今日はヨガに行ってきました。足はだいぶよくなっていて、厳しいポーズも大丈夫でした。
そして、「そうだ美容院に行こう」と思って、行きつけだった中目黒の美容院に行きました。すると、なんと、違うお店になっていました。美容院は美容院だったのですが、女性専用美容院になっていました・・・。当然、私は入れませんでした。
しかし、中目黒はすごく変わっていました。新しいビルが建ち、私が知人とたむろしていたデニーズはなくなっていました。そして、お気に入りだったカフェもなくなっていました。
かろうじて残っていたカフェで食事をしながら、セミナーの原稿を考えていました。
中目黒には7年は住んでいたと思います。私の若かりし日は中目黒だったんですね。お洒落なカフェにパソコンを持ち込んで、ひたすら資料を作っていたのを思い出します。女の子ばかりのカフェで仕事をする無粋な男でしたね・・・。
そんなことを思い出しながらカフェラテを飲んでいたら、ふと、昔の部下を思い出しました。
彼女は、確か自分の意思で私の下に異動してきたと記憶しています。
異動したての頃、打ち合わせをしていたら、「私を育ててください!」と言われて、ちょっとびっくりしました。こんなに大物感ある発言をした人を見たのは初めてだ、と思ったら、違いました。いました、こういうことを言うやつ。
そう、私でした。私も、こういうことを恥ずかしげもなく言っていました。そういうタイプだったのです。
そういったこともあって、とても印象的でした。
ただ、彼女は大物感があるというより、底なしの才能があることに、そんなに時間がかからずに気が付き始めました。
彼女は、私が誰かと打ち合わせをしていると、それを必ず自席から聞き耳を立てて聞いていました。
そして、私との打ち合わせをする時に、その時の私のしゃべり方などを真似してしゃべっていました。
当然、相手との関係に合わせて、私も意図があってしゃべっています。その意図がわからずに、真似はできないと思うのです。
その事実に気が付いた時、私はハッとしましたが、「どうしました?」聞かれて、ドキっとしてしまいました。
以前、経営層の方を廊下で待っていた時、「伊藤さん、何しているんですか?」と通りがかった彼女に聞かれました。
「○○さんを待っているんだよ。ここに居たほうが、緊急性が伝わって、すぐに話しをしてくれる確率が上がるだろ」といったら、「ふーん、そうなんですか。」と言って去っていきました。
その後、しばらく月日が経ったと思います。ある時、エレベータを降りると、彼女が廊下にいました。
「どうしたの?」と聞くと、
「いや、伊藤さん、打ち合わせお願いします。急ぎです。」と彼女が言いました。
この子はすごいな、と思いました。こういった努力だけではなくて、底なしの才能に、センスには驚きました。
まるで、無限の水が湧き出る井戸のようでした。才能のある人間はジャブジャブとその力を惜しげもなく使うと言いますが、そういう感じでした。
ただ、それ以上に驚きだったのは、彼女のそういったすごさに他の人は一切、気が付いていないことでした。
見た目は、確かに童顔というか、あどけない感じというか、そんな感じだったからでしょうか?全然目立たない人だったからでしょうか?
いや、でも気が付くだろ、ここまですごいやついるか?と思いましたが、誰も気がつきませんでした。
1回に30分ぐらいしか打ち合わせをしませんでしたが、5分間研修というのを必ずやっていました。
毎回、5分の研修をしたんですね。
例えば、「半分はいいこと、半分は悪いこと」とホワイトボードに書きます。
そして、私が解説します。
世の中で、絶対的にいいこと、悪いことというのは、ほとんど存在しない。たいていいい面もあるし、悪い面もある。
あなたが私と仕事がしたいと言って、私のところに来たのは、私にとってはいいことだけど、異動前のところにとっては悪いことかもしれないですよね?
