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 ビジネスではロジカルシンキング本が売れていますが、それを読んでもいまいちコンサルティングに端を発するロジカルシンキングがどういうものなのか?はよくわからないと思います。

 わかりやすく伝えるということしか書いてない本が山ほどです。

 確かに、わかりやすさというのはビジネスにおいて大事なのですが、わかりやすい=論理的である、ではありません。そこはよく勘違いしている人がいます。

 巷のロジカルシンキング本から、論理学関係の本は一通り読みました。が、なかなかビジネス向けにいいなあ、と思う本は少ない。なぜか?と言えばコンサルティングのロジカルシンキングは論理学を必ずしもバックグラウンドにしていないので、理論的背景が、想像で書かれています。それがすごく面倒なのです。

 当然、コンサルタントのロジカルシンキングは実践を積み重ねたものですので、実践的なことはたくさん書いてあるのですが、正直、よくわからないと素直に書いてあるものもたくさんあります。

 コンサルタントが書いたロジカルシンキングの本で一番いいな、と思ったのは、↓。

ロジカル・プレゼンテーション―自分の考えを効果的に伝える戦略コンサルタントの「提案の技術」ロジカル・プレゼンテーション―自分の考えを効果的に伝える戦略コンサルタントの「提案の技術」
(2004/02/01)
高田 貴久

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 まさに、著者の経験を元にわかりやすいオリジナルな説明が書いてあります。当時、こんなことを言う人はあんまりいなかったのですが、この本が出てからコンサルティングの会社の研修が変わったのでは?と思います。

 ただ、「示唆出し」がそもそも何なのか?などは実践の中でやっているので、定義がよくわからなかったような旨が正直に書いてあります。

 それで、こういったコンサルタントのロジカルシンキングをベースに理論とどうつなげられるんだろう?と思って、論理学の本をやたらと読んだ頃があります。

 論理学は、哲学史的に考えると、非常に面倒です。

 論理学でよく出てくるのは、ギリシア哲学だと、ストア派、メガラ派。ソクラテス、プラトン、アリストテレス。そこからだいぶ飛んで、ジョン・ロック。ヘーゲル。カント。また飛んでフレーゲ、ラッセル、ウィトゲンシュタイン。

 そこからまた飛んでゲーデル、クリプキ。別の方に飛んでオースティン、サールなど。

 だいぶ端折ってますが、相当面倒です。ビジネスでは複雑なロジックはいりません。単純でいいのです。

 いわゆる等式変形的な形式を問題にする構文論。哲学ではアリストテレス。そこからフレーゲ。

 現実世界との意味の対応を問題にする意味論。哲学ではソシュール、ウィトゲンシュタイン。

 語り手との関係を問題にする語用論。哲学ではオースティン、サール。

 の3つで十分。ヘーゲルの弁証法的論理学はどちらかと言うと、矛盾を越える、Win-Winをどう導きだすか?の考え方に非常に近いです。学べば学んだで深いのですが、時間的な費用対効果はありません。カントはアリストテレスを過大評価しすぎだったとか、そういう小話も面白いのですが、ビジネスにはあまり意味がありません。

 で、入門書としては、

 
論理学入門―推論のセンスとテクニックのために (NHKブックス)論理学入門―推論のセンスとテクニックのために (NHKブックス)
(2000/09)
三浦 俊彦

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 この本で十分です。この本、記号の説明をちょっと端折ってあるので、よくわからないかもしれませんが、Webでも引きながら読んでください。

 で、なぜ、先に上げた、構文論、意味論、語用論で十分なのかと言うと、コンサルティングにおけるロジカルシンキングはこの3つと重なりあっているからです。そして、実践ですので、ぐちゃくちゃに語られている。それではわかるわけもないと思います。

 まず、ファクトベースという考え方は意味論に近いです。現実としてどうなっているのかとの対応関係を重視する。これは論理学で言う意味論。

 そして、コンサルティングでは、「そら、あめ、かさ」などの独自の推論形式を取ります。これは帰納法と演繹法がうまくミックスされているのですが、この推論は論理学では構文論。形式的に定まる形がわからないと推論の妥当性なんてわからない。

