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インサイト100シンキングメソッド
> 量の変化で量の変化を説明したほうがいいと思います
こんばんは。伊藤です。
夜中は寒いぐらいになってきましたね。

今日は質の変化をいきなり語らないほうがいい、
というようなことを書いてみます。

それでね、近年の若者の変化は・・・、みたいなお話がたくさんありますね。
シェアハウスを見て、シェアのカルチャーが、とか。
車に乗らなくなっていて、環境に優しくなっている、とか。

いや、カネがないんじゃないの?という至極シンプルなことを
指摘する人があまりに少ないです・・・。

下記、国税庁の調査をまとめてくれているサイトです。
20代、元々低賃金なのが確実に減り続けています。
http://nensyu-labo.com/nendai_20.htm

気鋭の社会学者とマスコミで取り上げられる人も、
質の変化をいきなり語ったりということになっていますが、
学会では総スルーですね・・・。

量の変化の話って、すごく大事だと思います。
だから、市場規模は大事なんですよね。市場規模が10億円しかないのに、
10億円以上に成長しませんよね・・・。

著作にも書きましたが、
旭山動物園は北海道にあったから、成功したんですよ。
北海道に行く人の数はそれなりにいるから、北海道の観光地間の競争で、
ツアーの中に入れてもらえればそれでいいというお話です。

もしも、旭山動物園が四国にあったら、画期的な展示方法だろうと、
ここまで成功しなかったでしょうね。

ハウステンボスも、HISが前面バックアップだから、再建されるんですよ・・・。

決して、ニーズにこたえたとか、そういうもんではないですよ。
ある程度の量が売れる販路が確保されれば、それでいいんですよ・・・。

私が子供の学力低下の問題を地域教育の崩壊に帰する理由も、
量的な問題です。

結局ね、学校と家庭はリソース投下インセンティブが強力に働きますよね。
だから、学校でやばい教育をやっているからとか、家庭でのしつけが悪いからとか、
ないとは言わないですが、それは二次的な問題でしょう、と。

誰も地域教育、近所の子供が遊ぶ中で学ぶという側面に対して、リソース投下しないでしょ?

そういうリソース投下量が減っている中で、穴埋め教育ばっかりやると、まずいよ、と言っています。
地域教育へのリソース投下量が充分なら、穴埋めでも悪くはないと思っています。

量を考えるのはすごく大事です。
入ってくるお金の量、持っているお金の量、人の数。これらは特に大事です。

人口が減ることはGDPにプラスなのか、マイナスなのか?といわれれば、
マイナスに決まっています。

需給が均衡していたら、GDPは、消費と投資と政府支出に輸出を足して輸入を引いたものになります。
そうすると、消費の大部分は家計の消費ですから、それが減ったら困りますよね。
企業の投資も、その国の人口が減れば減るでしょうし。

輸出立国型は、幼稚産業の保護の合理性がある程度証明されてしまった以上、無理ですし。

ということで、人口が減るのは少しまずいですね・・・。
ロシアみたいに、天然資源ががんがん見つかって、輸出できたりすれば、違いますけどね。
人口減少の中、GDP成長を遂げるには、どうしても天然資源などが必要になります・・・。

あとは、スーパーな技術的イノベーションでしょうか。それも、マーケティングがセットにならないと、
フラッシュメモリーみたいに日本発でも、外資にヒットを持っていかれることになるでしょうね。

いきなり消費者の質の変化が!みたいな話で始まるプレゼンは要注意だと思います。
量の変化で、量の変化を説明した上で、
いわゆる、マスコミで言われるこういう質の変化は、こういうことを背景にしているかもしれません・・・、
といったプレゼンが安心できますね。

私はそういうスタイルでしかやりません・・・。

100円のコーラを1000円で売る本も、ファンタジックな質の変化から、手法を変えるべき的な主張が
なされていましたね。現実を説明するモデルとしてはファンタジーですよ・・・。

「気づき」さえあればなんでもいい的な風潮は私は嫌いです。
売れさえすればいい、それは確かにそうですが、ビジネス書ってそういうファンタジーでいいのかな・・・、と思ったりもします。

それでは今日はこのあたりで。
次回をお楽しみに。
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2013.09.21(18:06)|シンキングメソッドコメント(0)トラックバック(0)TOP↑
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