おはようございます。伊藤です。
今日まで暑いようですね。
ただ、これぐらい暑い方が私は楽です。
寒くなると緊張しますからね。
さて、今日は語用論のお話をまたします。
何度も何度も書いていますが、
なかなか普及しません。
語用論というのは、論理学の一分野で、
人が自然に意味を理解する時に使っているメカニズム的な
「正しさ」に関する研究ですね。
昔、シンクタンクの報告書には主語がないと
揶揄するコンサルタントがいました。
これは、語用論的に意味合いがわかっていない、
ということと同義です。
例えばね、とある重電会社はエアコン事業を持っています。
でもこれ、無駄だと言われたりしますよね。
500億円のコンシューマー事業は「無駄」という
意味合いで見えるわけです。
数兆円レベルで売上があるような会社で、
メインはもっとでっかいB2Bの重電ですからね。
なんでコンシューマーだけやるんだよ、という感覚でしょう。
事実としては、500億円の事業がある。
それが大きいか小さいか。
有効な事業なのか、無駄な事業なのか。
この解釈が戦略上は大事ですよね。
スポーツの例でも見てみましょう。
サッカーのグラウンドは68M×105Mです。
敵味方に分かれて、90分で試合をします。
このグラウンドを、「広い」と考えるか、「狭い」と考えるかで、
サッカーのやり方がだいぶ変わってきます。
90分を「長い」と捉えるか、「短い」と捉えるか、でも
サッカーのやり方はだいぶ変わってきます。
グラウンドは狭い、90分は短いだと、
とにかく走ってボールを追い続けるサッカーになりますよね。
グラウンドは広い、90分は長いだと、
パスでボールをキープして、相手を疲れさせるサッカーになりますよね。
事実をどう解釈するか?というのは、戦略によるわけです。
しかし、何もこれは戦略だけの話ではないのです。
普段から、物事を意味合い優位で私たちは認知しています。
これは、人間の認知メカニズムからわかっていることですが、
私たちは生データをそのまま見ているわけではない。
通常は、何かを知覚したら、それが自分の生存に意味があるか、ないか、で、
認知する、しないが決められています。
食べ物が大きく見えるのは、このメカニズムによっています。
食べ物は生存に大きな意味合いを持ちますからね。
そして、何かを認知する時、
知覚対象と似ている過去の体験をひっぱり出してきて、
物事を認知している。
犬を見る時、私たちは過去の犬体験をひっぱり出してきて、
重ねあわせてみている。
これをちゃんと指摘したのは、
アブダクションで有名なパースですけどね。
そもそもね、私たちは自分たちの生存に最大限有利になるように世界の情報を認知しているんです。
でも、ビジネスだとなぜできないんでしょうね?
答えは簡単です。自分は会社と一体ではないからです。
経営者は、会社と一心同体の場合がけっこうありますので、
自社にとっての意味合いで環境が見えています。
だから、戦略的に事実の意味合いが見えるのは当たり前です。
そして、この見え方は経験量に依存します。
そうすると、従業員と歴史の共有ができていないと、
会社にとっての意味合いで環境を見るんだ!と言っても無駄なわけです。
そうすると、外部環境の「機会」も「脅威」も従業員には見えないことになります。
経営者って孤独ですね。
そして、これを理屈で教えるのは非常に難しい。
ロジックとか論理と言うと、アリストテレス以降2000年の歴史がある構文論的なこと、
命題論理などに依拠することしかできない人たちであふれているからですね・・・。
と、憂鬱になりますが、
わかっていると、個人レベルでも企業レベルでも競争優位になるので、それはそれで
いいのですが、さすがに話が通じない人ばかりでもさみしい人生なので、
こうやってメルマガやブログを書き続けるわけですね。
それでは今日はこのあたりで。
次回をお楽しみに。
今日まで暑いようですね。
ただ、これぐらい暑い方が私は楽です。
寒くなると緊張しますからね。
さて、今日は語用論のお話をまたします。
何度も何度も書いていますが、
なかなか普及しません。
語用論というのは、論理学の一分野で、
人が自然に意味を理解する時に使っているメカニズム的な
「正しさ」に関する研究ですね。
昔、シンクタンクの報告書には主語がないと
揶揄するコンサルタントがいました。
これは、語用論的に意味合いがわかっていない、
ということと同義です。
例えばね、とある重電会社はエアコン事業を持っています。
でもこれ、無駄だと言われたりしますよね。
500億円のコンシューマー事業は「無駄」という
意味合いで見えるわけです。
数兆円レベルで売上があるような会社で、
メインはもっとでっかいB2Bの重電ですからね。
なんでコンシューマーだけやるんだよ、という感覚でしょう。
事実としては、500億円の事業がある。
それが大きいか小さいか。
有効な事業なのか、無駄な事業なのか。
この解釈が戦略上は大事ですよね。
スポーツの例でも見てみましょう。
サッカーのグラウンドは68M×105Mです。
敵味方に分かれて、90分で試合をします。
このグラウンドを、「広い」と考えるか、「狭い」と考えるかで、
サッカーのやり方がだいぶ変わってきます。
90分を「長い」と捉えるか、「短い」と捉えるか、でも
サッカーのやり方はだいぶ変わってきます。
グラウンドは狭い、90分は短いだと、
とにかく走ってボールを追い続けるサッカーになりますよね。
グラウンドは広い、90分は長いだと、
パスでボールをキープして、相手を疲れさせるサッカーになりますよね。
事実をどう解釈するか?というのは、戦略によるわけです。
しかし、何もこれは戦略だけの話ではないのです。
普段から、物事を意味合い優位で私たちは認知しています。
これは、人間の認知メカニズムからわかっていることですが、
私たちは生データをそのまま見ているわけではない。
通常は、何かを知覚したら、それが自分の生存に意味があるか、ないか、で、
認知する、しないが決められています。
食べ物が大きく見えるのは、このメカニズムによっています。
食べ物は生存に大きな意味合いを持ちますからね。
そして、何かを認知する時、
知覚対象と似ている過去の体験をひっぱり出してきて、
物事を認知している。
犬を見る時、私たちは過去の犬体験をひっぱり出してきて、
重ねあわせてみている。
これをちゃんと指摘したのは、
アブダクションで有名なパースですけどね。
そもそもね、私たちは自分たちの生存に最大限有利になるように世界の情報を認知しているんです。
でも、ビジネスだとなぜできないんでしょうね?
答えは簡単です。自分は会社と一体ではないからです。
経営者は、会社と一心同体の場合がけっこうありますので、
自社にとっての意味合いで環境が見えています。
だから、戦略的に事実の意味合いが見えるのは当たり前です。
そして、この見え方は経験量に依存します。
そうすると、従業員と歴史の共有ができていないと、
会社にとっての意味合いで環境を見るんだ!と言っても無駄なわけです。
そうすると、外部環境の「機会」も「脅威」も従業員には見えないことになります。
経営者って孤独ですね。
そして、これを理屈で教えるのは非常に難しい。
ロジックとか論理と言うと、アリストテレス以降2000年の歴史がある構文論的なこと、
命題論理などに依拠することしかできない人たちであふれているからですね・・・。
と、憂鬱になりますが、
わかっていると、個人レベルでも企業レベルでも競争優位になるので、それはそれで
いいのですが、さすがに話が通じない人ばかりでもさみしい人生なので、
こうやってメルマガやブログを書き続けるわけですね。
それでは今日はこのあたりで。
次回をお楽しみに。
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