 そして、コンサルティングでは、主語にとっての意味合いを問題にします。これは論理学で言うと語用論。ハイデガーの未来の行為をベースに現実を見るという思想に近いのですが、論理学ではオースティンの「パフォーマティブ」を参照すると非常によくわかってくる。

 この3つが多少ぐちゃぐちゃした形で混ざり合っているのが、コンサルティングから漏れ出しているロジカルシンキングスキルです。

 優秀な人は直感的にわかります。あらゆる学問に滑り込んでいるからです。そもそも天才的な人は、勉強してなくても、ゼロから考え、組み上げることはできなくはないでしょう。

 論理学はアリストテレスの弟子は「オルガノン」としてまとめています。オルガノンとは道具という意味です。これはつまり、1つの独立した学と言うよりは、学問のための道具という意味です。

 ロジカルシンキングも道具です。勉強しても、そもそもアイデアに乏しい人にはあまり意味がない・・・。悲しい現実ですね。

 このあたりのことは研修パッケージにまとめていますので、そのうち、講座でもやろうかな、と思っています。それでは、次回をお楽しみに。
2010.09.17(09:31)|シンキングメソッドコメント(1)トラックバック(0)TOP↑
 さて、今日は書籍の解説です。

 先日、論理学の入門書として紹介した本↓を予想以上の人が買って頂いたようで・・・。ご意見が来ました。「難しいです」「おせんべいのような歯ごたえです」と。

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 確かに、私もノートを取りながらやっと理解するような本だったので、ちょっと難しいかなあ、とも思います。ただ、述語論理を数式まみれで解説する他の入門書だと、そこでギブアップの人も多いかと思いまして。この本のいいところは数式が少ないという点に尽きます。真理表も、1,0形式ではなく、T,F形式ですし。

 極力、数式に拒否反応を起こさないような入門書ということで、ご紹介しました。確かに著者の趣味が炸裂した入門書なので、難しい面もあるかな、と思います。なので、このブログで何回かに渡って、解説を書いていこうと思います。

 まず、この本は第1章と第2章に分かれています。論理学の入門書としては、第1章が理解できれば、完璧です。第2章は人間原理の解説で、哲学への誘いのようなパートです。これは読み物として理解を越えて、「へー」ぐらいで読んでください。

 で、その第1章がどういう構成かと言いますと、

第1節  論理学的思考へ 意味論と語用論
第2節  真と偽 命題の特性を探る
第3節  トートロジー 偽となりえない命題
第4節  「ならば」の論理
第5節  「妥当な推論」とは何か?
第6節  推論の冒険
第7節  地球外知性は存在するか?
第8節  述語論理学 命題の内部構造を探る
第9節  多重量化と同一性 日常言語の曖昧さを解きほぐす
第10節 存在をめぐる謎 哲学と論理学の交差点
第11節 「何もない世界」 存在論への論理学的アプローチ
第12節 前提明示化のテクニック 意味論的前提と語用論的前提
第13節 演繹と帰納 「健全な推論」の導き方
第14節 事実と価値をつなぐ論理 「である」から「べし」を導けるか
第15節 なぜ、人を殺してはいけないのか? 論理学からの回答
第16節 嘘つきのパラドクス 背理法の盲点

 という、お腹いっぱいの16節が並んでいます。ただ、こういったビジネスに実用的と思える入門書はあまりないので、トライする価値は十分にある入門書です。

 まず、今日は軽く第1節の一部を解説します。本をお持ちの方は本を見ながらこちらも読んでください。

 P12~14:「証明とは何か」

 ここでは、論理学を定義しています。著者のここでの定義は「日常生活の会話から科学の専門的議論にも適用できる証明の方法論を体系化する学問」です。これ、大事なので丸暗記して下さい。

 更に、高校の数学でなじみのある「証明」=「推論」=「論証」ということが付記されています。これも大事ですね。この本では「推論」という言葉が今後、たくさん出てきます。ここでは証明と言っているのですが、そのうち推論という言葉遣いに変わっていくのです。

 例示として、三段論法が出てきます。この三段論法の例示も、形式的に正しい例が、2つ出てきます。ただ、前者は意味論的に正しく、後者は意味論的には誤っている。

 三段論法は前提が正しいとすると結論が正しい論法です。この形式に現実的にはおかしいものをあてはめても、前提が真であると仮定すると、結論も真になるということが示されています。

