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おはようございます。伊藤です。

先日、月刊養豚界という養豚の業界誌に寄稿しました。
さして斬新なことは書いておりませんが、タイトルが「戦略の立て方」になっております。
ご興味ある方は、お読みください。
http://www.pet-honpo.com/magazine/youton/latest

さて、今日は権力にまつわるお話をしようと思います。

学生を相手にして、中学生レベルの公民を解説したりしています。
それでね、ワイマール憲法というのは必ず中学生レベルでも出てくるのですが、
社会権という人間らしい暮らしを保証する権利が認められた、ぐらいしかテストでは出ません。

そして、ワイマール憲法は民主的な憲法だと
書いてあるわけです。

じゃあなんでナチスが権力を握って、第二次大戦につながったの?というのは、
勉強しないんですね。教職をとっている人に聞いてみても知らない。

比例代表で、得票率に応じて政党が議席を獲得するシステムだったことも
一因ですね。ほとんど死票がないシステムなんです。

そして、ドイツの国民性というかそういうことも一因とできると思います。

第一次大戦後のドイツは経済的には大混乱です。
フランスが巨額の賠償をさせようとしましたからね。

でも、その対策は全くできなかった。経済政策が全くない。
なぜか?

比例代表で選挙をすると、同じような数を取る政党が5つぐらい出て、
どこも過半数を取れない。政策は全く違うから妥協、合意ができない。
すると、法案が全く通らず、政府は何もできない。
これによって、ドイツでは政府が機能不全に陥る。

仕方がないので、権力のない大統領のヒンデンブルグが首相を指名する形になり、
ヒットラーが首相になる。

そして、ナチスは他の政党の議員を逮捕、投獄して、出席者数を減らし、
出席者の過半数を取るわけです。

それで、公共事業をやる。有名なところではアウトバーンとかね。それで景気が良くなる。そこまでは良かったんですが、全権委任法を成立させ、ヒットラーの好きにできるようになった。そして、第二次大戦へ、なわけです。

おおざっぱに言えば、こんな流れです。

日本は1.5大政党制と言われました。
ただ、中選挙区制で1.5大政党状態になる。死票が少ないシステムでも支持する政党がさほどばらけない。
小沢一郎氏がこれを変えましたよね。カネがかかるという名目で。

でね、小選挙区制になった。

死票が増えた。これは死票を増やして無理やり2大政党制を作ろうとしたと読めますね。

そして、確かに民主党が政権交代を実現した。でもね、民主党の支持が失われると、かえって自民党が圧倒的多数を取りましたね。得票率はさほど自民党に集中していないのに。これは小選挙区制の弊害でしょう・・・。

それでね、ここからマーケットに関して得られる示唆もあります。
マスマーケットが成立すると、売れるものは飛ぶように売れる。

これも非常に似たような状態です。
欲しいものがさほどばらけない。みんなが同じようなものを欲しがる。まさに「マス」なのです。

今、日本の価値観は多様化してきたと言われますが、政党の得票率が本当にばらけるような状態にならなければ、
本当に多様化しているわけじゃないと判断できるでしょう。

衆議院の比例代表の数字を見る限り、少しずつばらけてきているように見えますけどね。
http://blog.livedoor.jp/blog_de_blog/data/vrate.pdf

マスに何かが飛ぶように売れるには、価値観の統一性が必要です。
でも、それがばらけてきているのであれば、企業が急成長しにくくなってきていると言えそうです。

ただ、ニッチを相手にする中小企業にとっては好都合かもしれません。ただ、それが一定以上にはでかくなれないかもしれません。でかくなりたければ海外に行くのがいいでしょうね。

ただね、問題があります。

そもそも多様化が進むと国家としては精神的支柱を作らないと成立しなくなってきます。

明治の場合は、天皇がその支柱となってきたし、今でもまだ精神的支柱になる可能性は感じます。
日本では政治家が米国の大統領みたいにカリスマ的に国民を束ねえないですし、そういうシステムじゃないですし。

精神的支柱がなければ、人はバラバラになり、
日本人としての秩序がない状態になっていくことでしょう。明治時代なら、陛下のために生きるというのがあったでしょうが、「個人」として成功するとかそういうことを主眼においているので、「黒子のバスケ」脅迫事件みたいな人が増えているように思います。まあ、この話題はまた別の機会に扱いますが。

ただ、価値観の多様化で、日本人であるということでわかりあえないし、話し合っても解決しない状況が顕在化し、人それぞれという名の元に、コミュニケーションが希薄化する。

