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インサイト100マーケティング
> 慰め言葉と大衆向けビジネス
 おはようございます。伊藤です。

 今日もTwitterのつぶやきをさらさらまとめます。大衆をターゲットにしたビジネスについて。

 大衆がターゲットであることと、教育をドメインにすることが、ある意味で悪徳な商売を生む、ということを批判的に書いています。当然、教育に限らず適応可能な面もありますけどね。

①大衆を相手にするビジネスには「慰め言葉」的なものは必須だ。「若白髪は頭がよくて金持ちになる」的な何かが。何もしなくてもいろいろできるようになる!とか。自分は何もできなくても、傾聴技法さえできればいい、とか。このビジネスにマルチ商法要素が加わって、信者が信者を生む形で広がっていく。

②「慰め」が必要なぶんだけ生産され消費される。社会的ニーズがある。だからビジネスとして存在すること自体は構わない。しかし、生産型の教育では時間の無駄ではある・・・。

③「慰め言葉」が欲しいなら素直にそういえばいい。私には慰めが必要です!私は慰めを提供しています!と。でも、これでは誰も買わないので、なんらかの正当性があるかのようなパッケージを纏うことになる。しかし、こういったことにかかわること自体が恥ずかしいことではなかろうか?

④しかも、自覚なく慰めを提供したり、慰めを受容したりするのは、自分の無知を告白しているようなものではなかろうか?いい大人が慰めを提供することをビジネスと割り切らずに善をなしているかのようにやっているのならば、それは無知の象徴ではなかろうか?

⑤ニーチェはキリスト教のルサンチマンを指摘した。これは勇気ある行動だが、「慰めビジネス」に善意で携わる人間の無知を指摘したところで誰も褒めてくれない。

 解説していきましょう。

 大衆をターゲットにしたビジネスで、本質的に本当のことを語ったとして、うまくいかないですね。現実は厳しいとか、そういう話はたいていの人は嫌いです。

 「一瞬で〇〇できる!」「1秒で〇〇できる!」なんてビジネス書がありましたが、これはまさに、都合の良い嘘ですし、慰めです。なにかしらのことができるようになるには、相当の時間がかかる。しかも、本質的な理解に至れる人間はごく少数です。

 ビジネスとして考えれば、カウンセリングやセラピー、エンターテインメントと同様に、何らかの一時的な慰め、気晴らし、気休めのようなものはニーズがあるでしょう。麻薬に手を染めるよりはマシだと思います。

 でもね、人は自分が大衆だと思いたくないし、愚民だと思いたくないわけです。大衆向けのコマーシャルで「上質な」とタレントが言っている缶コーヒーは本質的に上質ではないですよね。でも、上質だと思いたい。だからああいうメッセージになる。そして、それが売れるんです。悲しいことながらこれは事実です。

 ただね、これを割り切りでやるならまだしも、「本当にいいことだ」と信じてやっている場合があります。大衆を教師に仕立てるコーチングビジネスはこの典型ではあるわけです。「コーチに経験はいらない。傾聴技法だけでいい。」

 「自分史が大事だ」と言い、人を過去に縛り付け変われないように仕向ける。すると、一生同じところをぐるぐるとまわり続け、教祖さまにお金を貢ぎ続ける。これはこれで1つの人生です。本人が幸せだと思えばそれでいいかもしれません。

 でもね、そこから脱しようとするのが人間だと思います。ニーチェはキリスト教を徹底して批判しました。ルサンチマンである!と。ルサンチマンとは大衆の怨念のようなものです。

 大衆の怨念は多くのモノをひん曲げてしまいます。元来、良いとは強いことであったが、キリストの教えでは弱い者が幸いだという。これは「慰め言葉」の典型ですよね。

 人であるならば、「良い=強い」を目指してしかるべき、と。しかし、その向上心を大衆から奪い取り、マイナスの方向に持っていくのがキリスト教である、と。それを打破することをニーチェは目指したわけです。

 しかし、ニーチェは生きている間はあまり評価されませんでした。大衆は数が多いですから、そこで好意的に受け入れられないといけませんからね。

 現代において、「慰め言葉」を言うほうが儲かるでしょう。でも、それでは全体が沈んでしまう、と私は思っています。なので、なんとか現代的に「啓蒙」したいわけです。

 私のビジネスのターゲットは大衆ではないからこそできるかなあ、と思っています。こんなことを書くと、攻撃されるかもしれませんが、それでも、こういう耳に痛いメッセージを出し続けようと思っています。裏側では、「慰め言葉」を利用するモデルもあることを説きながら・・・。

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2012.06.06(08:24)|マーケティングコメント(0)トラックバック(0)TOP↑
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