 正しい推論の形式を求めることは、悪いことではありません。まさに等式変形のように論理、言葉を使える。ここで、意味論とは切り離されていることに注意が必要です。現実的には、言葉と現実世界の対応ができていないロジックは無意味です。

 論理学では、推論形式の正しさと意味論的な正しさを分けて考えることに慣れてください。

 意味論の説明の仕方として、写像理論というものがあります。世界を事実の総和として見る。そして、その事実の総和と、言葉にされうる論理には対応関係がある、という考え方です。

 言葉を見聞きするときに、具体的に世界をイメージするのとまさに同じです。雲という言葉を見たら、雲の映像が頭に浮かぶといった具合ですね。

 この初めの数ページでは、

・この本の論理学の定義は「日常生活の会話から科学の専門的議論にも適用できる証明の方法論を体系化する学問」

・形式と意味を論理学では分けて考えること。

 の2つを分かってくれればいいです。

 今日はこれぐらいで。少しずつ解説していきますので、お付き合い下さい。
2010.09.20(23:20)|シンキングメソッドコメント(2)トラックバック(0)TOP↑
 今日も論理学入門↓の解説です。Amazonで数百円だそうなので、興味ある方はご一読下さい。

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 P14~16「意味論と語用論の違い」

 ここでは、まず「命題」という概念が導入されます。ただ、この本では「命題」=「文」として考える、とのこと。

 命題は厳密には真偽が定まる文です。正しいか間違っているか?が定まる文章のことです。

「地球は太陽系第三惑星である」は真ですし、「1789年にフランス革命は起こった」も真です。「電子は原子より大きい」は偽ですね。簡単です。この本では、真=TrueでTと略し、偽=FalseでFと略します。

 なので、厳密には、「なんて君は素敵なんだ!」といった感嘆文。「早くご飯を食べなさい」といった命令文。「その箱の中に入っているのは何だ?」といった疑問文は真偽が定まりませんので、命題ではありません。

 でも、わざわざ論理学の勉強をする本なので、問題に出てくるのはちゃんと真偽が定まる形の文章です。だから、この本の場合、命題=文と言っていいということです。

 そして、構文論、意味論、語用論という3つの分野が提示されます。

 構文論は文章の形式を問題にします。これは三段論法などの推論の時に正しい推論の型を理解する時に重要です。単に1文であれば、「主語-述語」の関係の文章になっている、といった分析をするということです。

 意味論は前にも書きましたが、言葉で表現されていることが、現実世界と対応しているのか?を確かめるものです。歴史的事実なら真偽は動きませんが、「あなたは昨日カレーを食べた」は、「あなた」が誰で、「昨日」がいつなのかを確定しないと真偽が定まりませんね。でも、日常ではよくあります。

 山手線に乗っていると、品川駅を過ぎたところなのに「今、池袋。もうすぐ渋谷につく」と言っている人がいます。この「今、池袋」は偽です。「もうすぐ渋谷につく」は真ですけどね・・・。こういう現実との対応、ファクトとの対応を問題にするのが意味論です。

 ここで、「構文論と意味論を厳密には分けないで一緒くたに真偽を考える」、と書いてあります。じゃ、分けるなよ、と思うかも知れませんが、別々に検討して、統合して真偽を判定するぐらいに思っておいて下さい。慣れると一瞬で、何が違うのかがわかるようになりますが、慣れないと、別々に検討してみて、確認していったほうがいいと思います。

 そして、語用論は「語句と言語使用者の関係」が研究されると書いてありますね。この発言をした主体の文脈、歴史、これまでとこれからの発言などの関係が研究される。これはビジネスをやる上ではすごく大事ですね。

 経営者というのはその場その場では正しいことを言っていても、ずーっと見ていると長期的には矛盾が生じてくるというのはよくあります。でも、それにはそれなりの意味がある。みたいなところと同じです。