だから、自分の提案をいいことだ!と振りかざしてはいけないよ。
彼女は「ふーん」と聞いていました。この緊張感のなさが持ち味なのだろうか?とも思いましたが・・・。
そういった5分で終われる研修をし続けました。彼女のお陰でものすごく助かったのですが、相変わらず、誰もその才能には気が付きませんでした。本人も気が付いていないのではないか?と思うぐらいでした。
「あなたは天才だからね」と言うと、
「照れますね・・・。そんなこと伊藤さんしか言いませんよ」と言っていました・・・。いや、すごすぎるよ、お前、と心の中で思っていました。俺はお前の足元にも及ばんよ、とも思っていました。順調に行けば、すぐに俺を抜いていくだろう、と思っていました。
彼女は今、どこで何をしているのだろう?と時々思います。
私は高速のスポーツカーに乗っている気分で仕事ができました。私なんかよりも底が見えない、底なしの才能と仕事ができたことは嬉しかった。
いや、私は部下には恵まれすぎています。みんな、すぐに自分の得意領域では私よりも力を発揮していましたから。でも、私の財布をあてにして、月に一回飲み会をするのはやめて欲しかったですけどね・・・。
彼女はひょっとしたら、結婚して家に入ってしまっているかもしれません。ひょっとしたら、誰かにその才能を認められて、活躍しているかもしれません。それとも、控えめな性格からか、誰にも見出されずに、粛々と作業をしているかもしれません。
でも、こういう人を見ると思うのです。ひょっとして、我々は才能を埋もれさせ続けてしまっているのではないか?才能を発揮してしかるべき人間がその才能を見出されずに眠っているのではないか?と。
部下の才能を引き出せないマネジャーは罪です。
というか、大罪を犯していることに気が付かない上司はやまほどいるのでは?と思います。
そんなことを、中目のカフェで、不思議な味のカレーを食べ、カフェラテを飲みながら、思い出していました。なぜだか、涙が止まらなくなっていました・・・。
さすがに声は上げられませんでしたが、肩をふるわせていたと思います。
相変わらず女の子ばかりのカフェで、おしぼりで顔をずーっと覆っている私は、多分、風景には溶け込めていませんでした。
そして、「そうだ美容院に行こう」と思って、行きつけだった中目黒の美容院に行きました。すると、なんと、違うお店になっていました。美容院は美容院だったのですが、女性専用美容院になっていました・・・。当然、私は入れませんでした。
しかし、中目黒はすごく変わっていました。新しいビルが建ち、私が知人とたむろしていたデニーズはなくなっていました。そして、お気に入りだったカフェもなくなっていました。
かろうじて残っていたカフェで食事をしながら、セミナーの原稿を考えていました。
中目黒には7年は住んでいたと思います。私の若かりし日は中目黒だったんですね。お洒落なカフェにパソコンを持ち込んで、ひたすら資料を作っていたのを思い出します。女の子ばかりのカフェで仕事をする無粋な男でしたね・・・。
そんなことを思い出しながらカフェラテを飲んでいたら、ふと、昔の部下を思い出しました。
彼女は、確か自分の意思で私の下に異動してきたと記憶しています。
異動したての頃、打ち合わせをしていたら、「私を育ててください!」と言われて、ちょっとびっくりしました。こんなに大物感ある発言をした人を見たのは初めてだ、と思ったら、違いました。いました、こういうことを言うやつ。
そう、私でした。私も、こういうことを恥ずかしげもなく言っていました。そういうタイプだったのです。
そういったこともあって、とても印象的でした。
ただ、彼女は大物感があるというより、底なしの才能があることに、そんなに時間がかからずに気が付き始めました。
彼女は、私が誰かと打ち合わせをしていると、それを必ず自席から聞き耳を立てて聞いていました。
そして、私との打ち合わせをする時に、その時の私のしゃべり方などを真似してしゃべっていました。
当然、相手との関係に合わせて、私も意図があってしゃべっています。その意図がわからずに、真似はできないと思うのです。
その事実に気が付いた時、私はハッとしましたが、「どうしました?」聞かれて、ドキっとしてしまいました。
以前、経営層の方を廊下で待っていた時、「伊藤さん、何しているんですか?」と通りがかった彼女に聞かれました。
「○○さんを待っているんだよ。ここに居たほうが、緊急性が伝わって、すぐに話しをしてくれる確率が上がるだろ」といったら、「ふーん、そうなんですか。」と言って去っていきました。
その後、しばらく月日が経ったと思います。ある時、エレベータを降りると、彼女が廊下にいました。
「どうしたの?」と聞くと、
「いや、伊藤さん、打ち合わせお願いします。急ぎです。」と彼女が言いました。
この子はすごいな、と思いました。こういった努力だけではなくて、底なしの才能に、センスには驚きました。
まるで、無限の水が湧き出る井戸のようでした。才能のある人間はジャブジャブとその力を惜しげもなく使うと言いますが、そういう感じでした。
ただ、それ以上に驚きだったのは、彼女のそういったすごさに他の人は一切、気が付いていないことでした。
見た目は、確かに童顔というか、あどけない感じというか、そんな感じだったからでしょうか?全然目立たない人だったからでしょうか?
