おはようございます。昨日のブログの続きですね・・・。
ユングがアーキタイプという概念を見出したところからですね。アーキタイプというのは、人間の中にある、性質の型みたいなものです。
「人間は、理性による首尾一貫した性格があるというよりも、無意識の中に、複数のアーキタイプを持ちながら、生きているんだ!」とユングは主張しました。
ユングは100以上のアーキタイプがあるんだ!という主張をしたのですが、その後のユング派の人々(ユンギアンといいます)によって統合、整理され、現在では10~20ぐらいに分けている人もいるし、5ぐらいに分けている人もいます。
自分の中に性質の矛盾を感じることはありませんか?それは、あるポイントでは、矛盾するアーキタイプ同士が自分に発現しているからかもしれません。
これ以降、ヨーロッパのある時期の理性至上主義的なキャラクターではなくて、内部に葛藤を抱える人々を描く理論的根拠が生まれます・・・。まあ、理性偏重だった時期のほうがむしろ短くて、古代の神話にしろ、シェイクスピアにしろ、心に性質的矛盾を抱く人間観だった時期のほうが、歴史的には長いですけどね・・・。
説明がながーくなってしまいました。何のお話しをしていたかというと、アメリカドラマ面白い!その秘密は科学的なストーリー作りの手法なんだ!それはヒーローズジャーニーとアーキタイプなんだ!というお話しの中でのアーキタイプの解説でした。
で、ヒーローズジャーニーというのは本質的には、「そもそもストーリーとは、キャラクターは成長に伴って、発現するアーキタイプを変えていく順序と、それぞれのアーキタイプにおけるほかの人間との関係のあり方の変化、を記したものである」ということだと。きのうのブログに書きました。
アーキタイプというものの理解によって、この記述がよりわかりやすくなる、と思うのですが、いかがでしょうか?
まだ、ちょっと難しいですかね・・・。
人はある意味で成長を志向している、求めている、という考えには同意できますか?
「マズローの欲求階層論」に理論的根拠を求めてもいいと思います。どういう考え方かというと、人は生理的欲求を満たしたい、というのが根源にあるけど、それが満たされると、安全欲求、関係性欲求、承認欲求、自己実現欲求と、満たすほどに、高次の欲求を満たしたくなる、という考えです。参考文献は、これかな・・・。「人間性の心理学―モチベーションとパーソナリティ」
今の時代、安全欲求まではそれなりに満たされていますので、関係性を人と持ちたいという欲求も満たされると、みんなに認められたいとか、自分の社会における役割を実現していきたいとか、そういう欲求が出てくる。認められたりするためには、成長していかないといけないですよね。
自分で成長していくことを選び取ると、それぞれの成長段階に応じて、特徴的な性質が出てくるんですね。特徴的な性質が出てくるといっても、その性質が支配的になるだけで、深層にはいろんなアーキタイプが控えている感じではありますが。
その典型的な性質の順序と、その性質が次の段階に行くための課題みたいなものを一連の流れにまとめたものがヒーローズジャーニーですね・・・。「神話の法則」では、アーキタイプを中心に書いてあると言うよりは、起こる出来事や、それぞれの場面に出てくるキャラクターを中心にして書いてありますけどね。
一時期のハリウッド映画が、やたらと似ていた理由としては、こういった構造に従うと、まあ「マス」を取れるという考え方ですね。世界に輸出することを前提で作っていますから、人類普遍なものを真ん中に置いたほうがいいわけですね。
ただ、今のアメリカドラマはもっと高度な技術が使われていますね。
「ビルコスビーショー」って知ってますか?吹き替えされてませんけど、これですね。「Bill Cosby Show: Season One (4pc) (Dig)」。日本で言う「みのもんた」みたいな人、というとわかりやすいかもしれません。彼のトークライブの原稿は心理学者がセグメントごとにチェックして悪く思う人がいないようにしているそうです。
ターゲット層を絞るのではなく、多くの層に訴求しようとして、普遍的なテーマ設定をしながら、心理学の専門家にチェックしてもらって、反感を買わないようにする、という手法がアメリカテレビ業界では伝統的に採用されています・・・。(大統領選のイメージコンサルタントもそういうものですね)
それで、今のアメリカドラマでは、明らかにこのセグメントに対しては、こういう部分で訴求するとか、そういう手法をとってますね。
「LOST」に話しを絞ると、イギリス人、黒人からアラブ人、韓国人、ヒスパニックまで様々な人種を登場させていますね。「ビバリーヒルズ高校白書」では、白人のアッパークラスしか出てきませんが、そういう絞込みではなくて、明らかに広げるほうへ持っていっています。
「極限状態で人はどうなるのか?」という大きなテーマでありながら、人種の切り口はたくさん作って、多くのセグメントを取ろうとする。しかも、文化の衝突も描きつつ、医者から詐欺師、元ロックスターから、精神病院に入っていた人まで。繊細な扱いが要求される層の人々を非常にうまく扱っています。
アメリカは人権保護団体からの突っ込みが、普通ではないぐらい激しいので、防衛という意味で、心理学者がアドバイスしている面もあるでしょうけど、マーケティング的発想の一環に組み込まれていることがすごいですね。
ちょっと長くなりました。ごめんなさい。
ただ、日本のこういった業界、テレビ制作とか、映画とか、そういう業界は閉鎖的です。新しい技術に対して懐疑的でした。既得権益のせいでしょうか?
