ビジネスナレッジとして、ターゲティングは普及してきましたが、提供価値はあまり普及していない、ということを先日のブログで書いたんですね。
それで、今日は提供価値に関して説明していこうと思います。
提供価値には、機能的価値と情緒的価値の大きく2つがあると考えるとわかりやすいと思います。モノが無い時代は、機能的な価値だけで充分ですが、モノが行き渡ると、つまり世の中に機能的価値が行き渡ってくると、競争のポイントは情緒的価値の大きさに移行してきます。
ドラえもんの「どこでもドア」が発明されたら、「どこでもドア」の機能的価値、つまりどこでも好きな場所に瞬時に移動できるという価値、それを人は求めるでしょう。デザインがどうとか、体験がどうとか、そういうことは気にせずに、買いに走るでしょう。
でも、これもみんな持ってるよ、というお話しになると、デザイン性とか、安全性とか、そういうものが競争のポイントになってきたりするんでしょうね・・・。
まあ、「どこでもドア」の話しは、わかりやすくするために例を極端にしていますが、洗濯機が無い時代は、主婦はせんたく板で毎日家族の衣類をごしごし洗っていて、洗濯機の宣伝を見た瞬間に、「これ欲しい!」と思ったのでしょう。
人は、24時間の間に、いろんなことをしますが、衣、食、住を中心とした人の生活をサポートする機能は、細かくしていけば、無限にあるとは思いますが、それなりの粒の大きさで落ち着いて、今、家にあるモノでだいたい満たされているんでしょうね。
ビジネスシステムの論点の中での「自動化」ではないですが、人の生活の中で、自動化できる部分はほとんど自動化されているんでしょう。
まあ、そういう機能的価値が満たされてしまっているので、人の購買に際しての競争のポイントは機能は前提とした上で、情緒的価値のほうへと移行しているんですね。
例えば、デザイン性とか、そういうものは情緒的価値の一部分でしょうね。同じ機能が実現される電気釜であれば、デザイン性が高いもののほうを買いたい、とかね。
ちょっと脱線しますが、ブランドからもたらされる価値も、そういうったものの1つと考えるとわかりやすいと思います。ちょっとややこしい言葉遣いをしています。「ブランドからもたらされる」というところ。
ブランド自体は企業のリソースです。価値そのものではないですね・・・。わかりにくいですね。ごめんなさい。後々説明しますので、我慢して読んでください・・・。
ブランドは企業が保有する第5の経営資源です。
経営資源というのは、ブランドエクイティという考え方以前は、ヒト、カネ、モノ、情報という4つだったのですが、ブランドも無形の企業資産だ!とアーカー教授が言い出したんですね。まあ、それはそれで、正しいだろうとは思うのですが、私にはコントロールの可能性が他の資産よりも低そうに見えるのですが・・・。ヒトと同じか、それ以上に難しそう。
コントロールできる!と称して、広告会社やコンサルティング会社がアディショナルなフィーをいっぱい取りましたね・・・。まあ、ゼロから会社を作っていく場合は、どんなイメージ形成を長期的にしていく?という論点で検討するのと同じになりますね。
ただ、大企業の場合は、既にこびりついたイメージ、つまりブランドがありますから、どうしたい?という論点は検討に値しますが、必ずコントロールできます!とかそういうものでもないと思います。
他の経営上の論点も当然同じですが、特にコントロールしずらいと思います・・・。いわゆる、7Sのソフトの4Sと同じぐらい簡単には変えられないでしょうね。社員は社内にいますが、ブランドエクイティは大部分が社内にあるリソースではなく、社外にあるリソースですから・・・。
まあ、ブランドのお話しで、問題になるのは、自社のファンになってくれる人間がどれだけいるのか?それをどう増やすのか?というポイントだけだと思います。概念的には、アーカーや片平先生の主張するものは正しいとは思いますが、実務上の論点としては、それがどれだけ自社の売上に貢献するのか?どうやって作るのか?ぐらいですからね・・・。
脱線が長かったですが、ブランドという資産があるお陰で、機能とは別に、商品が価値あるように見えることがある。それが「ブランドからもたらされる価値」という言葉遣いの意味です。
情緒的価値は、デザイン性や、ブランドによってもたらされる価値など、人の心の感情的側面に作用する価値、と思っておくとわかりやすいと思います。
でも、それってどうやって設計するの?というすごい問いがでてきますね。人の心の感情的側面に作用する価値を理詰めで設計できるの?と思うでしょう・・・。ただ、一応、そういった技術はそれなりに存在しています。
例えば、映画。意外と映画プロデューサーの人はターゲットや提供価値を考えて映画を作っています。その意図が成功することもあれば、失敗することもありますけどね。
映画の世界では、宮崎駿さんと鈴木敏夫さんの、スタジオジブリのコンビが有名ですね。個人的には「ハウルの動く城」が大好きで、何度も見てしまいましたが・・・。
このコンビでのプロデューサーの鈴木さんというよりは、宮島秀司さんみたいに、脚本も書けるタイプのほうが、このお話しの流れの中では正しいと思います。個人的には↓が好きです。
竹内結子が好きなので、思わず画像にしてしまいましたが・・・。
ジブリのコンビで見ると、宮崎さんが職人的にやりたい!というものを鈴木さんが宣伝寄りでサポートして成立している形っぽいので、私がここで言いたい提供価値をマーケティング的に作り出すプロデューサー像ではないですね。
宮島さんはインタビューをしたことがありますが、そういったことを意図的に考えてらっしゃる方ですね・・・。
ちょっと、一回で読める分量ではなくなってきたので、今日はこの辺りで終わろうと思います。このペースで説明すると、どれぐらい時間がかかるのかを考えるとちょっと恐ろしくなります・・・。
でもまあ、細かいことは置いておきまして、また明日お会いしましょう・・・。

それで、今日は提供価値に関して説明していこうと思います。
