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インサイト100シンキングメソッド
> 1問1答の弊害と「答えなんてないんだ」の浅さ
 いや、もうね。いろいろと若い人が別種族であることを実感する今日、この頃ですね。

 就活指導なんて下らんと思っていますが、衝撃を受け続けるので、今日も書いてみます。

 一問一答的に答えを覚えれば、なんとかなると思っている人が当たる壁が、低いレベルでは「一貫性」というやつがあります。

 例えばね、実際にあったケースですが、

 「〇〇業界の中でも当社を志望した理由はなんですか?」

 「説明会を見て思ったのですが、女性が活躍していることに非常に感銘を受けました!」

 「そうなんだ。では次の質問です。あなたが社会に出る際に重視することはなんですか?3つ挙げてみて下さい。」

 でね、この質問に対する答えに、女性が活躍できることが入ってないと、違和感がありますよね。違和感があったら、また確認してみるわけです。この人は女性が活躍しているということで、当社を志望していると言っているが、それは本当か?とかね。

 実際に、そういう一貫性が狂っていると思われるところに、その後の質問は集中していました。まともな面接官だとは思いました。はい、学生に面接を録音させて、聞いてるんですよ。私・・・。

 その面接全体で、言っていることが、一問一答的にはそれなりにわかるんだけど、一貫性を見ると、すごく違和感がある。そうすると、低いレベルですが、落ちるわけですよ。この人、どういう人だかわからない、と。

 それでね、これまた、実際にあったケースですが、大手通信企業で、東西大手の面接の際に、違うほうの状況を聞かれたらどう答えればいいか?と聞かれたことがあります。

 その人が言うには

 ①受かっているといったらウソだが、優秀だと思われるかもしれない。しかし、ウソがばれるとまずい

 ②落ちているといったら本当だが、優秀ではないと思われるかもしれない。しかし、通信に興味があるのは間違いないと思われるかもしれない

 ③受けていない。これも嘘だが、落ちたことを言わずに済む。しかし、通信に興味がないと判断されるかもしれない

 どれを答えるべきでしょう?と。

 私の答えとしては、正直に言いなさい、でした。なぜかと言うと、その人は、論理一貫性で問題が出るタイプではなく、頭は切れる。短い時間の交渉ではけっこう強そう、しかし、誠意や誠実さに問題がありそう、という印象になる学生でした。

 超大手企業で最終面接に出てくる役員は、ただのタヌキおやじではありません。頭が切れても、切れることをみじんもみせないでにこやかにいられる人たちです。

 バレます・・・。正確にばれなくても、誠実さに問題があって、企業に悪影響を与えるレベルと思われればとりません・・・。

 だから、「腹をくくって正直に行け、お前程度の詐欺師では騙し切れん連中だ」ということで、正直に腹を割ったそうです。一応、受かりました。

 で、先日、こういう話を頭が切れる学生にしたら、「えー、じゃあ、選択肢のどれを言えば正解とかそういうロジックじゃないんですか?」という恐ろしいことを言いました。

 当たり前だろ・・・、と皆さん思いますか?でも、その人が言うには、「ずっと一夜漬けで答えを覚えて何とかしてきたので、そんなの対応できません」とおっしゃいます。

 しかし、これが言える時点で、この子のレベルはけっこう高いんですよね・・・。

 「嘘ついてもばれるんですか?」というので、

 「確実にばれるとは言えないけど、違和感は感じるよ。そしたら、本当にうちに来るの?とか、そういう意地悪な質問ばかりになってくよ。」と言うと、

 「でもそれ、行きます、しか答えがないじゃないですか。」

 「そりゃそうだよ。でも、その言い方とか、その時の雰囲気とかでいろいろわかるんだよ。礼儀としては、行きますしか言えないけど、その時の言い方と全体の印象で判断するの。何回か似たようなことを聞いて、その言い方を見てればわかるよ・・・。」

 「それだと、対策が効かないじゃないですか!面接の練習とかしても意味がないですよね・・・。」

 もう、喜劇ですが、この子は頭がいいほうですね。

 ただ、これに対してかっこよく、「答えはないんだ!」という薄っぺらさにも私は辟易しています。大人のほうにね。頭悪すぎです。

 結局、これまで必死で頭を使うほうに勉強をしてきたか?といったことが問われるわけですよ。何をするにも、頭を使ってきたの?と。上位大学に入っていたとして、一問一答マシーンは要らないんです・・・。

 自然にできることは別にいいです。できないなあと思うことは必ず出てきます。それに対して自分なりに考え、できるようにしてきたか?

 本当にそれだけです。その積み重ねですよ・・・。上位大学にせっかく入っているんだから、ホワイトカラーで就職するんでしょ?それだけの教育投資をしたんでしょ?と。

 その時、言う答えは、それなりの領域で定まりますよ。コンテクストがありますからね。聞く側がコンテクストから逸脱するケースもありますが、それは人間の営みですからね・・・。

 ぐらいですが、伝わりますか。

 いちいち、口頭で全員に同じことを言うのが疲れるので、一応書いておきます。

 それでは今日はこのあたりで。次回をお楽しみに。
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2014.03.07(09:09)|シンキングメソッドコメント(0)トラックバック(0)TOP↑
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