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インサイト100シンキングメソッド
> ゴールについて・・・。
 先日、ゴールについて、いろいろTweetしたので、解説書きます。

 最近は、ビジョンステートメントをしっかり書いて経営するんだ!という人は多いですが。まあ、目の前のお客さんがいいと思わないビジョンステートメント、商品を売るのは無理ですね。

 で、まあ、ベンチャー企業が本当にしっかりしたビジョンがいるのか?と言えば、要る方に時代は移行しているといえると思います。

 商品を単体では買わない。誰から買うか?がすごく大事になってきてるから、ですかね。ただ、大げさなビジョンステートメントを書いている暇があったら、売ってこいみたいな話しが小さな会社にはつきまといます。

 確かにそうなのですが、しっかりとした最終着地地点を考えるためにもゴールは必要ですね。

 で、なんで書いたか?と言いますと、「ゴールの後に存続」というTweetの言葉遣いがあって、これは非常にティピカルな問題なんですね。すごくよくあります。達成しちゃった感がある経営者によくあるのです。

 コンサルタントはほぼ全員ピンと来る言葉遣いです。それで、経営者の中で、この言葉遣いをしている人は、衰退に向かっていると言っても大げさではない言葉になります。

 それを、他のコンサルさんが、「それはゴールがないのでは?」と突っ込んでいて、私も相乗りした感じですね。

①「ゴール後」という考え方がある「ゴール設定」は中間目標に過ぎません。達成後、推進力が低下し、存続が危うくなります。個別具体に全てあてはまるとはいいませんけど。

②ただ、感性的な方のようなので、本当に目指しているものが、言語化されていないだけで、実はあり、それが推進力になっているかもしれません。規模感によっても多少違うのですが。

③もしくは経営の天才なのかもしれません。マネジメントが異常にうまければ、勝手に組織が最終着地地点を設定して走ります。ただ、そんなことが出来る人はほぼいません。

④経営者はたいてい、いくつかのゴールを設定し、ころころと変えて行きます。大きくなる会社はその過程でゴールがどんどん大きくなり、最終的には届かない社会変革まで設定を変えます。

⑤高度成長期ならば、プロフィットプールだらけの成長市場がたくさんあったので、流されるだけでプロフィットがどんどん入る事業もありましたが、近年はそんな事業はありません。

⑥たいていは、成熟市場、もしくは成長期間が短い市場で、プロフィットプールがすぐに枯れる市場です。そんな環境の中で稼ぎ続けるには、ゴール設定による推進力づくりが非常に重要です。

⑦存続させるには?という問いでは、相当経営がうまくないと、衰退し続けます。稼げなくなります。ある程度の規模感になれば、その衰退はゆるやかでなかなか気がつかないですけど。

⑧プロフィットが過去最高を記録して、その後、伸び悩んでいて、次の成長ステージに入りたいならば、ゴールを変える必要があるし、オーナーとしてもう十分なら、パワフルな人に経営を任せるといったフェーズに入るでしょう。

⑨パワフルな人に任せるにしても、ゴールの共有、確認は必要ですけどね。大きなお世話かもしれませんが、問いかけに私なりの誠意でお答えすると、こんな感じになります。

 まあ、書いてある通りなのですが、ゴールは届かないゴールと、中間目標があります。ただ、届かないゴールを設定してない企業は、達成しちゃうと、存続意義がなくなり、急速にエネルギーが減少します。

 ただ、言っていることと、言いたいこと、こころの中で信じ込んでいることは、違うことも多々あります。経営者が無意識的に、目標に届いていない、もっともっと、まだまだ、と思っているのなら、それはそれでいいのですね。

 たまーに、天才的な人がいて、粗利がでかい市場を、ローコストで動かすのがめちゃくちゃうまい人もいます。そして、従業員のコントロールも相当上手。従業員が熱意に満ちて、勝手にいろいろと目指してくれる組織ができてしまっている。そんな天才が作る企業は熱意が多少減っても問題ないのです。

 たいていの企業は、はじめはなんか、なりゆきで成長市場でいろいろ売って儲かって、なんか、それらしい必然性が必要になってきて、やりたいことを言語化して、事業領域を広げていって、成長できれば、社会を変えるんだ!貢献するんだ!と言い出します。

 2000年ぐらいまでは、高度成長の中にあったので、まあ、儲かった。人口が増え、モノは必要で、作れば売れたんですね。

 でも、さすがに人口減少フェーズ、モノは行き渡っちゃった、となると苦しい。概念的なバリューを提示して、価値を上げないと売れない。

 で、その目指すものがないと、推進力がない状況になる。そうすると、市場環境は厳しいので、儲からなくなり、廃業へと追い込まれていく。

 成長市場も、なかなかもたない。時間的に短い成長しか業界がしてくれない。そうすると、次々と移っていく成長市場で、プロフィットを出していかないといけない。これ、大変なことです。

 大変なことをやるにはエネルギーが要るんですね。そのエネルギー源になるのは、しっかりとしたビジョンぐらいです。まあ、「もう達成した、俺はいい」というなら、誰かに事業を任せればいいのです。

 というような、お話しでございました。

 ただ、起業する人は、けっこうビジョンを掲げるので、むしろビジョンは大企業に必要ですね。一昔前のコーポレートアイデンティティーのプロジェクトがそうでしたね。

 大企業の、なんの感動もないビジョンステートメント。他の会社のビジョンといわれても、なんの違和感もないビジョンステートメント。

 それはゴールの不全です。衰退が待っているだけです。

 で、ビジョンがあって、成長戦略があるんですねー。低成長時代なので、低成長でもいいんですけど、成長しないとなにもできない、というか、やってる意味あるの?という事業になりますね。

 最適を狙え!というドラッガーの言葉がありますが、そんなん無理です。私は見たことないですね。最適狙って、最適にしました、みたいな人。最大狙っても、最大にならない。それが普通ですのにね。

 まあ、社会起業流行りですので、社会変革のビジョンを掲げて、どうぞ邁進してください。自分の器をでかくしながら。日々、いろいろなことに一喜一憂しながら。経営は、しんどい面もあり、楽しい面もあり、結局充実はしている体験です。いや、充実せざるをえません。

 ただ、全員が全員、経営に向いているか?というと、そうでもないので、そのへんは注意して下さい。今時は一回チャレンジしてみるのもいいと思います。私は、あまり勧めはしません。

 では、次回をお楽しみに。











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2010.01.22(19:07)|シンキングメソッドコメント(0)トラックバック(0)TOP↑
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