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> 仕組みを作れば回りますか?
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こんばんは。伊藤です。
温泉に行ってきました。とても、心地よい湯でした。

さて、今日は「仕組み」についてです。

「仕組み」とか、そういう言葉が一時流行りました。
その洗礼を受けた人が多いのか、最近見かける方は「仕組み」が大好きな方も
けっこういらっしゃいます。

以前、とある経営者に聞いた話があります。

とある若者が独立したそうで、
「こんなマーケティングパッケージを作りました。御社の顧客のメリットになるので、
ぜひ、御社の顧客リストに告知させてください。」
と、言われたそうです。

「このWin-Win仕組みで、弊社と御社はともに繁栄すると思います!」
とも言われたそうです。

「頑張ってください」
とだけ言って、帰っていただいたそうです。

また、とある若い女性グループが、いろいろと売りたいという話があったそうです。
で、その女性グループにいろいろアドバイスする立場になったコンサルタントがいました。

そのコンサルタントは、とりあえず、こんな感じでやってみようと、案を作って、
売ってみよう、ということになりました。

すると、その女性は「対面で売るなんてダサい。今はネットで仕組みを作れば売れる!」と主張し、
いろいろスキームを自分で組む!と言い出したそうです。

結果としては、全然売れずに終わったそうです。

この2つの話で私が言いたいことは何か?

ビジネスは結果的には「仕組み」を回すことで、
お金がちゃりんちゃりんと落ちていくわけですが、
その仕組みを回すプロセスに辿りつくまでが大変です。

仕組み化できるということは、既にある程度成功しているということと
同義です。買う人がある程度いるから、買う人にいかに効率的にアプローチし、
契約し、デリバリーするか?というのが論点になるのです。

誰が買うのか?どうすれば買うのか?がわからない状況で、仕組みもクソも
ないのです。

新規事業の立ち上げでは、この点が難しいわけです。そりゃ、既存の顧客リストを
持っている企業はいいですよ。もしくは、ブランドがある企業、資金がある企業はいい。

でも、たいていは、そんなもんはないわけです。

そうすると、お客さんを作り出さなくてはならない。
そんな時、お客さんとの出会いはある意味で魂の出会いなわけです。

例えば、現代に洗濯板を売る完璧な仕組みがあったとして、
機能しないことはわかりますよね?もはや買わない。

でね、テストマーケティングでリスクを下げようがなんだろうが、
誰が買うかなんて、当初はわからんわけです。

ひょっとしたら、誰も買わないかもしれない中でやらねばならんわけです。
事前のリサーチで好評でも、買わないなんてことは多々あります。

初めにお客さんを作るにはどうすればいいのか?に注力しないと、
ビジネスなんてまわりません。お客さんに断られながら、いろいろ話を聞く中で、
商品、売り方、アプローチ先を変えてやっていくわけです。

コンサル的なパッケージならなおさらです。売りながら修正していくものです。

お客さんとの出会いが魂の出会いだからこそ、初めのお客さんは一生忘れないとか
そういうことになるわけです。

こういうことに対する勘違いで、
現場たたき上げのおじさんと、若者の会話がかみ合わない場面を見たことがあります。
心あるタヌキおやじは、こういうことは経験的にわかっています。

だからこそ、「お前は間違っている!」と言いたくなるのですが、
うまく言葉にできないことが多く、若者は精神論としてしか受け取りません。

使えないオヤジだな、ぐらいにしか思わないでしょう。
いまどきは、ロジカルシンキングが流行っているせいか、
言葉の扱いは若い人のほうがわかったりして、なお悪い・・・。

タヌキおやじのいいたいことは伝わらず、世代間断絶はなお進みます。

「社会人はビジネスライクなんだよ」「友達が少ないんだよ」と教えるような
就職コンサルタントがいて、笑いました。

それはお前がそうなんだろ、と言ってやろうかと思いました。

1000億ぐらいの会社でも、経営者との出会いは魂の出会いですよ。

コンサルティングの過程で、
「祖父が興した会社で、はじめは借金だらけでしたが、私はなんとか大学まで出してもらって・・・、
兄弟の争いがあって・・・、社員の子供はなんとか大学に行かられるぐらいの会社にしたいと思って・・・」
ぐらいのことは日常的に相談されるわけです。

こんな話をする間柄にビジネスライクもクソもないでしょ?