 昔、コンサルティング会社がシンクタンクを揶揄して「シンクタンクの報告書には主語がない」とよく言いましたが、この主語にとっての意味を考えるのが語用論に近いです。

 そうすると、意味論と語用論の区別はちょっと難しい。意味論は「現実と言葉の対応」という意味での意味を問題にします。語用論は「発言した誰かにとってのその時のその文の意味」を問題にします。どちらも意味を問題にしていますが、意味という言葉の意味が違いますね。ややこしい。

 語用論的意味は、主語が何を未来の行為として想定しているのか?によって、影響を大きく受けます。これは、コンサルティングで問題になる「意味合い」という言葉に近いのです。このあたりは繰り返し説明しますので、今日はこのあたりで。
 
 といったことがこのパートには書かれています。これだけでもお腹いっぱいかもしれませんが、ステップバイステップでこのブログと読み合わせていけば読めますので、お付き合い下さい。

 それでは次回をお楽しみに。
2010.09.21(23:58)|シンキングメソッドコメント(2)トラックバック(0)TOP↑
 しつこいですが、しばらくこの本の解説を試みます。

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 P16~17:「諸言語の意味論的規約としての論理学」

 ここは非常にわかりにくい部分ですね。じっくり見ていきます。

 全体としては、語用論と意味論の関係を説明しながら、「メタ言語」という概念を導入しています。

 そして、メタ言語の導入後、メタの視点から日本語と英語を比較して、共通点の有無の系譜を少しだけ考える。そうすると、「人間の思考活動の共通性が、諸言語の共通性を生んだのだから、どの言語にもあてはまるような言語の記号化が可能で、それが『論理学』だ」と言い、また最後の部分ではこの文章を言い換えて「人間の思考を構造化する最も基礎的な精神作用を、諸言語に共通する最小限の意味論によって研究する学問」が論理学だと言っています。

 語用論と意味論の違いだけでも難しいのに、突然メタ言語なんて言い出しやがって、余計に意味がわからんよ、とツッコミたくなりますが、我慢我慢。

 おいおい、P12で言っていたのよりも、複雑な論理学の定義を断りもなく出しやがって、というツッコミがしたくなりますが、我慢我慢。

 「語用論」を導入してわかりにくくしながら、論理学の主題は意味論だとか言い出しやがって、人を混乱させて楽しんでいるのか?と思うかも知れませんが、我慢我慢。

 まず、語用論は主体がある言葉をどのような文脈の中でしゃべっているのか?などが問題になります。例えば、「私の娘は男です」という文は短文で見ると、矛盾していますが、会話の中で矛盾していないで使われるとするとどうなるか?

 「私の娘に赤ちゃんが生まれて、女の子なんだけど、お宅の娘さんのお子さんは男でしたっけ?女でしたっけ?」と聞いたとすると、「私の娘は男です」と言うのも可能ですね。

 文の意味は文の前後関係にも規定されますし、発話主体の想定している時間的前後関係にも規定されます。これが語用論のポイントです。そして、必ずしもロジカルではないですが、好意的にロジカルにとってあげようという原則もあります。

 しかし、この文は意味論でも捉えられます。文と事実の総和としての世界の対応は、「私の娘は男です」という文章でも、指し示す事実は「娘の赤ちゃんが男である」ということです。文は世界との対応関係がある。

 しかし、メタ言語は、世界の事実と対応しているとは言いにくい。メタ言語とは「文を説明する文」だと思っておいてください。

 本の中では、いくつかの例とともに、「「恐竜」は日本語である」という例が出ています。この例で行くと、概念としての「日本語」を具体的にイメージするのって、難しいですよね。他の言語との比較の中で、日本語をイメージすることはできなくはないですが、個別具体のシーンで日本語を規定するのは難しい。日本語という言葉が指し示す世界の事実は1つで対応できるわけではないですね。

 意味論的には言葉は現実世界の事実を指す「記号」だと言えることをずっと説明してきたわけですが、その記号を指す記号もあるのです。記号の記号。それが、メタ言語ですね。

 P17に入ると抽象語が炸裂して意味不明だと思うかも知れませんが、読解します。

 まず、「意味論的規約」というのがいきなり出てきます。これは意味論に関わる決まり事とでも読んでください。

 そして、その意味論的規約は「制度」に依存するとあります。これはおそらく、各言語における体系とでも読めばいいと思います。

 やさしく言うと、「意味論の決まり事は各言語の決まりによって違うはずだよね」と言っています。まあ、そりゃそうだよなあ、としか言いようがないですが。日本語で書かれた文章がどういうルールで何を指し示すかの「指し示し方」は日本語に依存するだろうし、英語で書かれた文章がどういうルールで何を指し示すかの指し示し方は英語に依存します。

