先日、本を頂きました。というか、事務所に送って来られた方がいらっしゃいました。開けてみると、どうも、このブログの読者の方ようでした。↓です。
どうも、本を出版されたようですね。おめでとうございます。
ちょっと忙しくて、触れる暇がなかったのですが、ご紹介です。
ただ、この内容をどう紹介しようか・・・、と思って困りました。私は、ISO自体、あまり好きではありません。一応、中身は読みましたよ・・・。
そして、私はISO的なアプローチが有効だとも思っていないのです・・・。
なんていえばいいんでしょうか・・・。ある意味で、システムコンサルティングと同じような感じなんですよね・・・。
標準化は意味があるとは思いますが、意味ある標準化設計ができる人はほぼいません・・・。まあ、ものすごく小さなプロセスなら、なんとかなるでしょうか・・・。でも、標準化を設計して、仕組みを作って、それを評価するというのは、ほぼ無理だと思っています。
だって、評価できたら、その人はちゃんと業務のシステム化が本当の意味でできるということですよね・・・。
そんな人、その辺に転がってないですよね・・・。
そのわりに、ISOを評価する人はその辺に転がっています。
まあ、いいですけど。
業務は、何に照らして評価するのでしょう?
一応、MEポーター博士は答えとして、バリューチェーンということを言っていますよね。業務とは、お客さんに対して、価値を提供するプロセスである、と・・・。
つまり、お客さんに提供する価値に対して、どういう貢献をするのか?ということによって、評価できるんですね。一番大きな論点はそうなります。
その論点を分解して、具体の評価尺度を作っていくんですが・・・。
まあ、プロセスが長ければ長いほど、顧客に提供する価値に対する貢献は評価しにくいものになります。人間の認識能力を越えるからです。
そして、業務は、認識できる範囲で最適化され、顧客に対する価値に対する貢献という視点からは少しずつ、ズレていきます。
いわゆる、部分最適化にむかい、結局、顧客に対する価値に反する、もしくは関係の無い尺度に伴い、活動が行われるようになる。
顧客に対する価値があるというのは、儲かるということですね。
そう、儲からなくなるんですね。
儲からないバリューチェーンを回せば回すだけ、赤字を垂れ流します。
だったら、回すのを止めたほうがましですね。
で、ISO的に考えることで、儲かるバリューチェーンが作れるのか?
うーん。微妙ですね。すごく短いプロセスでも、なかなか言語化できるとも思わないんですよね・・・。まあ、最近、行動科学なるものが流行していて、これはプロセスというか、業務をしっかりと作る技術のようですけどね。
シナリオプランニングのワークショップとか、やってますけど、そういうのをやっても、因果関係図をまともに書ける人はいないです。まあ、そりゃそーですな。
そして、もう1つ言うと、因果関係というのは、ある意味で幻想に近いですね。人が介するものであればあるほど、そうですね。
たいていの関係は、相互の関係です。難しい言葉を使うと、固定的な構造を取るものは、人が絡む以上、あまりないんですね。
流動的に構造が移り変わり続ける。つまり、ゲシュタルト的でありつつ、複雑なんですね。関係性はダイナミックなものだと思います。
1部分をいじると、他の部分にすごい影響が出ます・・・。
しかも、その影響の仕方はランダムに移り変わる?というと言いすぎかな。影響の仕方は場合によって、いくつかのパターンになって、作用を及ぼすんです。
それを、理性でかっちりかっちりできるんだ!みたいな考え方はあんまり好きではありません。
まあ、社員と言うのは、気が付くと、儲けを減らすための仕事をし始めますけどね・・・。本人たちは至って真顔で、自分たちは会社に貢献しているんだ!と言いながら、儲けを減らしていく。これは傍観者的に見ると笑えますが、経営者から見れば笑えないお話しですけどね。
なんでしょうね、捉えきれるかわからないという誠意をもって、業務の全体像に挑むというか、そういう努力を続けるしかないんですけどね。さも、絵に描けるんです、文書にできるんです、それ、当たり前です、みたいなことをISOって主張しているような気がするんですよね・・・。
文書にして、それがズレたとして、儲けが減ることは、あほらしいですよね。まあ、だからこそ、導入しても、社内で徹底なんてしないんでしょうけどね・・・。
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どうも、本を出版されたようですね。おめでとうございます。
ちょっと忙しくて、触れる暇がなかったのですが、ご紹介です。
ただ、この内容をどう紹介しようか・・・、と思って困りました。私は、ISO自体、あまり好きではありません。一応、中身は読みましたよ・・・。
そして、私はISO的なアプローチが有効だとも思っていないのです・・・。
なんていえばいいんでしょうか・・・。ある意味で、システムコンサルティングと同じような感じなんですよね・・・。
標準化は意味があるとは思いますが、意味ある標準化設計ができる人はほぼいません・・・。まあ、ものすごく小さなプロセスなら、なんとかなるでしょうか・・・。でも、標準化を設計して、仕組みを作って、それを評価するというのは、ほぼ無理だと思っています。
だって、評価できたら、その人はちゃんと業務のシステム化が本当の意味でできるということですよね・・・。
そんな人、その辺に転がってないですよね・・・。
そのわりに、ISOを評価する人はその辺に転がっています。
まあ、いいですけど。
業務は、何に照らして評価するのでしょう?