全人格的に対応するのが礼儀だと思っています。
クライアントとの出会いは魂の出会いなのです。

あんまり特定の会社の悪口は言いたくないですが、
大手シンクタンク出身者や、大手コンサルティング出身者が独立すると
たいてい失敗するのは、こういう感覚がわかっていないことにあると
思います。

スキームを組めば、仕組みを作れば、それを絵に書けば自動的に回るとでも
思っているのではないか?と疑いたくなる方がやまほどいます。

「人的ネットワークを作れば収益が上がるんだ」とおっしゃる方もいます。
でも、そういう方が人的ネットワークを持っているのを見たことがありません。

あのね、「魂の出会い」に「ネットワーク」なんて、名前つけないでしょ?

そもそも勘違いしているのです・・・。

確かに、キャッシュが回る、回らないは大事です。それだけを考える意味で、
ビジネスモデルを書くことはあります。ベンチャーキャピタルからお金をもらうために
絵を書くことはあります。

でも、そういうもんじゃないでしょ?

私はよく、「ビジネスライクを超える意味がビジネスにはあるのでは?」と思って
それを言葉にできずに悩んでいる方にはレヴィストロースの「コミュニケーションの一般理論」のお話をします。

「構造主義」で有名な学者ですが、「コミュニケーションの一般理論」のお話を乱暴に言いますと・・・

彼がミクロネシアかポリネシアの民族研究をしていた時、
ある島では貝殻が宝になっていて、地元民が言うには「これは非常に価値あるものなんだ」とのことで。

レヴィストロースにはどう見ても、ただの貝殻にしか見えない。
しかし、その貝殻はとても価値があるので、ある時期が来たら隣の島に届けなくてはならない、と。

それで、実際に隣の島に届ける時になると、隣の島は意外と遠くて、大船団を組んでいくもんだから、
海が荒れて、死人が出たりする。

そして、無事に貝殻を隣の島に届けると、祭りがあって。祭りで、隣の島の女の子と恋に落ちて、
そちらに住み着いてしまう人もいる。

そして、元の島に帰っていく。

すると、隣の島でも、しばらくすると、その価値ある貝殻を隣の島に届けるそうで。
その届けるルートをよくよく見てみると、同じ島々をぐるぐる回るのだそうで。

これは、一見無意味な宗教的行為にも見える。
貝殻のすごい価値と言うのはなんだろう?と考えても理解不能かもしれないと思える。

でもね、よくよく考えると、この貝殻が価値があるのは、島々の交流がこの儀式があるからこそ
生まれるからではないか?

価値があるから交換するのではなく、交換されるから価値があるんだ、と。
そういうことにレヴィストロースは気が付いた。

交換と言えば、ピンときますね。そう、マーケティングです。
「交換活動を生み出すための総合的な活動」がマーケティングなわけです。

するとね、貨幣は価値があるから交換するのではなく、
人々の交流を促進するから、貨幣を使うシステムに価値があるのではないでしょうか?
と考えられるわけです。

人の交流を、人に役立つという形で生み出すからこそ、今のシステムには価値があり、
商売に意味があるのではないでしょうか?と考えられるわけです。

私が言う、「ビジネスは金儲け以上の価値がある」というのはこういう考えに基づいています。
おそらく、インターネットなどを使って、交流を全く生み出さずにお金が儲かる形は、いずれ消えると
思っています。

もし、そんなものがビジネスの本流になったとしたら、資本主義経済の仕組みが終わる時だと
思います。

全く別の人の交流を生み出すシステムが構築されることでしょう。

今日は、ちょっと長すぎました。ごめんなさい。
最後まで読んでくれる人がいるのかわかりませんが、読んでくれたみなさん、
ありがとうございます。
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2011.08.10(18:26)|ビジネスシステムコメント(0)トラックバック(0)TOP↑
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・社会のビジネスナレッジの偏在を正すことを目指すこと。そのために社会の構成員であるクライアントに対してビジネスナレッジを提供すること

・ビジネスナレッジの偏在を利用する悪貨たる企業を駆逐する良貨たらんとすること。そのために偏在を利用する企業以上のマーケティング力を持つこと。そして、提供したナレッジに見合った対価をクライアントから頂き収益を上げ、成長していくこと

・社会に対する志を持つ企業、個人をクライアントとすること。例え儲かるとしても、志を持たない企業、個人をクライアントとしないこと

・クライアントの成長を望むこと。具体的な解の提示よりも、その解を出すプロセスをシェアすることにより、クライアント自身がプロセスを組みなおし、異なった解を出す力を増加させることに重きを置くこと

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