言葉は状況を指し示している。これは、ソシュールの指摘です。
言葉は事実を指し示している。これは、ウィトゲンシュタインの指摘です。
この指摘から、それぞれ、深く深く人間の言語、論理というものをこの2人は掘っていくわけです。ソシュールは気が狂って死んでしまいました。ウィトゲンシュタインはそもそも奇行でできているような人ですが、第一次、第二次大戦に関わっていたせいか、トルストイの福音書の解説を読んでいたせいか、60歳でガンで亡くなる時まで一応正常だったようです。
この2人の思想やロジックがどうという話しは専門書を読みましょう。ソシュールなんて、少量の遺構しかないので、量としてはたいしたことはありません。中身に関しては、デリダやら、メルロポンティやら、のちの哲学者の著作の中にわんさか出てきます。シニフィアン、シニフィエ、ラング、パロールあたりはソシュール以後を勉強してもやたらと出てきますし、ウィトゲンシュタインは英米哲学、分析哲学、オントロジーとかではよくよく出てきますね。
それで、私はいつも言葉がわかるということは、指し示す状況、事実が思い浮かぶことなんですよ、という話しをしていますね。
それがないと言葉、文章を理解しているとは言いがたい。
これは、別にオリジナルではなく、ソシュールもウィトゲンシュタインも言っていることです。
というか、現在の英語学習法では、このやり方が取り入れられ、ちゃんとRIVERという単語と、川の像をイメージして結びつけるというやり方が一般化していきています。
FATHERだったら、自分のお父さんを思い浮かべればいいですし・・・。
じゃあ、抽象語はどうするんだよ!というかもしれません。「英語」とか。「日本語」とか。
「英語」だったら、だいたいは聞いたことがあるので、白人みたいな人がぺらぺらと大きい声で話しをしているのをイメージすればいい。それらのイメージの総体みたいなものですね。
「機械」とかだったら、マトリックスに出てくるような機械のロボットをわんさか思い浮かべるんでしょうか?まあ、言葉は具体的体験と結びついてないとよくわからない、意外と固有の語感みたいなものがひとそれぞれにあったりします。「海」と聞くと、懐かしくなったりする人もいるそうで。
個人にとって意味が強く、経験を強く呼び起こす言葉を、催眠暗示の世界ではパーソナルトランスワードと言います。その相手をトランスに入れるのに、条件付けされた便利なキーワードですね・・・。
今日はコミュニケーションのおはなしではないので、深入りはしません。
で、何を言おうとしているかと言うと、抽象的な言葉も、具体のイメージの積み重ねでできてるということです。これ、頭で実際にやろうとすると、意外と疲れます。
例えば、「チャンス=機会」という言葉がありますね。これのイメージを思い浮かべて下さいというと、いろいろな絵が出てきます。女の子が無防備でいるところを思い浮かべる人もいれば、お金が落ちているところを思い浮かべる人もいます。
そういう体験をひとくくりにして、「機会」という言葉はあなたの中にできています。それを頭で人工的に作ってみたりすると、すごく疲れます。今までであった機会を3つイメージしてください。それを機会という言葉がついた球を思い浮かべて、その中に入れてください。
とか、こういうことをやると、頭が疲れる。
抽象と具体をしっかり行き来ができて、抽象的な言葉で話しをする人は、すごく頭がいいのです。たまに、すっかすかな抽象的な言葉を言う人、つまり具体がイメージできていなで、抽象的な言葉を適当に使う人もいます。そういう人に、こういうワークをやってもらうと、言葉の広がりというか、豊かさのようなものを認識してもらえたりもするでしょうね・・・。
具体例と結びつけて理論を説明できない人は、わかっているとは言いがたいのです。具体的な言葉との結びつきを省略しているならまだしも、具体的な言葉を全くイメージせずに、抽象語を使っている人はわかっていないのです。
いませんか?会議でよくわからない言葉を延々としゃべって、何かを言った気になっている人。寒いですね。そういう人は、こういう根本の「記号とそれを指し示す具体的なもの」ということがわかっていないのです。
そういう人の相手をするとむなしくなりますね。ただ、意外と多い・・・。
少しだけでも言葉について、考えたり学ぶだけでも、いろいろな知見があります。こういう知見はなかなかビジネスとは縁遠い。たいていは大学の教養課程でちょっと出会ったりするだけです。大学の講義は価値の垂れ流しですね・・・。まあ、しょうがないですけど。
ただ、こういうのと正面から向かう時間はビジネスマンにはないですから、ちょこっと読んでみて、日々のビジネスについての考え、目の前にある課題にたいしての考えを深めていただけるといいかな、と思います。
最近は、暑くてなかなか仕事が進みませんが、頑張っております。それでは次回をお楽しみに。