提供価値には、機能的価値と情緒的価値の大きく2つがあると考えるとわかりやすいと思います。モノが無い時代は、機能的な価値だけで充分ですが、モノが行き渡ると、つまり世の中に機能的価値が行き渡ってくると、競争のポイントは情緒的価値の大きさに移行してきます。
ドラえもんの「どこでもドア」が発明されたら、「どこでもドア」の機能的価値、つまりどこでも好きな場所に瞬時に移動できるという価値、それを人は求めるでしょう。デザインがどうとか、体験がどうとか、そういうことは気にせずに、買いに走るでしょう。
でも、これもみんな持ってるよ、というお話しになると、デザイン性とか、安全性とか、そういうものが競争のポイントになってきたりするんでしょうね・・・。
まあ、「どこでもドア」の話しは、わかりやすくするために例を極端にしていますが、洗濯機が無い時代は、主婦はせんたく板で毎日家族の衣類をごしごし洗っていて、洗濯機の宣伝を見た瞬間に、「これ欲しい!」と思ったのでしょう。
人は、24時間の間に、いろんなことをしますが、衣、食、住を中心とした人の生活をサポートする機能は、細かくしていけば、無限にあるとは思いますが、それなりの粒の大きさで落ち着いて、今、家にあるモノでだいたい満たされているんでしょうね。
ビジネスシステムの論点の中での「自動化」ではないですが、人の生活の中で、自動化できる部分はほとんど自動化されているんでしょう。
まあ、そういう機能的価値が満たされてしまっているので、人の購買に際しての競争のポイントは機能は前提とした上で、情緒的価値のほうへと移行しているんですね。
例えば、デザイン性とか、そういうものは情緒的価値の一部分でしょうね。同じ機能が実現される電気釜であれば、デザイン性が高いもののほうを買いたい、とかね。
ちょっと脱線しますが、ブランドからもたらされる価値も、そういうったものの1つと考えるとわかりやすいと思います。ちょっとややこしい言葉遣いをしています。「ブランドからもたらされる」というところ。
ブランド自体は企業のリソースです。価値そのものではないですね・・・。わかりにくいですね。ごめんなさい。後々説明しますので、我慢して読んでください・・・。
ブランドは企業が保有する第5の経営資源です。
経営資源というのは、ブランドエクイティという考え方以前は、ヒト、カネ、モノ、情報という4つだったのですが、ブランドも無形の企業資産だ!とアーカー教授が言い出したんですね。まあ、それはそれで、正しいだろうとは思うのですが、私にはコントロールの可能性が他の資産よりも低そうに見えるのですが・・・。ヒトと同じか、それ以上に難しそう。
コントロールできる!と称して、広告会社やコンサルティング会社がアディショナルなフィーをいっぱい取りましたね・・・。まあ、ゼロから会社を作っていく場合は、どんなイメージ形成を長期的にしていく?という論点で検討するのと同じになりますね。
ただ、大企業の場合は、既にこびりついたイメージ、つまりブランドがありますから、どうしたい?という論点は検討に値しますが、必ずコントロールできます!とかそういうものでもないと思います。
他の経営上の論点も当然同じですが、特にコントロールしずらいと思います・・・。いわゆる、7Sのソフトの4Sと同じぐらい簡単には変えられないでしょうね。社員は社内にいますが、ブランドエクイティは大部分が社内にあるリソースではなく、社外にあるリソースですから・・・。
まあ、ブランドのお話しで、問題になるのは、自社のファンになってくれる人間がどれだけいるのか?それをどう増やすのか?というポイントだけだと思います。概念的には、アーカーや片平先生の主張するものは正しいとは思いますが、実務上の論点としては、それがどれだけ自社の売上に貢献するのか?どうやって作るのか?ぐらいですからね・・・。
脱線が長かったですが、ブランドという資産があるお陰で、機能とは別に、商品が価値あるように見えることがある。それが「ブランドからもたらされる価値」という言葉遣いの意味です。
情緒的価値は、デザイン性や、ブランドによってもたらされる価値など、人の心の感情的側面に作用する価値、と思っておくとわかりやすいと思います。
でも、それってどうやって設計するの?というすごい問いがでてきますね。人の心の感情的側面に作用する価値を理詰めで設計できるの?と思うでしょう・・・。ただ、一応、そういった技術はそれなりに存在しています。
例えば、映画。意外と映画プロデューサーの人はターゲットや提供価値を考えて映画を作っています。その意図が成功することもあれば、失敗することもありますけどね。
映画の世界では、宮崎駿さんと鈴木敏夫さんの、スタジオジブリのコンビが有名ですね。個人的には「ハウルの動く城」が大好きで、何度も見てしまいましたが・・・。
このコンビでのプロデューサーの鈴木さんというよりは、宮島秀司さんみたいに、脚本も書けるタイプのほうが、このお話しの流れの中では正しいと思います。個人的には↓が好きです。
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竹内結子が好きなので、思わず画像にしてしまいましたが・・・。
ジブリのコンビで見ると、宮崎さんが職人的にやりたい!というものを鈴木さんが宣伝寄りでサポートして成立している形っぽいので、私がここで言いたい提供価値をマーケティング的に作り出すプロデューサー像ではないですね。
宮島さんはインタビューをしたことがありますが、そういったことを意図的に考えてらっしゃる方ですね・・・。
ちょっと、一回で読める分量ではなくなってきたので、今日はこの辺りで終わろうと思います。このペースで説明すると、どれぐらい時間がかかるのかを考えるとちょっと恐ろしくなります・・・。
でもまあ、細かいことは置いておきまして、また明日お会いしましょう・・・。


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