大変だけど、楽しい日々です。毎日、仕事仕事で本当に大変ですね。
この仕事はやるべきか?というのはすごく思うことが多いですね。一応、「コンサルティング7つの誓い」というのを基準に全てを考えるんですけど、「そんなん知ったこっちゃ無い」人々も一部います・・・。まあ、「やらない仕事はやらない」と言えばいいんですけどね。
今日は、この本です。インサイトナウさんにも、寄稿していますね。記事はhttp://www.insightnow.jp/article/2357ですね。
著者の方は「フローレンス」というNPOの代表で、「病児保育」事業を営んでらっしゃいますね。
毎月の会費を払った会員さんは、子供が病気になった時にはフローレンスに子供を預けて仕事に行くことができます。
もう、テレビ、新聞にこれでもかと取り上げられていますので、ご存知かと思いますが、ご存知で無い方は、この部分だけ聞くと、これがなぜ社会起業なの?と思う方もいらっしゃるので、多少解説をします。
まず、子供が熱を出していると、普通の保育所は子供を受け入れてくれません。病気の子供をケアすることを保育所はビジネスの前提としていないのです。
そうすると、お母さんは会社を休んで子供につきっきりにならざるを得ない面があります。でも、会社を何日も休めますか?
それでクビになる人も当然います。問題としては、それを受容しない企業側にもあるわけですが、もしも病気の子供を受け入れてくれるところがあれば、非常に助かりますよね。
ビジネスモデルも非常にクリエイティブなものです。
中身を読めばわかりますが、当初は保育施設を作ろうとしていましたが、区長との調整が不調に終わり、施設への補助金が出ないことになり、一時、病児保育事業自体を断念しかけます。
でも、彼は諦めずに、施設がない形でのビジネスモデル、「脱施設モデル」を組むことになります。病気の子供を預かるベビーシッター、「こどもレスキュー隊員」を登録制で集めて、その家庭で子供を預かってもらう。
お金は月会費制。「こどもレスキュー隊員」にもお金は出ます。
働くお母さんにもいい効果が出ています。あるバイトの方がこのシステムに登録しているお陰で、会社を休まなくなり、会社から信頼を得られて、正社員になることができたそうです。
社会問題を解決しつつ、しっかりペイするモデルを組む。これは非常に素晴らしいです!
私が言わなくても、「カンブリア宮殿」「ワールドビジネスサテライト」などのテレビ番組やら、名だたる新聞やらで取り上げられていますけどね。
これこそ、「社会起業」だと思います。本当に素晴らしい。
私は何のプランも無く、何の力もなく、なんとなく「国境を無くそう」とか、なんとなく「資本主義は間違っている」とか、なんとなく「投資銀行は強欲だ」とか、なんとなく「サブプライムのシステムは馬鹿げている」という人々が大嫌いです。
そりゃ、矛盾の一切ないシステムをはじめから作れればそれが一番よいに決まっています。でもね、今のところそれはできていないんです。
目の前に問題がある。それは解決しないと困る人がいる。
事業で成立させる、ペイするモデルを組めればそのモデルが広がり、社会問題を解決する事業が広がる。世の中が、社会が良くなる。それは、NPOという箱であっても、株式会社という箱であっても関係はないですよね。
著者の方は、元々学生時代からIT企業の経営者をやってらっしゃったので、ビジネス感覚がすごくありますね。ただ、中小企業のおじさんたちとのコミュニケーションにはちょっと苦労したようですけど。
社会起業の初期なので、PRエンジンが組みやすかったというか、そういう成功要因はあるとは思いますが、一般的なビジネスの組み方と同じことをされています。お金は少ないけど、インターンやら、プロフェッショナルボランティアをうまく使って、固定費は抑制しつつビジネスを推進されています。
あと、著者の方の表現センスが素晴らしいですね。一部を紹介しますと・・・(以下引用)
「日本社会の役に立ちたい。」なんてこった。自分がこんなことを思っていたなんて。(中略)ああ、どうしよう。僕は実は「中学生日記」だったんだ。人間NHKだったんだ。
経済活動がなければ 資本主義は回らない。金を稼いで何が悪い。儲けることが悪ならば、社会主義国でパン屋に並べ。
NPO業界、怖っ!
