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インサイト100コンサルティング
> つべこべ言わずにチャートに落とせ
 おとといはよる遅くまで飲んでいました。営業の方と一緒だったんですが、やはり営業マンというのはすごいなあ、と思いました。 

 昨日は、大学の同期の結婚式でした。椿山荘でしたが、素敵でした。

 今日は、近くの温泉に友人と行ってきました。

 おいおい、いつ仕事してるんだよ、という突っ込みが来るかもしれませんが、そう、これからやるんです。はっはっは。

 おとといの飲みは厳密には仕事ですけどね・・・。 さて、今日はチャート作成について、お話ししようと思います。

 下っ端でコンサルティング会社に入ると、チャート作成マシーンと化します。

 1日何枚作るんだろう、というぐらい、作り続けます。A4横書きでひたすら作るんですね。

 儲かっているコンサルティング会社だと、紙に書けば、プロダクションさんがきれいに清書してくれますけどね・・・。自分でエクセル、パワーポイントを書くのが好きな人は、自分で書きますが。

 紙に鉛筆でひたすら書く。

 推薦図書としては、「マッキンゼー流図解の技術」です。

マッキンゼー流図解の技術マッキンゼー流図解の技術
(2004/08/20)
ジーン ゼラズニー数江 良一

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 私が下っ端のころには、この本は洋書でしかありませんでした・・・。「お前のチャートは意味がわからん!」と、マネジャーに怒鳴られながら、自分のブースで本を読んで、考えて、ということをやってました。思い出の本が↓です・・・。

Say It With Charts: The Executive's Guide to Visual CommunicationSay It With Charts: The Executive's Guide to Visual Communication
(2001/02/22)
Gene Zelazny

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 チャートという表現形式に論点に対する自分の考えを落とすんですね。

 チャートって何?と思うかもしれませんので、一応説明を試みますと、

 コンサルティング会社でチャートと言うと、伝えたいことを紙にまとめたものです。要素としては、タイトル、メッセージ、図解の3つがあります。まず、何に関してなの?というものがタイトルに書かれ、その何に関して、何が言いたいの?というのに対する答えがメッセージ。そのメッセージを構造化して、分かりやすく、伝えやすくしたものが図解ですね。

 共通フォームを守ることが義務付けられます。コンサルティング会社では、チームワークが前提なので、共通のフォーマットでないと、みんなで加工できないですからね。

 チャートを束ねると、そのまま報告書にできるぐらいのレベルで常に作ります。インターナルミーティング向けでも、何を言うか?どう言うか?を考え抜いてチャート化します。

 まあ、チャート作りはコンサルティングの下積みとして必須です。チャートを何百枚も、何千枚も作り続けて、科学的思考のベースを作るんですね。

 そのベースがあって、クライアントを動かせて、成果が出せるようになると、マネジャーへの道が開かれますが、そこにはだいぶ断絶がありますよね。

 事業会社の人は、あんまりチャート作り、科学的思考は得意でないけど、人を動かして成果を出す人が得意な人もいますね。

 ただ、動かして失敗する可能性が限りなく高くても困りますので、一応、科学的に正しいことをベースに動かしたいものですが。

 よく、コンサルティング会社の下っ端をやっていると、こんなにチャートを作ってるのに、マネジャーたちの給与の半分ぐらいなのはなぜだ!報告会もチャートをしゃべっているだけじゃないか!という憤りを感じることがあるでしょう。

 というか、そういうことはあるのですが、それは、クライアントを動かす力があるかないかの差ですね。

 それと、分析的なチャートを作れても、その分析チャートをベースにして、意味合いを紡いでいく作業はマネジャーのほうが圧倒的に強いですよね。

 「この意味合いはこうで」と下っ端が説明すると、「ってことは、こういうことも総合的には言えそうってこと?」と聞かれる。そうすると、一瞬戸惑うけど、あー!そうか!となってしまう。

 下っ端が出してきたバリューに対して、アドバリューしていくことができるのがマネジャーの価値ですね。

 ただ、科学的思考のベースは日々のチャート作りで磨き上げられます。

 マネジャーが言っていることをチャートに落としてみること、日々の気づきをチャートに落としてみること、クライアントのいる業界について、調べてひたすらチャートに落とし続けること。

 そのベースがあって、初めて科学的思考の基礎ができあがってきます。

 プロジェクトミーティングの中で、無視されてしまうチャートや、シュレッダー直行のチャートもたくさん出てきますが、それも自分の血肉になってきます。

 私の友人で、戦略コンサルティング会社でマネジャーになれなくて、投資会社に移った人が言っていました。

 「もっとマネジャーが言うように、チャートに落とせばよかったな。意味のあるものを作る努力も必要だけど、なんでもチャートに落とすことが大事だったな。」、と。

 私が一緒にプロジェクトをやって、一番イライラするのは、新米のコンサルタントが何でもチャートにしようという気構えを持っていない時ですね。

 くだらないと思っても、全てチャートに落とすことが、プロジェクトでの知見につながるんです。

 チャートに落とせないことは、理解できていないんです。口頭だけでで説明できたと思っても、説明できていないんです。

 もう一度言います。

 チャートに落とせないことは理解できていません。

 つべこべ言わずに、タイトル、メッセージ、図解という3つの領域に、自分の考えを落としてください。

 それをやり続けることが、プロジェクトでの知見を生み出し、クライアントに対するバリューにつながります。

 全ての新米コンサルタントにこの言葉を贈ります。つべこべ言わずにチャートに落とせ!感じたことから、気づきから、マネジャーが言ってることから、とにかく全てをチャートに落とせ、と。
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2008.10.12(22:41)|コンサルティングコメント(0)トラックバック(0)TOP↑
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・ビジネスナレッジの偏在を利用する悪貨たる企業を駆逐する良貨たらんとすること。そのために偏在を利用する企業以上のマーケティング力を持つこと。そして、提供したナレッジに見合った対価をクライアントから頂き収益を上げ、成長していくこと

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