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論理学入門―推論のセンスとテクニックのために (NHKブックス)論理学入門―推論のセンスとテクニックのために (NHKブックス)
(2000/09)
三浦 俊彦

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 P14~16「意味論と語用論の違い」

 ここでは、まず「命題」という概念が導入されます。ただ、この本では「命題」=「文」として考える、とのこと。

 命題は厳密には真偽が定まる文です。正しいか間違っているか?が定まる文章のことです。

「地球は太陽系第三惑星である」は真ですし、「1789年にフランス革命は起こった」も真です。「電子は原子より大きい」は偽ですね。簡単です。この本では、真=TrueでTと略し、偽=FalseでFと略します。

 なので、厳密には、「なんて君は素敵なんだ!」といった感嘆文。「早くご飯を食べなさい」といった命令文。「その箱の中に入っているのは何だ?」といった疑問文は真偽が定まりませんので、命題ではありません。

 でも、わざわざ論理学の勉強をする本なので、問題に出てくるのはちゃんと真偽が定まる形の文章です。だから、この本の場合、命題=文と言っていいということです。

 そして、構文論、意味論、語用論という3つの分野が提示されます。

 構文論は文章の形式を問題にします。これは三段論法などの推論の時に正しい推論の型を理解する時に重要です。単に1文であれば、「主語-述語」の関係の文章になっている、といった分析をするということです。

 意味論は前にも書きましたが、言葉で表現されていることが、現実世界と対応しているのか?を確かめるものです。歴史的事実なら真偽は動きませんが、「あなたは昨日カレーを食べた」は、「あなた」が誰で、「昨日」がいつなのかを確定しないと真偽が定まりませんね。でも、日常ではよくあります。

 山手線に乗っていると、品川駅を過ぎたところなのに「今、池袋。もうすぐ渋谷につく」と言っている人がいます。この「今、池袋」は偽です。「もうすぐ渋谷につく」は真ですけどね・・・。こういう現実との対応、ファクトとの対応を問題にするのが意味論です。

 ここで、「構文論と意味論を厳密には分けないで一緒くたに真偽を考える」、と書いてあります。じゃ、分けるなよ、と思うかも知れませんが、別々に検討して、統合して真偽を判定するぐらいに思っておいて下さい。慣れると一瞬で、何が違うのかがわかるようになりますが、慣れないと、別々に検討してみて、確認していったほうがいいと思います。

 そして、語用論は「語句と言語使用者の関係」が研究されると書いてありますね。この発言をした主体の文脈、歴史、これまでとこれからの発言などの関係が研究される。これはビジネスをやる上ではすごく大事ですね。

 経営者というのはその場その場では正しいことを言っていても、ずーっと見ていると長期的には矛盾が生じてくるというのはよくあります。でも、それにはそれなりの意味がある。みたいなところと同じです。

 昔、コンサルティング会社がシンクタンクを揶揄して「シンクタンクの報告書には主語がない」とよく言いましたが、この主語にとっての意味を考えるのが語用論に近いです。

 そうすると、意味論と語用論の区別はちょっと難しい。意味論は「現実と言葉の対応」という意味での意味を問題にします。語用論は「発言した誰かにとってのその時のその文の意味」を問題にします。どちらも意味を問題にしていますが、意味という言葉の意味が違いますね。ややこしい。

 語用論的意味は、主語が何を未来の行為として想定しているのか?によって、影響を大きく受けます。これは、コンサルティングで問題になる「意味合い」という言葉に近いのです。このあたりは繰り返し説明しますので、今日はこのあたりで。
 
 といったことがこのパートには書かれています。これだけでもお腹いっぱいかもしれませんが、ステップバイステップでこのブログと読み合わせていけば読めますので、お付き合い下さい。

 それでは次回をお楽しみに。
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2010.09.21(23:58)|シンキングメソッドコメント(2)トラックバック(0)TOP↑
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