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インサイト100ブランディング
> ブランドを作るには?
こんばんは。伊藤です。

ブランド構築はどうやればいいのか?もう少し具体的に知りたいです。
という質問が来ていたので、もう少しだけちゃんと書きます。

ステップ論にすると、自社事業をブランド化するには、

①コンセプトの再定義/顧客視点で、顧客が自社の商品サービスでどう変わるのか?を考える

②顧客接点ごとの顧客体験の設定/顧客は体験によって、価値観を変えるので、どのような体験で顧客の価値観をどう変えるのか?を考える

③情報管理の徹底、社内文化の変革/顧客は、自社情報と接触すると体験を得てしまうので、思わしくない情報の流出は避ける。そのためにどのように情報を管理するのか?を考え、社内の文化を上記顧客体験を生み出すためにどう変えればいいのか?を考える

④上記を実現するビジネスモデルの再構築、収支シミュレーション/カネがサステイナブルでなければ話にならないので、顧客接点にカネをかけ、それ以外にはカネをかけずに効率的にビジネスモデルを組み直すにはどうすればいいのか?を考える

ということになります。上記4点を紙の上で考えてみつつ、少しずつ実行のための施策を打ちつつ、変えていくのが現実的でしょうね。

①から順に見ていきます。

ブランドのコンセプトの再定義は意外と難しいと思います。自社のバリューは何なのか?というのを考え直すのは、
けっこう難しい。顧客はなぜ自社商品を買っているのか?それは顧客にどのような変化をもたらしているのか?
もしも、自社商品がなかったとして、どうなるのか?自社もライバルも、業界がその商品・サービスを提供しなかったら世界はどう変わってしまうのか?というところから考えてみてもいいかもしれません。

次は②です。

顧客と接触を持つポイントを洗い出します。Webの会社であれば、ホームページやメルマガが顧客との接点になります。
直営店を持っていれば、当然そこは顧客接点です。その体験を設計する。どのように顧客の価値観を変えるのか?
デザインも重要視されています。例えば、ネスレは保証付きブランドをやっていたこともあります。ネスレのマークをマギーにも入れるとかね。でも、それは流通業者向けの宣伝だったりするのです。

マイナーな会社は、親会社の威光みたいなものがないと、流通から相手にされなかったりするので、どうしても流通向けのメッセージが競争のポイントになってしまう。ただ、それは顧客からの支持を受けるには、邪魔だったりするわけです。

これを大々的にやっているのは、佐藤可士和さんですよね。
セブンイレブンのPBやユニクロのデザインで、無駄な物を一切省いたデザインを作っています。

元々、SMAPのプロモーションの時に、この手法を大々的に使いましたよね。
誰でもSMAPは知っていて、余計なことを伝える必要がない。だから、極限まで絞ったコミュニケーションで行ける、というやつでした。飲料の缶にSMAPと書いた看板を10年ぐらい前でしたが、良く見かけましたよね。あれです。

直営チャネルがあれば、流通向けのメッセージを排除した、純粋に顧客向けだけのデザインができます。
結局、最終消費者の支持を争っているわけですから、これだけで有利ですよね・・・。まあ、流通業者のバリューを否定しているようで申し訳ないですが、インベントリのリスクを負ってくれる、商品を大きく流してくれるのが流通の大きなバリューですが、
目利き能力はカテゴリに関してはあるのでしょうが、個別商品のコンセプトの強さみたいなもんには発揮されないことが多いですね・・・。ごめんなさい。

でね、流通を通さないといけないならば、余計なものがたくさん必要ですが、ピュアに使う人と直接接触ができるのなら、
そこの体験を中心に考えてみると、いろいろわかることがあると思います。

で、ここでのポイントはありていに言うと、5感に訴える体験をしてもらう、ということですが、
なぜ5感に訴えないといけないのかは、説明するとものすごーく時間がかかるので、私が勉強会をやる時にでも、
私に聞いてみてください。しばらくやりませんが。でも、とにかく5感に訴えるぐらいで考えてみて下さい。

さて、③に移ります。

情報管理と企業文化というのは、最近、ホットなテーマですね。
ザッポスのトニーシェイが、社員の口に蓋はできないのだから、楽しい企業文化を作って、
居酒屋で社員が飲んでいようと、そこで、誰かが接触してきたら、いい印象を与えられるようにすべし!と
主張していますね。

ディズニー、アップルは前に書いたように、秘密主義で、社内事情などを漏らしたりすると厳罰です。
絶対漏らすな、というカルチャーがあります。キャストと言われるバイトの人たちは搾取されるお客さんなので、
彼らはもてなされる対象ですね。だから、箝口令を敷く必要がないぐらいの接待をしておくわけです。

企業文化の形成は採用障壁を上げるのが一番いいわけですが、なかなかそれは難しいでしょうね。
人がわんさか入りたいと言ってくるような企業をまず作る障壁が高いです。
そうすると、教育でなんとかすることになる。そこにコストをかけてなんとかする。
せめて、挨拶はちゃんとして、ツイッターに問題映像をアップしないような教育のコストは必要でしょう・・・。

でもね、その上を行かないとブランドにはなれませんよね。そこは価値観教育というやつです。
ここでも、社員の5感に訴えて教育をする必要が出てきます。リッツカールトンが流行って、クレドという信条、行動原則を書いたカードを配るのも流行りましたが、毎日、毎週のミーティングで飽きずにいろいろやる必要があるでしょうね。

最後に④です。

顧客接点にコストをかけるには、それ以外のビジネスプロセスを効率的にする必要があります。
サプライチェーンは効率的にした上で、顧客接点では、それなりに非効率にカネをかける。
これができないと、ブランド体験をコントロールすることは難しい。

でも、徐々に移行するしかないでしょうね。少しずつ、変えていく。
大変ですけど、目指すところは、顧客接点以外は超効率的なビジネスモデルを組むことです。
収支のシミュレーションをしっかり組んで、やらないといけない。じゃないと潰れます・・・。

課題をピックアップして、それを順序良く実行して、成果を測るというのをずっとやっていくしかないでしょうね。

ぐらいですが、伝わりました?
コーポレートアイデンティティを変えるだけではどうにもならないし、デザインを変えるだけでも
どうにもなりませんね・・・。

他にも論点はあるわけですが、長くなってきたので今日はこのあたりで。
次回をお楽しみに。
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2013.09.05(22:49)|ブランディングコメント(0)トラックバック(0)TOP↑
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