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インサイト100戦略
> バリューデリバリーシステム(その1)
 さて、今日からちょっと転載企画です。セールスの解説は2回ぐらいお休みします。

 記事のほうはこちらですね。http://www.insightnow.jp/article/1547

 けっこう、まともなことを書いております。


 今回は、新規事業や新商品を作り出し、市場へ投入していくことを考えていく際に、非常に有用となるバリューデリバリーシステムのフレームワークに関して、成り立ちと考え方、使い方を解説していきます。言うのを忘れていましたが、フィリップコトラー教授の提唱しているフレームワークですね。

 知っているヒトは知っている、知らないヒトは全く知らない類のフレームワークではありますが、解説していきます。これは新商品開発のメソドロジーを考えていく際には、非常に使い勝手のいいフレームワークですね。

 「価値を顧客に提供するには?」という論点を分解したフレームワークになります。

 まず、概要レベルで見てみましょう。

 全体を大きく3つのプロセスに分けます。価値の選択、価値の創造、価値の訴求の大きく3つです。

 価値を提供するには、どんな価値を提供すればいいのか?を選ばないといけませんね。

 「じゃあ、こんな価値!」と選んだとします。選んだら、その価値を実際に生み出し、届けていくためには?というプロセスを考えなくてはなりません。

 その上で、商品が出来たとして、その商品をどのように顧客に訴求していくのか?ということを考えないといけませんね。

 そうすると、実際の成果、商品が売れて、収益が得られるという結果をもたらすことができます。

 これだと、話しが抽象的過ぎるので、もっと細かく分けていきますね。

 まず、価値の選択の部分から行きましょう。

 どんな価値を提供すればいいのか?をもう少し細かく分けると、誰に価値を提供するのか?、そのターゲットに対して提供する価値とは本質的になんなのか?それは、競合と比べてどうなのか?という大きく3つに分けられます。

 簡単に言うと、ターゲット、コンセプト、差別化のポイントと言ったりします。

 それぞれ、詳しく解説しましょう。誰に価値を提供するのか?から考えるべきなのか?に関しては諸説ありますが、まあ、既存事業を持っている企業だとすると、突然全く知らない顧客に何かを売っていくのは難しいですよね。

 難しい言葉で、よくわかっていてできること、なじみがあることを「ファミリアリティー」と言ったりしますが・・・。

 たいていは、リスクを下げるために、既存顧客かその周縁部の顧客を選択することが多いですね。

 そういう意味で、先にターゲットの選択を行うことも多いでしょうね。

 ただ、誰に、とどんな価値を、はワンセットで考えていいかな、とは思います。(商品を先にという主張の方もいます・・・。まあ、そのへんはアバウトに考えてください。)

 その「どんな価値を」、はコンセプトと言ったりしますね。ここで、ちょっと面倒ですが、価値にはいくつかの分類がまたあります。

 機能的価値と、情緒的価値の大きく2つです。(これも、3つに分けるヒトもいますが、今回は2つで押し切ろうと思います)

 機能的価値というのは、鉛筆で言うと、「黒い色でしるしがつけられる」ということでしょうね。

 では、情緒的価値というのは、なんでしょうか?鉛筆であったとしたら、握り心地が良いとか、書いていて気分がよくなるとか、そういうものです。

 もうちょっと説明しますと、機能としての効果はないけど、精神面に対する効果がある、といったことでしょうか?

 いわゆる経験経済的価値になります。なんでしょう、メーカーはサービスを売れ!みたいなお話しでしょうか?学問的にまじめに議論されているし、書籍もいっぱい出ているので、アマゾンで経験経済的価値を引いてください。

 例をもう1つ出すと、スタバのコーヒーですね。スタバのコーヒーは普通にコーヒー豆を使ったコーヒーなので、眠気が取れるとか、単純に美味しいとかなのですが、スターバックスでのコーヒー体験というのはちょっと違うんです。

 スターバックスは、家庭でも職場でもない、第3の心地よい場所、「サードプレイス」というものを提供しているのです!・・・と、スターバックスさんは主張しております・・・。

 まあ、経験経済的価値は顧客が感じるものですので、顧客的にどう思うかはまた別ですが、「ああ、私は今、スターバックスのコーヒーを飲んでいる!あー、リラックスできるわー」というのが、情緒的価値になりますね。

