さて、今日はいよいよ真理表に入っていきます。
P21~23:すべては真・偽で処理される
はじめのパラグラフが、いわゆる経験科学と論理学の違いの説明ですね。
経験科学は、真理とは何か?を探求します。論理学は、真理がどのような構造を持つか?を探求します。
これも、世界観とは切っても切れないのですが、ここでは触れていませんが、ちょっと解説します。
そもそも、経験科学が「真理」などという言葉を使って探求するのは、「神が造りし世界の真理」です。デカルト・ニュートン的世界観で行くと、神様が世界を作ったのだから、「真理」としての法則があるはずだ。こういう考え方で、世界を観察し、法則を見出します。
この考え方で、事象をモデル化していく。例えば、ニュートン力学も1つのモデルなわけです。
神が秩序を作っていなかったら、世界に法則なんてあると思って実験・観察なんてできるか?というと、そうでもないですよね。この感覚は伝わるでしょうか?
同様に、論理学では、神の存在証明がいろいろな形で試みられてきましたね。真理を証明するための道具、オルガノンとしての学ですから。
はじめのパラグラフは、このような世界観と学問の関係が前提となっています。
で、「真理の構造」の話に入ります。
論理学は「ある理屈の構造が示された時に、ある部分の真偽が全体にどう影響するのか?」を把握します。
例えば、下記のような三段論法があったとします。
①彼は独身である。
②全ての独身者は、悲しいものである。
③彼は悲しいものである。
これは、①と②が真ならば、③は真になりますね。論理学はこういう文と文の真偽の相互関係を知りたいのです。
で、文と文の関係ですから、接続詞が記号として導入されます。
・否定演算子「ではない」:~
・選言演算子「または」:∨
・連言演算子「かつ」:∧
・含意演算子「ならば」:⇒(本の記号と違います。ごめんなさい。変換で出ませんでした。)
まず、この4つの記号と意味を覚えてください。そして、例として否定演算子の真偽の関係が出ています。
P:真 ~P:偽
P:偽 ~P:真
という関係ですね。一番単純な「真理表」です。こういう真理の関係を表形式で記述するスタイルを真理表と言います。本の方では、真がT、偽がFという表記になっています。
これは簡単なんですが、説明がまたマニアックです。
「可能世界」という概念がさらっと出てきますが、こんなにさらっと説明することではありません。
「可能世界」というのは、possible worldの日本語訳ですが、「可能性世界」とは訳さずに、「可能世界」と訳すならいになっています。始めに翻訳した人がそうしたので、そうなってます。
まじめに解説をしだすと、様相論理学と論理学の巨人クリプキの説明をしないといけなくなりますが、ここでは割愛します。
この部分の文章の解釈としては、文字通り、無数の可能性がありえる世界のありようを、真偽の2つに区分けする、と考えてください。
そして、このように、真偽の2つの値のみを考える論理学を「二値論理学」と言います。この本は入門書ですから二値論理学しか扱いません。ご安心を。
といった具合です。次回は、もう少しだけ複雑な真理表の解説があります。それでは次回をお楽しみに。
![]() | 論理学入門―推論のセンスとテクニックのために (NHKブックス) (2000/09) 三浦 俊彦 商品詳細を見る |
P21~23:すべては真・偽で処理される
はじめのパラグラフが、いわゆる経験科学と論理学の違いの説明ですね。
経験科学は、真理とは何か?を探求します。論理学は、真理がどのような構造を持つか?を探求します。
これも、世界観とは切っても切れないのですが、ここでは触れていませんが、ちょっと解説します。
そもそも、経験科学が「真理」などという言葉を使って探求するのは、「神が造りし世界の真理」です。デカルト・ニュートン的世界観で行くと、神様が世界を作ったのだから、「真理」としての法則があるはずだ。こういう考え方で、世界を観察し、法則を見出します。
この考え方で、事象をモデル化していく。例えば、ニュートン力学も1つのモデルなわけです。
神が秩序を作っていなかったら、世界に法則なんてあると思って実験・観察なんてできるか?というと、そうでもないですよね。この感覚は伝わるでしょうか?
同様に、論理学では、神の存在証明がいろいろな形で試みられてきましたね。真理を証明するための道具、オルガノンとしての学ですから。
はじめのパラグラフは、このような世界観と学問の関係が前提となっています。
で、「真理の構造」の話に入ります。
論理学は「ある理屈の構造が示された時に、ある部分の真偽が全体にどう影響するのか?」を把握します。
例えば、下記のような三段論法があったとします。
①彼は独身である。
②全ての独身者は、悲しいものである。
③彼は悲しいものである。
これは、①と②が真ならば、③は真になりますね。論理学はこういう文と文の真偽の相互関係を知りたいのです。
で、文と文の関係ですから、接続詞が記号として導入されます。
・否定演算子「ではない」:~
・選言演算子「または」:∨
・連言演算子「かつ」:∧
・含意演算子「ならば」:⇒(本の記号と違います。ごめんなさい。変換で出ませんでした。)
まず、この4つの記号と意味を覚えてください。そして、例として否定演算子の真偽の関係が出ています。
P:真 ~P:偽
P:偽 ~P:真
という関係ですね。一番単純な「真理表」です。こういう真理の関係を表形式で記述するスタイルを真理表と言います。本の方では、真がT、偽がFという表記になっています。
これは簡単なんですが、説明がまたマニアックです。
「可能世界」という概念がさらっと出てきますが、こんなにさらっと説明することではありません。
「可能世界」というのは、possible worldの日本語訳ですが、「可能性世界」とは訳さずに、「可能世界」と訳すならいになっています。始めに翻訳した人がそうしたので、そうなってます。
まじめに解説をしだすと、様相論理学と論理学の巨人クリプキの説明をしないといけなくなりますが、ここでは割愛します。
この部分の文章の解釈としては、文字通り、無数の可能性がありえる世界のありようを、真偽の2つに区分けする、と考えてください。
そして、このように、真偽の2つの値のみを考える論理学を「二値論理学」と言います。この本は入門書ですから二値論理学しか扱いません。ご安心を。
といった具合です。次回は、もう少しだけ複雑な真理表の解説があります。それでは次回をお楽しみに。
- 関連記事
-
- アナロジーとは? (2011/08/08)
- 論理学入門解説(5) (2010/09/29)
- 論理学入門解説(4) (2010/09/27)
スポンサーサイト