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インサイト100マネジメント
> 日本企業とコミュニティー
 さて、前回、企業は権力を行使する仕組みであるといったことを書きました。

 で、日本企業は、株主の権力をないがしろにする形で成立していることにも触れました。持ち合いや買収防衛策によって株主による企業の監視はいい加減になっている。

 経営者も、どちらかと言えば労働者の側です。労働者から出世した人が経営者になりますからね。そうするとね、普通は資本の毀損が起こります。

 企業は株主が所有していて、株主のカネで設備から何から買っているわけですが、こういった会社の資産は通常、株主の監視がうまくいかないと、毀損するわけです。

 東南アジアあたりでは、アルバイトが物流センターからいろいろ持って行ってしまったりしますよね・・・。モノが盗まれる。大事に使われない。

 ただ、日本企業の場合、それほどこういった問題が起こらない。

 なぜか?

 それは、いわゆる終身雇用という伝説が、日本人の感覚に合うからです。長期的関係だと思えば、資本を毀損しないインセンティブが働き、ずっとその会社にいるなら、「うちの会社」になる。「うち」になる。

 借地借家法でも似たような事態が起こっています。

 家は家主の財産なわけですが、住んでいる人の権利が異様に強いのが日本ですね。これは財産権の侵害ではないか?と思うほどに、そこにいる人の権利が強い。

 そうすると、資本の毀損が起こりにくい。ただ、これも崩れてきていますが・・・。

 そして、もう1つの日本人の特徴として、現場が強いというのがあります。ジョブディスクリプションががっちり決まっておらず、現場が裁量で実行する。けっこう、勝手にやるやつも出てくる。

 有名な「太鼓の達人」というゲームがありますが、役員会で企画が否定されても、現場が勝手に開発を進めて、作ってしまい、世に出したというのはけっこう有名な話ですよね。

 上から何かが降りてくるというより、現場から上がる。「事件は会議室で起こっているんじゃないんだ!」が日本人にはなじむわけです。

 会社を自分たちの「うち」だと考え、ゆるい統制のもとで、現場が自発的に考えて動く組織が日本の組織の特徴なわけです。

 これは、機能集団というより、コミュニティーです。機能集団としてのカンパニーではなく、共同体としてのコミュニティーです。

 企業は法律上は株主のもので、利益を上げるために存在しているはずなわけですが、企業は日本では労働者のコミュニティーと化している。

 憲法上は3権分立の建て前があるにもかかわらず、官僚が立法も行政もやっている実態を見るに、民間も役所もとても似ています。これはそもそも欧米型の国民国家ではない。企業も有限責任でリスクを取りやすくし、儲けを追求する入れ物ではなくなっている。

 よく考えると恐ろしいことです。

 で、株主から監視されているわけではないですが、長期の関係のもとに相互監視が働く。現場で人望があり、かつ、仕事ができる人が権限を握る。必ずしも上ががっちり見ているわけではない。

 こういった日本的企業に入っていくためには、日本的に和を尊びつつ、自発的に動ける、というのが必要になるわけですね。

 ただ、この日本企業の特徴が、自動車以外は競争力を失いつつあり、アップルやら、サムスンなどのような独裁的、トップダウン企業が力を増している。

 日本でも、ソフトバンクやユニクロなど、ある意味で独裁的に上から物事を決めるタイプの企業が伸びている。

 というところで、一昔前の日本では抜擢されなかったようなタイプの人が、何かしらの変革を期待されて、いろいろやるようにはなってきているわけです。

 この中で、人材というのはどうあるのだろう?というのは1つの大きな興味深い問いなわけですが、それはまた次回に書きましょう。

 それでは今日はこのあたりで。次回をお楽しみに。


 
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2014.01.27(20:35)|マネジメントコメント(0)トラックバック(0)TOP↑
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