 こういう、機能的価値と情緒的価値をしっかり統合したものが、コンセプト、いわゆる提供価値になります。

 これで、ターゲットと、自社が顧客に提供できる価値の説明まで終わりましたね。

 3つ目の差別化のポイントに移りますと、「結局、ターゲットに対して提供する価値は、競合と比べるとどうなの?」ということを考えるための論点になります。

 一生懸命、ターゲットと提供価値を考えたとしても、既にやっている会社がたくさんいたら、困りますよね。

 お客さんに商品を持っていっても、「えーと、あの会社の商品と何が違うの?」と言われてしまうと、言葉に窮してしまいますよね。

 だから、同じようなターゲット、同じようなコンセプトの商品と、どう違うのか?というのはチェックしておく必要がありますし、棲み分けを考えつつ、コンセプトを考えていくということも重要です。

 場合によっては、ポジショニングマップのようなものを書いてみて、そうだ、こういう軸で見て違うんだ!ということをチェックしないといけません。

 まあ、ターゲットを定めて、粗いレベルでコンセプトが決まったら、逆に空いているポジションから、コンセプトを作っていくこともできますね。

 この3つの作業は、ターゲットから、コンセプト、差別化のポイント、というふうに流して考えることもできますが、同時並行的に考えることもできます。

 さて、1通り、価値の選択について説明しましたが、まだ、説明がいります。この流れを知っていても、新商品は作れません。

 インサイトの説明をしていません。そう、このサイトの名前である、「インサイトナウ!」の由来でもある、インサイトの説明です。

 ターゲットは心の底では、こういう感情を抱いているのではないか?という、ある意味、検証の難しい仮説をベースにコンセプトは作られます。

 例えば、有名なお話しですが、「R25」を作った時のインサイトは、「若い男のヒトは、日経新聞なんて読んでないけど、みんな読んでるっていいたいんじゃないの?」というものでした。

 いわゆる、「M1層への4マスの訴求力が弱くなっている」(20歳から34歳の男の人への、テレビ、新聞、雑誌、ラジオの訴求力が弱まっているということですね。)

 その4マスをフリーペーパーで取りにいけるのでは?

 小規模フリーペーパーは価格競争過多で頭打ちだけど、全国的なフリーペーパーはいけるのでは?

 リクルートの強みも活きるだろうし!

 ・・・という仮説がありました。

 その時に、「じゃあ、どんなフリーペーパーならいいの?」という論点への解がなかなか得られなかったそうです。

 ただ、テレビを見ない、新聞を読まない若者を集めてグルインしていたら、あれ、この人たち新聞読まないヒトなのに、読んでるって言ってない?しかも日経新聞読んでますとか言ってない?

 ひょっとして、みんな日経新聞読んでないけど、カッコつけたいんじゃない?

 というような検証を重ねたそうです。そして、あのちょっと賢くなれそうな、いわゆる社会人思春期?の若者に捧ぐというようなコンセプトができたそうですね。

 インサイトというのは、まあ、いわゆる「隠されたホンネ」ですよね。それを突いていないといいコンセプトはできないんです。しっかりとした価値の選択を行うには、ターゲットに対する画期的なインサイトが必要なんですね。

 と、これで、価値の選択の説明が長かったのですが、終わりました。「ターゲット」、「自社が提供する価値」、「競合との差別化のポイント」ですね。

 さて、ここであることに気が付きませんか?

 ターゲット、自社が提供する価値、競合との差別化のポイント・・・。

 あー!っと思いますよね!

 そうです!
 
 3Cです!

 以前、「3Cと戦略の関係」というお話しを書きましたね。私は3Cが大好きですが・・・、ここにも3Cが出てきます!どうです、びっくりしましたか?

 顧客、自社、競合ですね。この3つをインサイトが結び付けているんです!インサイトを真ん中に書いて、ターゲットと、自社と、競合について書くと、このチャートが出来上がりますね!

 ちょっと興奮しましたが、ようやく価値の選択の説明が終わりました。価値の創造と、価値の訴求については、次回にご説明しますね。実は、同じようなびっくりするお話しが、価値の創造、価値の訴求にも隠れています。さて、どこに隠れているのでしょうか?

 では、次回をお楽しみに。
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2008.06.23(09:00)|戦略コメント(0)トラックバック(0)TOP↑
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