへ向かうっていいのかがわからないんです。まあ、その方向性に反する事実が出てきたら、当然、方向性は変わってきますが・・・。

 いわゆるロジカルシンキング本に書いてることと、けっこうダブっていることを書いてしまったでしょうか。最近、そういう本を読まないので、どの本がいいとかいいにくいのですが、ちょっと古い本ですが、参考文献としては、「ロジカル・シンキング」「ロジカル・プレゼンテーション」「考える技術・書く技術」ぐらいでしょうか。

 論理性と創造性は相補い人間の思考を前に進めていきます。まあ、そこに「知識」というものも大きくからんでは来ますが・・・。そうすると、コンサルタント的に言うと、論理性と創造性と知識を持って、思考を前に進めていこう!とか、そんな感じでしょうか。

 ただ、ビジネスの場面場面での解の出し方は、勘だけで出して正解が出る場合もあるし、どこかから引っ張ってきた情報をそのままやっても、うまくいく場合もあります。

 ただ、ある程度の人数がいる中で、それなりの納得感を得る、ビジネスの再現性を得るには、ある程度、ロジカルなアプローチのほうがいいのでは?程度のものです。


 勘が当たり続ける人もいます。そういう人を天才といいます・・・。そういう人は人の言うことなんて、聞かない場合が多いですね・・・。

 そして、真似だけでうまくいき続ける人もいます。そういう人は、情報が命!とか、そういうことを言ったりします。意外とコンサルタントでも多いですね・・・。

 それと、考え抜いて、うまく行く人もいます。

 勘が当たり続ける人は、その感覚を人に伝えられません。真似でうまく行く人が一番得かな。考え抜く人はけっこう時間がかかってしまう場合もあるけど、進歩はするでしょうね・・・。

 どのスタンスもビジネスの意思決定においては、万能ではなく、一長一短ですね。そういう「誠意」というか、ある意味での「謙虚さ」みたいなものは、なんとなく必要な気がします・・・。



          

 
 
2007.11.21(20:51)|シンキングメソッドコメント(1)トラックバック(0)TOP↑
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弊社のコンサルティングのポリシーです。

・過去に人類が考えてきたこと(Thought)を蓄積し、そこから鋭い洞察(Insight)を生み出し、その洞察がまた、Thoughtの一部になっていくプロセスを回していくこと。そのプロセスが社会のナレッジ量を増加させ、全ての価値を生み出すことを認識すること

・先人の知恵に対する敬意を払い、学び続けること。ナレッジの自己への入力量が自身の考える能力を向上させ、社会のナレッジ量を増加させることを知ること

・社会のビジネスナレッジの偏在を正すことを目指すこと。そのために社会の構成員であるクライアントに対してビジネスナレッジを提供すること

・ビジネスナレッジの偏在を利用する悪貨たる企業を駆逐する良貨たらんとすること。そのために偏在を利用する企業以上のマーケティング力を持つこと。そして、提供したナレッジに見合った対価をクライアントから頂き収益を上げ、成長していくこと

・社会に対する志を持つ企業、個人をクライアントとすること。例え儲かるとしても、志を持たない企業、個人をクライアントとしないこと

・クライアントの成長を望むこと。具体的な解の提示よりも、その解を出すプロセスをシェアすることにより、クライアント自身がプロセスを組みなおし、異なった解を出す力を増加させることに重きを置くこと

・抽象的な理論のレイヤから、クライアントサイドの具体へと寄っていくこと。ただし、その過程でクライアントにも具体のレイヤから抽象のレイヤに寄ってもらうこと。その上で、中間のレイヤでクライアントと共に新しいナレッジを生み出していくこと
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