今、テレビの視聴率は下落を続けています。インターネットで、素人が動画をどんどん投稿できる時代ですから、そういった手法を学んだ素人?のほうが、既存の業界人を上回る時が来るかもしれませんね・・・。

ユングがアーキタイプという概念を見出したところからですね。アーキタイプというのは、人間の中にある、性質の型みたいなものです。
「人間は、理性による首尾一貫した性格があるというよりも、無意識の中に、複数のアーキタイプを持ちながら、生きているんだ!」とユングは主張しました。
ユングは100以上のアーキタイプがあるんだ!という主張をしたのですが、その後のユング派の人々(ユンギアンといいます)によって統合、整理され、現在では10~20ぐらいに分けている人もいるし、5ぐらいに分けている人もいます。
自分の中に性質の矛盾を感じることはありませんか?それは、あるポイントでは、矛盾するアーキタイプ同士が自分に発現しているからかもしれません。
これ以降、ヨーロッパのある時期の理性至上主義的なキャラクターではなくて、内部に葛藤を抱える人々を描く理論的根拠が生まれます・・・。まあ、理性偏重だった時期のほうがむしろ短くて、古代の神話にしろ、シェイクスピアにしろ、心に性質的矛盾を抱く人間観だった時期のほうが、歴史的には長いですけどね・・・。
説明がながーくなってしまいました。何のお話しをしていたかというと、アメリカドラマ面白い!その秘密は科学的なストーリー作りの手法なんだ!それはヒーローズジャーニーとアーキタイプなんだ!というお話しの中でのアーキタイプの解説でした。
で、ヒーローズジャーニーというのは本質的には、「そもそもストーリーとは、キャラクターは成長に伴って、発現するアーキタイプを変えていく順序と、それぞれのアーキタイプにおけるほかの人間との関係のあり方の変化、を記したものである」ということだと。きのうのブログに書きました。
アーキタイプというものの理解によって、この記述がよりわかりやすくなる、と思うのですが、いかがでしょうか?
まだ、ちょっと難しいですかね・・・。
人はある意味で成長を志向している、求めている、という考えには同意できますか?
「マズローの欲求階層論」に理論的根拠を求めてもいいと思います。どういう考え方かというと、人は生理的欲求を満たしたい、というのが根源にあるけど、それが満たされると、安全欲求、関係性欲求、承認欲求、自己実現欲求と、満たすほどに、高次の欲求を満たしたくなる、という考えです。参考文献は、これかな・・・。「人間性の心理学―モチベーションとパーソナリティ」
今の時代、安全欲求まではそれなりに満たされていますので、関係性を人と持ちたいという欲求も満たされると、みんなに認められたいとか、自分の社会における役割を実現していきたいとか、そういう欲求が出てくる。認められたりするためには、成長していかないといけないですよね。
自分で成長していくことを選び取ると、それぞれの成長段階に応じて、特徴的な性質が出てくるんですね。特徴的な性質が出てくるといっても、その性質が支配的になるだけで、深層にはいろんなアーキタイプが控えている感じではありますが。
その典型的な性質の順序と、その性質が次の段階に行くための課題みたいなものを一連の流れにまとめたものがヒーローズジャーニーですね・・・。「神話の法則」では、アーキタイプを中心に書いてあると言うよりは、起こる出来事や、それぞれの場面に出てくるキャラクターを中心にして書いてありますけどね。
一時期のハリウッド映画が、やたらと似ていた理由としては、こういった構造に従うと、まあ「マス」を取れるという考え方ですね。世界に輸出することを前提で作っていますから、人類普遍なものを真ん中に置いたほうがいいわけですね。
ただ、今のアメリカドラマはもっと高度な技術が使われていますね。
「ビルコスビーショー」って知ってますか?吹き替えされてませんけど、これですね。「Bill Cosby Show: Season One (4pc) (Dig)」。日本で言う「みのもんた」みたいな人、というとわかりやすいかもしれません。彼のトークライブの原稿は心理学者がセグメントごとにチェックして悪く思う人がいないようにしているそうです。
ターゲット層を絞るのではなく、多くの層に訴求しようとして、普遍的なテーマ設定をしながら、心理学の専門家にチェックしてもらって、反感を買わないようにする、という手法がアメリカテレビ業界では伝統的に採用されています・・・。(大統領選のイメージコンサルタントもそういうものですね)
それで、今のアメリカドラマでは、明らかにこのセグメントに対しては、こういう部分で訴求するとか、そういう手法をとってますね。
「LOST」に話しを絞ると、イギリス人、黒人からアラブ人、韓国人、ヒスパニックまで様々な人種を登場させていますね。「ビバリーヒルズ高校白書」では、白人のアッパークラスしか出てきませんが、そういう絞込みではなくて、明らかに広げるほうへ持っていっています。
「極限状態で人はどうなるのか?」という大きなテーマでありながら、人種の切り口はたくさん作って、多くのセグメントを取ろうとする。しかも、文化の衝突も描きつつ、医者から詐欺師、元ロックスターから、精神病院に入っていた人まで。繊細な扱いが要求される層の人々を非常にうまく扱っています。
アメリカは人権保護団体からの突っ込みが、普通ではないぐらい激しいので、防衛という意味で、心理学者がアドバイスしている面もあるでしょうけど、マーケティング的発想の一環に組み込まれていることがすごいですね。
ちょっと長くなりました。ごめんなさい。
ただ、日本のこういった業界、テレビ制作とか、映画とか、そういう業界は閉鎖的です。新しい技術に対して懐疑的でした。既得権益のせいでしょうか?
今、テレビの視聴率は下落を続けています。インターネットで、素人が動画をどんどん投稿できる時代ですから、そういった手法を学んだ素人?のほうが、既存の業界人を上回る時が来るかもしれませんね・・・。


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