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「地方自治体のブランド創出」とか、そういうことをやっている友人がいます。彼はバリバリのコンサルタントで、全国を飛び回る毎日を送っているそうで。先日、彼と東京で飲んで、多摩まで帰るのがつらかったので、アパホテルにそのまま泊めてもらいました。
1人用のホテルに押しかけてしまったので、夜遅くまで、いろいろと話しをした後に、私は床でスヤスヤと眠りました・・・。次の朝の大浴場でのお風呂は気持ちよかった・・・。
その時に、「市町村のブランド作り」みたいな資料を見せてもらいまして。思ったこととしては、地域商品のブランド化から入ったほうが、多くの人にはわかりやすいんだろうなあ、ということでした。
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久しぶりにブログを書きます。
最近、メルマガしか書かないので、なかなか・・・。ごめんなさいね。でも、ぎりぎりの発言を書くにはやっぱりメールマガジンかなあ、と思っておるのです。
さて、今日は最近話題の風評被害について、思うことを書こうと思います。
消費者と企業が交換をする。消費者はお金を払って、企業は商品、サービスを提供する。これは当たり前ですね。で、その時に、消費者が企業の情報、商品の情報を十分に得られるかというと、そうではないことが多い。
初めて行くマッサージ屋さんが上手なのか?自分に合うのか?はわかりませんよね。びくびくです。
提供側は一応、その提供商品、サービスについて理解しているのですが、消費者側が持っている情報にはばらつきがある。
こういうのを、「情報の非対称性」と言いますね。
で、広告に商品説明ががっちり書いてると、いいかも、と思う。ま、この企業側の提供情報が必ずしも正しくはないのですが、情報が不十分だからこそ、広告宣伝が効いてくる。
でも、広告宣伝費をかけなくても、一定の信用を獲得した商品とか、企業とか、ありますよね?
そういうのは、ブランドと呼ばれたりします。
ブランドがあると、特に商品について情報を得なくても、なんかいい気がする。これも情報の非対称性がなせるわざです。
でね、今日のテーマの風評被害です。
もう、言いたいことはわかりますよね。
買い手に十分に情報はない。でも、なんか、悪い気がする。ダメな気がする。みんなこわいって言ってるもん!みたいなものが風評被害ですね。
もはや、日本メーカーが作ったものを海外に出すのに、契約書に放射能チェックの条項が入ってしまうようです・・・。
海外の人から見て、日本はどこでも放射能に汚染されてそうだ、というのも風評被害ですよね。
海外の人から見て、日本人は礼儀正しそうというのは、ブランドかもしれませんけど。
この2つは本質的には同じものだと思います。プラスに作用するのか、マイナスに作用するのかだけの違いですね。
なんか、ふつうの話で恐縮です。
それでは次回をお楽しみに。
こんばんは。伊藤です。
東京は少しは涼しくなってきたように思いますが、
また、暑さのピークはやってくるようです。
さて、今日はブランディングについて書きます。
ブランドを作るには体験なんだ!とおっしゃる方が多いのですが、
なぜ体験なのか?どんな体験をするとどうなるのか?ということを語る人が少ないので、
少し語ってみようと思います。
それでね、体験は何をもたらすのか?といえば、
価値観の変容をもたらします。
これを成長と言ったりします。
児童文学の1つのテーマですが、
体験を通じた価値観の変容が成長であるというお話です。
では、価値観とは何か?
