さて、今日はセールスについて考えるの4回目です。
今日は信頼関係の構築の仕方に関してですね。
あんまり、体系的な営業手法に関するいい本はないですね。
なぜかわかりません。営業で大成している人は、あんまり自分のノウハウを公開しないものだからでしょうか・・・。
というか、MBAでもセールスに関しては、あんまり教えない。
私も書いているインサイトナウ!に営業はスピンしよう!というのがあります。まあ、こういうお話しも今日はしようと思いますが。
コトラー先生もセールスが嫌いなのでは・・・、というか絶対、売り込みとかやったことなさそうですからね・・・。
まあ、営業においては、接待もすごーく大事です。ちゃんと接待交際費を使いなさい!と言っても、使いきれる人は少ないですからね。
信頼関係の構築をする前に、クロージングにかかっても、なかなか買ってもらえません。
人はそもそも、人のプレゼンを聞くのは嫌いです。
商談において、自分が15%以上しゃべっていたら、その商談は失敗と言われています。有名なお話しですが、実践はなかなか難しいです。
商談では、聞く、黙る、というのがすごく大事です。
ついつい、ずっとしゃべってしまう。そうすると、相手は早く終わらないかなあ、と思ってしまうんですね。それでは売れません。
営業では、相手にしゃべらせる。聞き上手であることがすごく大事です。
聞くというプロセスを経ることで、信頼関係を構築します。
なんだ、聞くだけでいいの?と思いますか?
すごーく難しいです。
相手に席についてもらって、しっかり会話しながら、相手のお話しを聞く。
カウンセリング技術、コーチング技術に傾聴というものがありますが、この技術を多少、営業的にアレンジして使うことはすごく大事ですね。
そのまま使っても、厳しいです。コーチングを使おう、と言って、傾聴を取り入れると、大失敗するケースがあります。まあ、そりゃそーですな。
傾聴は、ただひたすら聞けばいいんですが、営業では成約という結果に向かって聞かなければならないんです。
だから、だいぶコントロールが必要です。
人はコントロールできないことがコーチングやカウンセリングの前提ですが、営業では相手を成約に向かわせながら、話しを聞くということが非常に重要になります。
表現は難しいのですが、相手に買う気が少しでもあれば、ニーズが少しでもあれば、コントロール?という言葉が適切かはわかりませんが、コントロール可能です。
全くニーズがない場合は別ですよ。そういう人は見込み客から排除しないといけない。絶対コントロールはできません。
でも、ちょっとでも買おうかな、と思う人は別です。コントロール可能。成約に導くことが可能です。
そこで、出てくるわかりやすい質問の技術ですが、SPINという技術があります。
SPINとは、
S:状況質問
P:問題質問
Ⅰ:示唆質問
N:解決質問
の英語の頭文字をとって、SPINと言います。
今、何に悩んでいるのか?どういう状況なのか?を聞くのが状況質問です。それを聞くと、ニーズがある人は話し始めます。まあ、当然、領域を指定して聞かないといけませんよ。トイレ関連機器を売ろうとしているのならば、トイレで困っていることはございますか?という質問をしないといけません。
いやー、こういうことで困ってて、と相手がしゃべり始めたらしめたもの。
問題質問をします。それはどんな問題をもたらしているのか?を聞く。そうすると、いやー、トイレが臭いから従業員からクレームが出ててさ。なんとかしたいんだよ、などと言い始めます。
そうしたら、その問題がまたまたどんな問題を引き起こすのか?
どんな新たな問題を派生するのか?を聞いていく。
そうですよね。トイレが臭いと、モチベーションにも関わりますよね。トイレが臭い会社は儲からないっていいますよ!