一応、MEポーター博士は答えとして、バリューチェーンということを言っていますよね。業務とは、お客さんに対して、価値を提供するプロセスである、と・・・。
つまり、お客さんに提供する価値に対して、どういう貢献をするのか?ということによって、評価できるんですね。一番大きな論点はそうなります。
その論点を分解して、具体の評価尺度を作っていくんですが・・・。
まあ、プロセスが長ければ長いほど、顧客に提供する価値に対する貢献は評価しにくいものになります。人間の認識能力を越えるからです。
そして、業務は、認識できる範囲で最適化され、顧客に対する価値に対する貢献という視点からは少しずつ、ズレていきます。
いわゆる、部分最適化にむかい、結局、顧客に対する価値に反する、もしくは関係の無い尺度に伴い、活動が行われるようになる。
顧客に対する価値があるというのは、儲かるということですね。
そう、儲からなくなるんですね。
儲からないバリューチェーンを回せば回すだけ、赤字を垂れ流します。
だったら、回すのを止めたほうがましですね。
で、ISO的に考えることで、儲かるバリューチェーンが作れるのか?
うーん。微妙ですね。すごく短いプロセスでも、なかなか言語化できるとも思わないんですよね・・・。まあ、最近、行動科学なるものが流行していて、これはプロセスというか、業務をしっかりと作る技術のようですけどね。
シナリオプランニングのワークショップとか、やってますけど、そういうのをやっても、因果関係図をまともに書ける人はいないです。まあ、そりゃそーですな。
そして、もう1つ言うと、因果関係というのは、ある意味で幻想に近いですね。人が介するものであればあるほど、そうですね。
たいていの関係は、相互の関係です。難しい言葉を使うと、固定的な構造を取るものは、人が絡む以上、あまりないんですね。
流動的に構造が移り変わり続ける。つまり、ゲシュタルト的でありつつ、複雑なんですね。関係性はダイナミックなものだと思います。
1部分をいじると、他の部分にすごい影響が出ます・・・。
しかも、その影響の仕方はランダムに移り変わる?というと言いすぎかな。影響の仕方は場合によって、いくつかのパターンになって、作用を及ぼすんです。
それを、理性でかっちりかっちりできるんだ!みたいな考え方はあんまり好きではありません。
まあ、社員と言うのは、気が付くと、儲けを減らすための仕事をし始めますけどね・・・。本人たちは至って真顔で、自分たちは会社に貢献しているんだ!と言いながら、儲けを減らしていく。これは傍観者的に見ると笑えますが、経営者から見れば笑えないお話しですけどね。
なんでしょうね、捉えきれるかわからないという誠意をもって、業務の全体像に挑むというか、そういう努力を続けるしかないんですけどね。さも、絵に描けるんです、文書にできるんです、それ、当たり前です、みたいなことをISOって主張しているような気がするんですよね・・・。
文書にして、それがズレたとして、儲けが減ることは、あほらしいですよね。まあ、だからこそ、導入しても、社内で徹底なんてしないんでしょうけどね・・・。
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