 言語によって、単語も違うし、文法も違いますからね。

 と言っておきながら、著者は共通部分、類似点が浮かび上がる!とも言います。まあ、そりゃそうだろ、人類だし。英語と日本語の間ではほとんどの表現は翻訳できるだろうし。

 そして、「推論」という活動は人類に共通するだろう、と興奮気味に言っています。

 で、最後の文「論理学とは、人間の思考を構造化する最も基礎的な精神作用を、諸言語に共通する最小限の意味論によって研究する学問」という論理学の新たな定義に結びつけています。
ちょっとわかりにくいですね・・・。


 P17~19:自然言語と論理言語

 ここでもまた、論理学の定義が2回ほど違った形で提示されます。内容としては繰り返しになるようなことしか言っていませんが、ここでまた新しい言葉が出てきます、仮想言語、人工人口記号、人工記号言語といった言葉です。これまで言ってきたことにこういった言葉を重ねることで論理学を新たに輪郭付けようとしています。

 まず、P13で出て来た2つの三段論法がありましたね。それを引き合いに出して、日本語の意味論的決まり事が何を指し示そうとも、形式的にはこの2つの三段論法は真である、と言っています。

 そして、「いろいろな意味論を持つあらゆる言語に共通する最大公約数的な構造を抽象化する学問だ」と言ってます。

 数学の等式変形はどんな国に行っても、あの形で通用するのに、似ていることが言いたいんだと思います。

 そして、その後の数行では、意味論的に、言語と世界の対応が言われていて、世界が変われば、偽の命題も真になったりするよね、ということが書かれています。

 その上で、世界がどう変わろうと、形式的に正しい証明ってあるよね、と言っています。

 そして、「言語がどのようなものであろうと、世界で何が起こっていようと、確実に成り立つ命題の真偽の組み合わせのパターンを体系化するのが論理学だ」と言っています。

 なぜ、こんなに面倒な断りを著者がずっと入れているかと言いますと、論理学では論理記号という数式っぽいものを使ったりするのですが、それが必要だと言うためですね。

 論理学で使う論理記号は、日本語や英語などの固有の言語を越えた決まり事として、各言語固有のルールをとっぱらい、共通する論理要素だけを表記するための「人工の」言語なんですね。

 それを、人工記号言語とか言っているわけです。論理学内部の言語から見れば、日本語で論理学の人工言語を解説することは、メタ言語による解説というふうになるよね、と言っています。

 ぐらいでしょうか。

 これぐらいガイドラインがあれば、第1節はわかるだろうと思います。で、ようやく命題の真偽の話に次の節から入っていくわけです・・・。
2010.09.23(21:30)|シンキングメソッドコメント(0)トラックバック(0)TOP↑
 さて、今日から第2節の解説です。

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 第2節 真と偽 -命題の特性を探る-

 P19~21:寛容の原則

 はじめのパラグラフがわかりにくいですが、解説してみます。

 
論理学は、個々の単語の意味や、命題の実際の真偽の気にすることなく、つまり言語や世界に関してたまたま成り立つ事柄の成否を調査することなしに、命題間に成立する真偽の必然的構造を調べる。


 どういうことを言っているのかと言いますと、論理学では、意味論的にこれは正しいということは、とりあえず気にせずに、各命題がどういう「構造」になっているか?を調べるということです。

 ここで言う構造は、「真偽の構造」です。関係しあう命題の中で、こういう場合は真、こういう場合は偽という組み合わせのあり方を指して、構造と言っていますね。

 この全体観はなんとなくしかわからないと思いますが、この時点ではこの程度の理解で大丈夫です。

 そしてここから、個別の命題とは?というおはなしに入っていきます。

 まず、「命題は真偽を持つ」と言っています。

 始めに出ている例、「太陽や富士山や恐竜や円周率は真でも偽でもない」というのは、「単語」では命題にはならないと言っています。命題は「文」の形を取らないといけません。