ちょっと、極端かもしれないですが、まあ、そんな質問をして、相手が不安になります。極論、相手を不安にさせるのが、示唆質問です。
不安になったところで、解決質問です。
根本的には、こういう問題を解決すればいいんですよね?いやあ実はいい商品がありまして・・・、とここから、プレゼンに入る。
相手の心を動かすと、信頼関係が構築できます。
話しを聞いてくれる人はありがたい。はじめの状況質問なで、話しがはずめば、相手は共感してくれる人が現れたと思ってうれしい。
共感しつつ、その問題が深刻であるということを提示する。悪い言い方をすれば、相手を不安のどん底に突き落とす聞き方をする。
不安になれば、ソリューションを提示してくれる人を求める。
その時に、こんなソリューションがありますよ、と言うと聞く耳を持ちますよね。
相手の心のコントロール過程としては、
共感による安心感 → 問題の認識強化による不安の増大
というベースを作れば、相手は不安を解決するための提案を聞きます。
信頼関係の構築というのは、相手にプラスの印象を与えつつ、相手のお話しを聞きつつ、食いついてきたら、問題に対する不安感を増大させます。
当然、問題に対する不安感を増大させないといけなくて、あなた自身に対する不安感を増大させてはいけません。あくまで、問題に対して、相手とタッグを組んで向かっていく体制を作らないといけないんです。
この辺は、多少難しいと思いますが、慣れです。
相手とタッグを組みつつ、問題点の認識を強化する。相当不安にさせれば勝ちです。その不安の度合いに応じて、相手はその解決策に対して、高いプライシングをしてくれます。
これほどひどい問題を解決するならば、高いお金を払ってもいい、という感覚を持ってもらう。
ある意味、スピンの過程で、価格を高くするベースを作っているんです。わかりますか?
SPINの解説書であまりこういうことを言っている人はいませんけど、ここにはそういう意味があります。いいですか、不安が大きければ大きいほど、そのソリューションの価値は高くなるんです。
そういうコントロールを是とするか、非とするかは、諸説ありますが。
ニーズが多少でもある人であれば、こういうコントロールはききます。いわゆるニードセールスですね・・・。保険をこういうふうに売っているのが、プルデンシャルですね。まあ、あまり触れたくないですけど・・・。ソニー生命もこの手法を使っています。
彼らはダイレクトに、営業中に「死」という言葉を何度も使います。そりゃそーですな。死という不安が大きければ大きいほど、お客さんはお金を使う。
ただ顧客のために考えなさい、というすさまじい書籍を売っていますけどね・・・。生命保険の場合は人間に共通する不安へのソリューションを扱っていますので、やり方を間違えると恨まれてしまうので、こういう本が必要なんだと思います・・・。
興味のある人は読んでみてください。人の感情をコントロールする手法を学ぶことができると思います。そういう目線で読んでください。
さて、この後はクロージングです。
クロージングにも、テクニックは満載です。本当に満載です。ですが、一応考え方だけ取り出してみようかなと思います。具体のテクニックが知りたい人は、私の研修でも受けてください・・・。
ということで、次回もお楽しみに。
今日は信頼関係の構築の仕方に関してですね。
あんまり、体系的な営業手法に関するいい本はないですね。
なぜかわかりません。営業で大成している人は、あんまり自分のノウハウを公開しないものだからでしょうか・・・。
というか、MBAでもセールスに関しては、あんまり教えない。
私も書いているインサイトナウ!に営業はスピンしよう!というのがあります。まあ、こういうお話しも今日はしようと思いますが。
コトラー先生もセールスが嫌いなのでは・・・、というか絶対、売り込みとかやったことなさそうですからね・・・。
まあ、営業においては、接待もすごーく大事です。ちゃんと接待交際費を使いなさい!と言っても、使いきれる人は少ないですからね。
信頼関係の構築をする前に、クロージングにかかっても、なかなか買ってもらえません。
人はそもそも、人のプレゼンを聞くのは嫌いです。
商談において、自分が15%以上しゃべっていたら、その商談は失敗と言われています。有名なお話しですが、実践はなかなか難しいです。
商談では、聞く、黙る、というのがすごく大事です。
ついつい、ずっとしゃべってしまう。そうすると、相手は早く終わらないかなあ、と思ってしまうんですね。それでは売れません。
営業では、相手にしゃべらせる。聞き上手であることがすごく大事です。
聞くというプロセスを経ることで、信頼関係を構築します。
なんだ、聞くだけでいいの?と思いますか?