言葉は事実を指し示している。これは、ウィトゲンシュタインの指摘です。
この指摘から、それぞれ、深く深く人間の言語、論理というものをこの2人は掘っていくわけです。ソシュールは気が狂って死んでしまいました。ウィトゲンシュタインはそもそも奇行でできているような人ですが、第一次、第二次大戦に関わっていたせいか、トルストイの福音書の解説を読んでいたせいか、60歳でガンで亡くなる時まで一応正常だったようです。
この2人の思想やロジックがどうという話しは専門書を読みましょう。ソシュールなんて、少量の遺構しかないので、量としてはたいしたことはありません。中身に関しては、デリダやら、メルロポンティやら、のちの哲学者の著作の中にわんさか出てきます。シニフィアン、シニフィエ、ラング、パロールあたりはソシュール以後を勉強してもやたらと出てきますし、ウィトゲンシュタインは英米哲学、分析哲学、オントロジーとかではよくよく出てきますね。
それで、私はいつも言葉がわかるということは、指し示す状況、事実が思い浮かぶことなんですよ、という話しをしていますね。
それがないと言葉、文章を理解しているとは言いがたい。
これは、別にオリジナルではなく、ソシュールもウィトゲンシュタインも言っていることです。
というか、現在の英語学習法では、このやり方が取り入れられ、ちゃんとRIVERという単語と、川の像をイメージして結びつけるというやり方が一般化していきています。
FATHERだったら、自分のお父さんを思い浮かべればいいですし・・・。
じゃあ、抽象語はどうするんだよ!というかもしれません。「英語」とか。「日本語」とか。
「英語」だったら、だいたいは聞いたことがあるので、白人みたいな人がぺらぺらと大きい声で話しをしているのをイメージすればいい。それらのイメージの総体みたいなものですね。
「機械」とかだったら、マトリックスに出てくるような機械のロボットをわんさか思い浮かべるんでしょうか?まあ、言葉は具体的体験と結びついてないとよくわからない、意外と固有の語感みたいなものがひとそれぞれにあったりします。「海」と聞くと、懐かしくなったりする人もいるそうで。
個人にとって意味が強く、経験を強く呼び起こす言葉を、催眠暗示の世界ではパーソナルトランスワードと言います。その相手をトランスに入れるのに、条件付けされた便利なキーワードですね・・・。
今日はコミュニケーションのおはなしではないので、深入りはしません。
で、何を言おうとしているかと言うと、抽象的な言葉も、具体のイメージの積み重ねでできてるということです。これ、頭で実際にやろうとすると、意外と疲れます。
例えば、「チャンス=機会」という言葉がありますね。これのイメージを思い浮かべて下さいというと、いろいろな絵が出てきます。女の子が無防備でいるところを思い浮かべる人もいれば、お金が落ちているところを思い浮かべる人もいます。
そういう体験をひとくくりにして、「機会」という言葉はあなたの中にできています。それを頭で人工的に作ってみたりすると、すごく疲れます。今までであった機会を3つイメージしてください。それを機会という言葉がついた球を思い浮かべて、その中に入れてください。
とか、こういうことをやると、頭が疲れる。
抽象と具体をしっかり行き来ができて、抽象的な言葉で話しをする人は、すごく頭がいいのです。たまに、すっかすかな抽象的な言葉を言う人、つまり具体がイメージできていなで、抽象的な言葉を適当に使う人もいます。そういう人に、こういうワークをやってもらうと、言葉の広がりというか、豊かさのようなものを認識してもらえたりもするでしょうね・・・。
具体例と結びつけて理論を説明できない人は、わかっているとは言いがたいのです。具体的な言葉との結びつきを省略しているならまだしも、具体的な言葉を全くイメージせずに、抽象語を使っている人はわかっていないのです。
いませんか?会議でよくわからない言葉を延々としゃべって、何かを言った気になっている人。寒いですね。そういう人は、こういう根本の「記号とそれを指し示す具体的なもの」ということがわかっていないのです。
そういう人の相手をするとむなしくなりますね。ただ、意外と多い・・・。
少しだけでも言葉について、考えたり学ぶだけでも、いろいろな知見があります。こういう知見はなかなかビジネスとは縁遠い。たいていは大学の教養課程でちょっと出会ったりするだけです。大学の講義は価値の垂れ流しですね・・・。まあ、しょうがないですけど。
ただ、こういうのと正面から向かう時間はビジネスマンにはないですから、ちょこっと読んでみて、日々のビジネスについての考え、目の前にある課題にたいしての考えを深めていただけるといいかな、と思います。
最近は、暑くてなかなか仕事が進みませんが、頑張っております。それでは次回をお楽しみに。
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