「命題=文」という定義をこの本ではすると前で言っているので、わざわざ断る必要もないのですが、「真偽」がある文が命題だと言っていて、そうでないものは命題でないと言っています。

 そして、理論の例えが出てきます。「理論は命題の集合体」であり、「理論の趣旨を構成する諸所の命題の真偽がある」ことから、理論自体の真偽が語られるケースがあると言っています。ここは今のところは気にしないで下さい。

 そして、ようやく真偽の説明に入ります。

 真・偽を「真理値」と言います。真と偽の二通りです。正しいか間違っているか、です。

 で、次がこれまたわかりにくいのですが、真偽の考え方から、世界観を導入しています。真偽に対する考え方で、世界に対する考え方がわかるというものです。

 ここでは、3つの世界観が示されています。

 ①実在論的世界観:人間の認識に関係なく真偽が存在する

 ②観念論的世界観:人間の認識が真偽を生み出す

 ③実証主義的世界観:観測して確かめられた命題だけの真偽が確定する

 ここは少し、哲学の領分に入ってしまっていますね。例えば、物理学で有名なホーキング博士も「人間のいないところで木が倒れたら音はしない」と言っています。観測者がいないと、事象は存在しないことに等しいという考え方ですね・・・。

 例えば、人類が壊滅的な打撃を受けて、2人しか生き残らなかったとします。それでも夕日は赤いのでしょうか?

 そう言われると、「赤いに決まっている」と思うでしょう。

 でも、その生き残った2人は、2人とも、目の異常で「赤」が知覚できない人だったら、それでも夕日は赤いのでしょうか?彼らには夕日が青く見えていたら?

 とかね。考え出すときりがないです。

 とりあえず、①の「実在論的世界観」の考え方が常識に近いから、この本では①の考え方にしようと言っています。

 そして、P20の最後のパラグラフ~P21までは、「真偽がどの程度厳密に定まるのか?」、「いや、意外と曖昧だ」という論点と解から、「寛容の原則」の説明をして終わっています。

 まず、曖昧である例として、各国と戦争の解釈の話が出ていますね。

 それをまとめて、「命題の真偽という意味論的事情には、誰にとってどういう文脈で真とされるのか、という語用論的要因が必ず入り込んでいる」と言っています。

 これはわかりますよね。ある人にとって、真だというものが、誰かにとっては真でないということは多々ある。企業においては、自社にとって真であることが大事ですけどね。これが、私がいつも言う主語の問題です。

 そして、多くの主語にとって、真であれば真と言っていい、と言うこともできる、と著者は言い、更に日常会話では、「発言者の言葉がはっきり偽と言えない時にはなるべく真となるように解釈してあげよう」という「寛容の原則」について説明を始めています。

 解釈規則として、寛容なポリシーを取らないと話ができない、というのはありますね。

 厳密に、○○ってどういうこと?と相手を問い詰めていったら、話なんてできません。これはコミュニケーションの拒絶です。そういう人、たまにいると思いますけど。

 寛容の原則を相手に求めて、好き勝手にしゃべるのもマナー違反ではありますけど・・・。

 それで、なぜここで日常会話の話が出てくるかと言いますと、この後で、論理学における命題の真偽が日常会話とはだいぶ違うということを説明するからですね・・・。

 次回からようやく真理値、真理表などの説明に入ります。

 さすが入門書・・・。真理値、真理表に入るまでにこんなにかかるとは・・・。と思いつつ、次回から論理学の一歩目のようなところに入っていきます。それでは次回をお楽しみに。



 
2010.09.27(11:13)|シンキングメソッドコメント(1)トラックバック(0)TOP↑
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・社会に対する志を持つ企業、個人をクライアントとすること。例え儲かるとしても、志を持たない企業、個人をクライアントとしないこと

・クライアントの成長を望むこと。具体的な解の提示よりも、その解を出すプロセスをシェアすることにより、クライアント自身がプロセスを組みなおし、異なった解を出す力を増加させることに重きを置くこと

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