それはそれで日本の現行のシステムの中では恐ろしい状態です。そうなったら本当にシステムを変えないと国家としてもたないでしょう。

冷凍食品への毒物混入事件のように、日本人だからと信じてそれほど悪さをしないためのコストをかけずに済んでいる面があるんです。これがおそらく持続可能ではなくなり、人を信用しない、人には争いがあるという前提条件でシステムを設計する必要が出てくる。

そこに国民意識の希薄化が重なると更に恐ろしい。
国民意識は自発的に戦争に行く国民も生みますが、同時に配分の大きな根拠になりますからね。

そして、企業への所属がなければ不安にさいなまれる感覚がある中で、国家への所属意識でその不安を払拭できる面もある。右傾化という話、韓国、中国を攻撃する人々が増えているそうなのですが、それは企業への所属の希薄化への反動かもしれませんね。

近代というシステムはなんとも奇怪であるわけですが、それで動いているのですから、
変えるとしても、連続性を保った形でやらないといけませんね。

それでは今日はこのあたりで。
次回をお楽しみに。
2014.03.23(10:20)|マネジメントコメント(0)トラックバック(0)TOP↑
おはようございます。伊藤です。
永田町のカフェで呆けています。

今日は経営戦略勉強会です。
パワーとバリューの視点で経営戦略を捉えなおすという
試みを、全6回でやるので、けっこう大変ですね。

これをやるので、
ポーターとバーニーを読み直してみて思ったのは、
改めてポーターはすごいよなあ、と。バーニーはちょっと、と。
いえ、個人的見解です。

ポーターのファイブフォースが出たのが1979年。
この時、米国は多角化の曲がり角にきていました。
いたずらに規模を追い、利益率が悪化していた。

日本企業が無謀とも言える海外進出をし、
米国企業は慌てふためいていました。

この時、業界の利益率は、競合、供給業者、顧客、代替品、新規参入者など、各プレーヤーのパワーで決まると言ったのが画期的だったのですね。

そして、バリューチェーンと
戦略類型を持ち込んだ。
コストリーダーシップ、差別化の軸と、マス、ニッチの軸で業界を分けてみて、
どこのポジションを取るかで戦略は決まる、と。

これね、外部環境をパワーで分析して、内部環境をバリューで分析するというのは、すごく斬新な発想です。

良く考えてみれば、外部環境は顧客を中心に分析するのが普通です。つまりバリューの視点で分析するのが普通なのです。

内部環境はいかに従業員に言うことを聞いてもらうか、自発性を引き出すか、などパワーの視点、権力行使の視点で分析するのが、今でも常識的だと思います。

それを、逆転させて分析の視点においているのが、
とてつもなく画期的だと私には映るのです。

そして、戦略類型という概念も非常に画期的です。
現在では当たり前の「メタ戦略」の発想へのつながりを感じます。

ただね、ポーターは多角化とか、新規事業とか、そういうもんの必然性に弱いんですよね。
そもそも、ビジネスにおいて、必然的多角化のロジックはひょっとしたら、存在しないのかもしれません。

「競争優位の戦略」では水平展開における考え方を提示していはいるわけですが、この考え方だと、なかなか多角化の意思決定ができない。

まあ、多角化なんてほとんど失敗するわけですけど。

バーニー的に強みを使って、機会をどこのマーケットでも見つければいいんだ!という話のほうが、多角化をしたい人には都合がいい。少し乱暴な言い方ですね。ごめんなさい。

ただ、ポーター的な考えに従うと、果敢な意思決定をしにくいし、
わかっていることを精緻にわかるという感じになってしまう。

ケイパビリティという茫洋としたもの、「強み」というよくわからんものに賭けてみましょう!のほうが多角化の舵は切りやすい。

でも、たいていは失敗するんですけどね。

ポーター的には新規事業で使うプロセス、バリューチェーンの一部を現状で回っているビジネスから借用できればいいという極めて安全な話に落ちます。

コアコンピタンスが概念的にあるから大丈夫なんだ!とはなりません。

もしも、コンサルティング会社が企業の新規事業の背中押しを求められるなら、リソースベーストビューにならざるを得ないですよね。

ちなみに、私は嫌われてもいいので、ポーター的なアドバイスばかりします。保守的なんですね。無謀なことの背中は押しません。

それでは今日はこのあたりで。
次回をお楽しみに。
2014.03.31(08:34)|戦略コメント(0)トラックバック(0)TOP↑
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