すごーく難しいです。
相手に席についてもらって、しっかり会話しながら、相手のお話しを聞く。
カウンセリング技術、コーチング技術に傾聴というものがありますが、この技術を多少、営業的にアレンジして使うことはすごく大事ですね。
そのまま使っても、厳しいです。コーチングを使おう、と言って、傾聴を取り入れると、大失敗するケースがあります。まあ、そりゃそーですな。
傾聴は、ただひたすら聞けばいいんですが、営業では成約という結果に向かって聞かなければならないんです。
だから、だいぶコントロールが必要です。
人はコントロールできないことがコーチングやカウンセリングの前提ですが、営業では相手を成約に向かわせながら、話しを聞くということが非常に重要になります。
表現は難しいのですが、相手に買う気が少しでもあれば、ニーズが少しでもあれば、コントロール?という言葉が適切かはわかりませんが、コントロール可能です。
全くニーズがない場合は別ですよ。そういう人は見込み客から排除しないといけない。絶対コントロールはできません。
でも、ちょっとでも買おうかな、と思う人は別です。コントロール可能。成約に導くことが可能です。
そこで、出てくるわかりやすい質問の技術ですが、SPINという技術があります。
SPINとは、
S:状況質問
P:問題質問
Ⅰ:示唆質問
N:解決質問
の英語の頭文字をとって、SPINと言います。
今、何に悩んでいるのか?どういう状況なのか?を聞くのが状況質問です。それを聞くと、ニーズがある人は話し始めます。まあ、当然、領域を指定して聞かないといけませんよ。トイレ関連機器を売ろうとしているのならば、トイレで困っていることはございますか?という質問をしないといけません。
いやー、こういうことで困ってて、と相手がしゃべり始めたらしめたもの。
問題質問をします。それはどんな問題をもたらしているのか?を聞く。そうすると、いやー、トイレが臭いから従業員からクレームが出ててさ。なんとかしたいんだよ、などと言い始めます。
そうしたら、その問題がまたまたどんな問題を引き起こすのか?
どんな新たな問題を派生するのか?を聞いていく。
そうですよね。トイレが臭いと、モチベーションにも関わりますよね。トイレが臭い会社は儲からないっていいますよ!
ちょっと、極端かもしれないですが、まあ、そんな質問をして、相手が不安になります。極論、相手を不安にさせるのが、示唆質問です。
不安になったところで、解決質問です。
根本的には、こういう問題を解決すればいいんですよね?いやあ実はいい商品がありまして・・・、とここから、プレゼンに入る。
相手の心を動かすと、信頼関係が構築できます。
話しを聞いてくれる人はありがたい。はじめの状況質問なで、話しがはずめば、相手は共感してくれる人が現れたと思ってうれしい。
共感しつつ、その問題が深刻であるということを提示する。悪い言い方をすれば、相手を不安のどん底に突き落とす聞き方をする。
不安になれば、ソリューションを提示してくれる人を求める。
その時に、こんなソリューションがありますよ、と言うと聞く耳を持ちますよね。
相手の心のコントロール過程としては、
共感による安心感 → 問題の認識強化による不安の増大
というベースを作れば、相手は不安を解決するための提案を聞きます。
信頼関係の構築というのは、相手にプラスの印象を与えつつ、相手のお話しを聞きつつ、食いついてきたら、問題に対する不安感を増大させます。
当然、問題に対する不安感を増大させないといけなくて、あなた自身に対する不安感を増大させてはいけません。あくまで、問題に対して、相手とタッグを組んで向かっていく体制を作らないといけないんです。
この辺は、多少難しいと思いますが、慣れです。
相手とタッグを組みつつ、問題点の認識を強化する。相当不安にさせれば勝ちです。その不安の度合いに応じて、相手はその解決策に対して、高いプライシングをしてくれます。
これほどひどい問題を解決するならば、高いお金を払ってもいい、という感覚を持ってもらう。
ある意味、スピンの過程で、価格を高くするベースを作っているんです。わかりますか?
SPINの解説書であまりこういうことを言っている人はいませんけど、ここにはそういう意味があります。いいですか、不安が大きければ大きいほど、そのソリューションの価値は高くなるんです。
そういうコントロールを是とするか、非とするかは、諸説ありますが。
ニーズが多少でもある人であれば、こういうコントロールはききます。いわゆるニードセールスですね・・・。保険をこういうふうに売っているのが、プルデンシャルですね。まあ、あまり触れたくないですけど・・・。ソニー生命もこの手法を使っています。
彼らはダイレクトに、営業中に「死」という言葉を何度も使います。そりゃそーですな。死という不安が大きければ大きいほど、お客さんはお金を使う。
ただ顧客のために考えなさい、というすさまじい書籍を売っていますけどね・・・。生命保険の場合は人間に共通する不安へのソリューションを扱っていますので、やり方を間違えると恨まれてしまうので、こういう本が必要なんだと思います・・・。
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興味のある人は読んでみてください。人の感情をコントロールする手法を学ぶことができると思います。そういう目線で読んでください。
さて、この後はクロージングです。
クロージングにも、テクニックは満載です。本当に満載です。ですが、一応考え方だけ取り出してみようかなと思います。具体のテクニックが知りたい人は、私の研修でも受けてください・・・。
ということで、次回もお楽しみに。
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