大事な物事とその優先度です。
人は固有の体験を持っていますね。
なぜなら、同じ座標を違う人間が占めることはできないからです。
世界で、今、あなたがいる座標と同じ座標で同じ経験を出来る人は
いないのです。
人は個性を主張せずとも、既に固有の体験を保証されているんです。
そして、その価値観が世界の見え方を規定しています。
これまで生き残っているわけですから、これまでの体験で大事な物事が自分の生存をもたらしていて、
それと似た物事を積極的に認知しようとしているわけです。
当たり前ですね・・・。
同じ世界が見えている人はいない。経験が固有ですからね。
そして、その経験、体験を通じて、自社のブランドの大事さを上げることができれば、
ブランディングとしてはうまくいったことになります。
これを自社のターゲットとしているお客さんにやらないといけない。
自社のブランドが大事なら、勝手にいろいろ認知してくれます。
ポルシェのオーナーはポルシェの広告を一生懸命見ますよね。
ただ、商品のカテゴリによって、生存に重要になりやすいブランドとなりにくいブランドとが
あるでしょう。
また、その人の生活、職業によって、縁もゆかりもないカテゴリというのがありえます。
水虫にならない人にとっては、水虫薬の宣伝は目に入りにくいわけです。
コーヒーなんて生存に意味があるような商品ではないので、
生活の中でオフィスと家庭の間にあるサードプレイス体験!といった主張をするわけですよね・・・。
オフィスや家庭と結びつけてその中間にある理想の形をデザインで体現しているといったところでしょうが、
口で言うのは簡単かもしれませんが、実際にデザインするのは難しいでしょうね・・・。
それでね、自分の商品とは生存に対してどのように効いてくるもので、
その使用の体験というものをどう設計すれば、価値観の変容をもたらすぐらいの体験になるのか?
というところがすごく大事なわけです。
それは購買頻度によっても変わってくるでしょうけどね。
結局、宣伝、購買、使用が体験の多くを占めますからね。
長くなってきたので、今日はこのあたりにしておきましょう。
次回をお楽しみに。
こんばんは。伊藤です。
ブランド構築はどうやればいいのか?もう少し具体的に知りたいです。
という質問が来ていたので、もう少しだけちゃんと書きます。
ステップ論にすると、自社事業をブランド化するには、
①コンセプトの再定義/顧客視点で、顧客が自社の商品サービスでどう変わるのか?を考える
②顧客接点ごとの顧客体験の設定/顧客は体験によって、価値観を変えるので、どのような体験で顧客の価値観をどう変えるのか?を考える
③情報管理の徹底、社内文化の変革/顧客は、自社情報と接触すると体験を得てしまうので、思わしくない情報の流出は避ける。そのためにどのように情報を管理するのか?を考え、社内の文化を上記顧客体験を生み出すためにどう変えればいいのか?を考える
④上記を実現するビジネスモデルの再構築、収支シミュレーション/カネがサステイナブルでなければ話にならないので、顧客接点にカネをかけ、それ以外にはカネをかけずに効率的にビジネスモデルを組み直すにはどうすればいいのか?を考える
ということになります。上記4点を紙の上で考えてみつつ、少しずつ実行のための施策を打ちつつ、変えていくのが現実的でしょうね。
①から順に見ていきます。
ブランドのコンセプトの再定義は意外と難しいと思います。自社のバリューは何なのか?というのを考え直すのは、
けっこう難しい。顧客はなぜ自社商品を買っているのか?それは顧客にどのような変化をもたらしているのか?
もしも、自社商品がなかったとして、どうなるのか?自社もライバルも、業界がその商品・サービスを提供しなかったら世界はどう変わってしまうのか?というところから考えてみてもいいかもしれません。
次は②です。
顧客と接触を持つポイントを洗い出します。Webの会社であれば、ホームページやメルマガが顧客との接点になります。
直営店を持っていれば、当然そこは顧客接点です。その体験を設計する。どのように顧客の価値観を変えるのか?