いや、でも気が付くだろ、ここまですごいやついるか?と思いましたが、誰も気がつきませんでした。
1回に30分ぐらいしか打ち合わせをしませんでしたが、5分間研修というのを必ずやっていました。
毎回、5分の研修をしたんですね。
例えば、「半分はいいこと、半分は悪いこと」とホワイトボードに書きます。
そして、私が解説します。
世の中で、絶対的にいいこと、悪いことというのは、ほとんど存在しない。たいていいい面もあるし、悪い面もある。
あなたが私と仕事がしたいと言って、私のところに来たのは、私にとってはいいことだけど、異動前のところにとっては悪いことかもしれないですよね?
だから、自分の提案をいいことだ!と振りかざしてはいけないよ。
彼女は「ふーん」と聞いていました。この緊張感のなさが持ち味なのだろうか?とも思いましたが・・・。
そういった5分で終われる研修をし続けました。彼女のお陰でものすごく助かったのですが、相変わらず、誰もその才能には気が付きませんでした。本人も気が付いていないのではないか?と思うぐらいでした。
「あなたは天才だからね」と言うと、
「照れますね・・・。そんなこと伊藤さんしか言いませんよ」と言っていました・・・。いや、すごすぎるよ、お前、と心の中で思っていました。俺はお前の足元にも及ばんよ、とも思っていました。順調に行けば、すぐに俺を抜いていくだろう、と思っていました。
彼女は今、どこで何をしているのだろう?と時々思います。
私は高速のスポーツカーに乗っている気分で仕事ができました。私なんかよりも底が見えない、底なしの才能と仕事ができたことは嬉しかった。
いや、私は部下には恵まれすぎています。みんな、すぐに自分の得意領域では私よりも力を発揮していましたから。でも、私の財布をあてにして、月に一回飲み会をするのはやめて欲しかったですけどね・・・。
彼女はひょっとしたら、結婚して家に入ってしまっているかもしれません。ひょっとしたら、誰かにその才能を認められて、活躍しているかもしれません。それとも、控えめな性格からか、誰にも見出されずに、粛々と作業をしているかもしれません。
でも、こういう人を見ると思うのです。ひょっとして、我々は才能を埋もれさせ続けてしまっているのではないか?才能を発揮してしかるべき人間がその才能を見出されずに眠っているのではないか?と。
部下の才能を引き出せないマネジャーは罪です。
というか、大罪を犯していることに気が付かない上司はやまほどいるのでは?と思います。
そんなことを、中目のカフェで、不思議な味のカレーを食べ、カフェラテを飲みながら、思い出していました。なぜだか、涙が止まらなくなっていました・・・。
さすがに声は上げられませんでしたが、肩をふるわせていたと思います。
相変わらず女の子ばかりのカフェで、おしぼりで顔をずーっと覆っている私は、多分、風景には溶け込めていませんでした。
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