ITベンチャーからNPOへとトンネルを抜けると、そこは魑魅魍魎あふれる世界だった、というわけだ。もちろん、ビジネス界にも怪しい人はたくさん存在するが、一見良心的なイメージのあるNPOの世界でもそれは同じなのだった。
(引用終わり)
オトコゴコロに染み渡る表現が満載です。
今後のビジネス社会を考える上での必読書だと思います。本の帯には入門書とありますけどね・・・。
私も社会的価値ある事業をしたいと思っています。でもそれは社会問題を直接的に解決するのではなく、普通に事業活動をしつつ社会的価値の強い形を志向しています。
NPOという形も取ろうとは思わないですけど。でも、普通にビジネスをやる人がある程度、社会的ニーズ優位、かつあこぎに儲けるのではないアプローチを取るだけでだいぶ今のビジネス社会も違うと思いますけどね。現実はそうは甘くない。
心折れそうな時もありますが、この本に元気を貰いましたね。ぜひぜひ、ご一読下さい。
この仕事はやるべきか?というのはすごく思うことが多いですね。一応、「コンサルティング7つの誓い」というのを基準に全てを考えるんですけど、「そんなん知ったこっちゃ無い」人々も一部います・・・。まあ、「やらない仕事はやらない」と言えばいいんですけどね。
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今日は、この本です。インサイトナウさんにも、寄稿していますね。記事はhttp://www.insightnow.jp/article/2357ですね。
著者の方は「フローレンス」というNPOの代表で、「病児保育」事業を営んでらっしゃいますね。
毎月の会費を払った会員さんは、子供が病気になった時にはフローレンスに子供を預けて仕事に行くことができます。
もう、テレビ、新聞にこれでもかと取り上げられていますので、ご存知かと思いますが、ご存知で無い方は、この部分だけ聞くと、これがなぜ社会起業なの?と思う方もいらっしゃるので、多少解説をします。
まず、子供が熱を出していると、普通の保育所は子供を受け入れてくれません。病気の子供をケアすることを保育所はビジネスの前提としていないのです。
そうすると、お母さんは会社を休んで子供につきっきりにならざるを得ない面があります。でも、会社を何日も休めますか?
それでクビになる人も当然います。問題としては、それを受容しない企業側にもあるわけですが、もしも病気の子供を受け入れてくれるところがあれば、非常に助かりますよね。
ビジネスモデルも非常にクリエイティブなものです。
中身を読めばわかりますが、当初は保育施設を作ろうとしていましたが、区長との調整が不調に終わり、施設への補助金が出ないことになり、一時、病児保育事業自体を断念しかけます。
でも、彼は諦めずに、施設がない形でのビジネスモデル、「脱施設モデル」を組むことになります。病気の子供を預かるベビーシッター、「こどもレスキュー隊員」を登録制で集めて、その家庭で子供を預かってもらう。
お金は月会費制。「こどもレスキュー隊員」にもお金は出ます。
働くお母さんにもいい効果が出ています。あるバイトの方がこのシステムに登録しているお陰で、会社を休まなくなり、会社から信頼を得られて、正社員になることができたそうです。
社会問題を解決しつつ、しっかりペイするモデルを組む。これは非常に素晴らしいです!
私が言わなくても、「カンブリア宮殿」「ワールドビジネスサテライト」などのテレビ番組やら、名だたる新聞やらで取り上げられていますけどね。
これこそ、「社会起業」だと思います。本当に素晴らしい。
私は何のプランも無く、何の力もなく、なんとなく「国境を無くそう」とか、なんとなく「資本主義は間違っている」とか、なんとなく「投資銀行は強欲だ」とか、なんとなく「サブプライムのシステムは馬鹿げている」という人々が大嫌いです。
そりゃ、矛盾の一切ないシステムをはじめから作れればそれが一番よいに決まっています。でもね、今のところそれはできていないんです。
目の前に問題がある。それは解決しないと困る人がいる。
事業で成立させる、ペイするモデルを組めればそのモデルが広がり、社会問題を解決する事業が広がる。世の中が、社会が良くなる。それは、NPOという箱であっても、株式会社という箱であっても関係はないですよね。
著者の方は、元々学生時代からIT企業の経営者をやってらっしゃったので、ビジネス感覚がすごくありますね。ただ、中小企業のおじさんたちとのコミュニケーションにはちょっと苦労したようですけど。
社会起業の初期なので、PRエンジンが組みやすかったというか、そういう成功要因はあるとは思いますが、一般的なビジネスの組み方と同じことをされています。お金は少ないけど、インターンやら、プロフェッショナルボランティアをうまく使って、固定費は抑制しつつビジネスを推進されています。
あと、著者の方の表現センスが素晴らしいですね。一部を紹介しますと・・・(以下引用)
「日本社会の役に立ちたい。」なんてこった。自分がこんなことを思っていたなんて。(中略)ああ、どうしよう。僕は実は「中学生日記」だったんだ。人間NHKだったんだ。
経済活動がなければ 資本主義は回らない。金を稼いで何が悪い。儲けることが悪ならば、社会主義国でパン屋に並べ。
NPO業界、怖っ!
ITベンチャーからNPOへとトンネルを抜けると、そこは魑魅魍魎あふれる世界だった、というわけだ。もちろん、ビジネス界にも怪しい人はたくさん存在するが、一見良心的なイメージのあるNPOの世界でもそれは同じなのだった。
(引用終わり)
オトコゴコロに染み渡る表現が満載です。
今後のビジネス社会を考える上での必読書だと思います。本の帯には入門書とありますけどね・・・。
私も社会的価値ある事業をしたいと思っています。でもそれは社会問題を直接的に解決するのではなく、普通に事業活動をしつつ社会的価値の強い形を志向しています。
NPOという形も取ろうとは思わないですけど。でも、普通にビジネスをやる人がある程度、社会的ニーズ優位、かつあこぎに儲けるのではないアプローチを取るだけでだいぶ今のビジネス社会も違うと思いますけどね。現実はそうは甘くない。
心折れそうな時もありますが、この本に元気を貰いましたね。ぜひぜひ、ご一読下さい。
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