デザインも重要視されています。例えば、ネスレは保証付きブランドをやっていたこともあります。ネスレのマークをマギーにも入れるとかね。でも、それは流通業者向けの宣伝だったりするのです。
マイナーな会社は、親会社の威光みたいなものがないと、流通から相手にされなかったりするので、どうしても流通向けのメッセージが競争のポイントになってしまう。ただ、それは顧客からの支持を受けるには、邪魔だったりするわけです。
これを大々的にやっているのは、佐藤可士和さんですよね。
セブンイレブンのPBやユニクロのデザインで、無駄な物を一切省いたデザインを作っています。
元々、SMAPのプロモーションの時に、この手法を大々的に使いましたよね。
誰でもSMAPは知っていて、余計なことを伝える必要がない。だから、極限まで絞ったコミュニケーションで行ける、というやつでした。飲料の缶にSMAPと書いた看板を10年ぐらい前でしたが、良く見かけましたよね。あれです。
直営チャネルがあれば、流通向けのメッセージを排除した、純粋に顧客向けだけのデザインができます。
結局、最終消費者の支持を争っているわけですから、これだけで有利ですよね・・・。まあ、流通業者のバリューを否定しているようで申し訳ないですが、インベントリのリスクを負ってくれる、商品を大きく流してくれるのが流通の大きなバリューですが、
目利き能力はカテゴリに関してはあるのでしょうが、個別商品のコンセプトの強さみたいなもんには発揮されないことが多いですね・・・。ごめんなさい。
でね、流通を通さないといけないならば、余計なものがたくさん必要ですが、ピュアに使う人と直接接触ができるのなら、
そこの体験を中心に考えてみると、いろいろわかることがあると思います。
で、ここでのポイントはありていに言うと、5感に訴える体験をしてもらう、ということですが、
なぜ5感に訴えないといけないのかは、説明するとものすごーく時間がかかるので、私が勉強会をやる時にでも、
私に聞いてみてください。しばらくやりませんが。でも、とにかく5感に訴えるぐらいで考えてみて下さい。
さて、③に移ります。
情報管理と企業文化というのは、最近、ホットなテーマですね。
ザッポスのトニーシェイが、社員の口に蓋はできないのだから、楽しい企業文化を作って、
居酒屋で社員が飲んでいようと、そこで、誰かが接触してきたら、いい印象を与えられるようにすべし!と
主張していますね。
ディズニー、アップルは前に書いたように、秘密主義で、社内事情などを漏らしたりすると厳罰です。
絶対漏らすな、というカルチャーがあります。キャストと言われるバイトの人たちは搾取されるお客さんなので、
彼らはもてなされる対象ですね。だから、箝口令を敷く必要がないぐらいの接待をしておくわけです。
企業文化の形成は採用障壁を上げるのが一番いいわけですが、なかなかそれは難しいでしょうね。
人がわんさか入りたいと言ってくるような企業をまず作る障壁が高いです。
そうすると、教育でなんとかすることになる。そこにコストをかけてなんとかする。
せめて、挨拶はちゃんとして、ツイッターに問題映像をアップしないような教育のコストは必要でしょう・・・。
でもね、その上を行かないとブランドにはなれませんよね。そこは価値観教育というやつです。
ここでも、社員の5感に訴えて教育をする必要が出てきます。リッツカールトンが流行って、クレドという信条、行動原則を書いたカードを配るのも流行りましたが、毎日、毎週のミーティングで飽きずにいろいろやる必要があるでしょうね。
最後に④です。
顧客接点にコストをかけるには、それ以外のビジネスプロセスを効率的にする必要があります。
サプライチェーンは効率的にした上で、顧客接点では、それなりに非効率にカネをかける。
これができないと、ブランド体験をコントロールすることは難しい。
でも、徐々に移行するしかないでしょうね。少しずつ、変えていく。
大変ですけど、目指すところは、顧客接点以外は超効率的なビジネスモデルを組むことです。
収支のシミュレーションをしっかり組んで、やらないといけない。じゃないと潰れます・・・。
課題をピックアップして、それを順序良く実行して、成果を測るというのをずっとやっていくしかないでしょうね。
ぐらいですが、伝わりました?
コーポレートアイデンティティを変えるだけではどうにもならないし、デザインを変えるだけでも
どうにもなりませんね・・・。
他にも論点はあるわけですが、長くなってきたので今日はこのあたりで。
次回をお楽しみに。