**********************************************************************
メールマガジン「インサイト100」
週に1回配信中。
登録は⇒http://www.taii.jp/
**********************************************************************
インサイト100戦略
> 語用論と戦略と
おはようございます。伊藤です。

今日まで暑いようですね。
ただ、これぐらい暑い方が私は楽です。
寒くなると緊張しますからね。

さて、今日は語用論のお話をまたします。

何度も何度も書いていますが、
なかなか普及しません。

語用論というのは、論理学の一分野で、
人が自然に意味を理解する時に使っているメカニズム的な
「正しさ」に関する研究ですね。

昔、シンクタンクの報告書には主語がないと
揶揄するコンサルタントがいました。

これは、語用論的に意味合いがわかっていない、
ということと同義です。

例えばね、とある重電会社はエアコン事業を持っています。
でもこれ、無駄だと言われたりしますよね。

500億円のコンシューマー事業は「無駄」という
意味合いで見えるわけです。

数兆円レベルで売上があるような会社で、
メインはもっとでっかいB2Bの重電ですからね。

なんでコンシューマーだけやるんだよ、という感覚でしょう。

事実としては、500億円の事業がある。
それが大きいか小さいか。
有効な事業なのか、無駄な事業なのか。
この解釈が戦略上は大事ですよね。

スポーツの例でも見てみましょう。
サッカーのグラウンドは68M×105Mです。
敵味方に分かれて、90分で試合をします。

このグラウンドを、「広い」と考えるか、「狭い」と考えるかで、
サッカーのやり方がだいぶ変わってきます。

90分を「長い」と捉えるか、「短い」と捉えるか、でも
サッカーのやり方はだいぶ変わってきます。

グラウンドは狭い、90分は短いだと、
とにかく走ってボールを追い続けるサッカーになりますよね。

グラウンドは広い、90分は長いだと、
パスでボールをキープして、相手を疲れさせるサッカーになりますよね。

事実をどう解釈するか?というのは、戦略によるわけです。

しかし、何もこれは戦略だけの話ではないのです。
普段から、物事を意味合い優位で私たちは認知しています。

これは、人間の認知メカニズムからわかっていることですが、
私たちは生データをそのまま見ているわけではない。

通常は、何かを知覚したら、それが自分の生存に意味があるか、ないか、で、
認知する、しないが決められています。

食べ物が大きく見えるのは、このメカニズムによっています。
食べ物は生存に大きな意味合いを持ちますからね。

そして、何かを認知する時、
知覚対象と似ている過去の体験をひっぱり出してきて、
物事を認知している。

犬を見る時、私たちは過去の犬体験をひっぱり出してきて、
重ねあわせてみている。

これをちゃんと指摘したのは、
アブダクションで有名なパースですけどね。

そもそもね、私たちは自分たちの生存に最大限有利になるように世界の情報を認知しているんです。
でも、ビジネスだとなぜできないんでしょうね?

答えは簡単です。自分は会社と一体ではないからです。
経営者は、会社と一心同体の場合がけっこうありますので、
自社にとっての意味合いで環境が見えています。
だから、戦略的に事実の意味合いが見えるのは当たり前です。

そして、この見え方は経験量に依存します。
そうすると、従業員と歴史の共有ができていないと、
会社にとっての意味合いで環境を見るんだ!と言っても無駄なわけです。

そうすると、外部環境の「機会」も「脅威」も従業員には見えないことになります。
経営者って孤独ですね。

そして、これを理屈で教えるのは非常に難しい。
ロジックとか論理と言うと、アリストテレス以降2000年の歴史がある構文論的なこと、
命題論理などに依拠することしかできない人たちであふれているからですね・・・。

と、憂鬱になりますが、
わかっていると、個人レベルでも企業レベルでも競争優位になるので、それはそれで
いいのですが、さすがに話が通じない人ばかりでもさみしい人生なので、
こうやってメルマガやブログを書き続けるわけですね。

それでは今日はこのあたりで。
次回をお楽しみに。
関連記事
スポンサーサイト
2013.07.14(09:56)|戦略コメント(0)トラックバック(0)TOP↑
名前:
コメントタイトル:
メールアドレス:
URL:
コメント:

パスワード:
管理人だけに表示:
管理者にだけ表示を許可
Twitter
メールマガジン登録
メールマガジン「インサイト100」週に1回配信中。登録は⇒http://taii.jp/の登録窓から
プロフィール
推薦図書
経営理念
弊社のコンサルティングのポリシーです。

・過去に人類が考えてきたこと(Thought)を蓄積し、そこから鋭い洞察(Insight)を生み出し、その洞察がまた、Thoughtの一部になっていくプロセスを回していくこと。そのプロセスが社会のナレッジ量を増加させ、全ての価値を生み出すことを認識すること

・先人の知恵に対する敬意を払い、学び続けること。ナレッジの自己への入力量が自身の考える能力を向上させ、社会のナレッジ量を増加させることを知ること

・社会のビジネスナレッジの偏在を正すことを目指すこと。そのために社会の構成員であるクライアントに対してビジネスナレッジを提供すること

・ビジネスナレッジの偏在を利用する悪貨たる企業を駆逐する良貨たらんとすること。そのために偏在を利用する企業以上のマーケティング力を持つこと。そして、提供したナレッジに見合った対価をクライアントから頂き収益を上げ、成長していくこと

・社会に対する志を持つ企業、個人をクライアントとすること。例え儲かるとしても、志を持たない企業、個人をクライアントとしないこと

・クライアントの成長を望むこと。具体的な解の提示よりも、その解を出すプロセスをシェアすることにより、クライアント自身がプロセスを組みなおし、異なった解を出す力を増加させることに重きを置くこと

・抽象的な理論のレイヤから、クライアントサイドの具体へと寄っていくこと。ただし、その過程でクライアントにも具体のレイヤから抽象のレイヤに寄ってもらうこと。その上で、中間のレイヤでクライアントと共に新しいナレッジを生み出していくこと
カテゴリー
月別アーカイブ
RSSフィード
ブロとも申請フォーム