こんにちは。伊藤です。
東京の花粉は相当厳しい休日となっているのですが、みなさんはいかがお過ごしでしょうか。
今日はイノベーションのジレンマについて少し書きます。
イノベーションのジレンマは有名すぎるぐらいに有名ですが、
少し説明してみましょう。
過去にイノベーションを起こして成功した企業は、
新たな環境変化に対応できず、次のイノベーションには乗り遅れてしまう、ぐらいで理解しておけばいいかと思います。
しかし、なぜイノベーションを起こした企業が、
次のイノベーションに乗り遅れるのか?
今回もバリューとパワーで見てみましょう。
顧客は経験によって価値観を変えていきます。
そうすると、バリューは常に常に変わって行きます。
しかし、ビジネスというのは、バリューをいかにコピーして1つ1つの商品として、サービスとしてローコストで複製することで成立します。同じことをひたすらやれ、というパワーが企業内で行使されます。
同じことをひたすら効率的にやることで価値を複製する。
しかし、バリューは常に変わっていく。
ただ、顧客が求めるバリューは劇的に変わるというよりは、少しずつ、少しずつ変わっていく。
顧客が求める価値と、企業が提供する商品の価値のずれが大きくずれてきた時、顧客の求める新たな価値を提供する企業が出てきた時に、なかなか転換できない。
それはなぜか?と言えば、別にこれまでの商品でもそれなりに売れるし、これまでの商品のほうが、設備の償却が終わっていたりして、コストが低い。だから、なかなか新たな価値のほうに対応しにくい。
社内的には、同じことをずっとやってきて、その商品を守ることが、自分たちの部門を守ることになる社員たちが出てくる。同じ価値を複製する時には都合が良かったこの人たちの商品へのロイヤリティが、逆に邪魔になってしまう。
社内で、新たな価値にシフトするプロジェクトを立ち上げたりすると、旧来の主力商品の担当部門と対立が生じます。
「夜道を歩くときは気をつけろよ!」ぐらいな関係になります。
まあ、自然ですよね。
わかりやすい話で言えば、サントリーがハイボールでがっぽがっぽ儲けている時に、他社はなぜすぐに追随できなかったかと言えば、ビール事業の連中が足を引っ張ったから、と言われていますよね。
ビール会社では、ビール担当が偉い。まあ、当たり前です。そして、相当なパワーをビール担当が持っている。
それが、ハイボールなるものを売りたいという連中がいて、ビールを食い合う可能性がある。そりゃあ、許すまじ!となりますよ。
これは過去の成功が大きな成功であればあるほど、難しい。
これはバリューの論点で正しい解が出せても、パワーの論点で正しい解が出せない、もしくは実行しずらいというのがあって、困るわけです。
わかっちゃいても、難しい。
昔は、イノベーションのジレンマについて、「わかっちゃいるけど」は共有されていたような気がしますが、最近は「イノベーションのジレンマが起きるなんて、当事者はダメだよねー」という論調も見かけるような気がするので、とりあえずわかっちゃいるけど、というところまで書いてみました。
それでは今日はこのあたりで。
次回をお楽しみに。
東京の花粉は相当厳しい休日となっているのですが、みなさんはいかがお過ごしでしょうか。
今日はイノベーションのジレンマについて少し書きます。
イノベーションのジレンマは有名すぎるぐらいに有名ですが、
少し説明してみましょう。
過去にイノベーションを起こして成功した企業は、
新たな環境変化に対応できず、次のイノベーションには乗り遅れてしまう、ぐらいで理解しておけばいいかと思います。
しかし、なぜイノベーションを起こした企業が、
次のイノベーションに乗り遅れるのか?
今回もバリューとパワーで見てみましょう。
顧客は経験によって価値観を変えていきます。
そうすると、バリューは常に常に変わって行きます。
しかし、ビジネスというのは、バリューをいかにコピーして1つ1つの商品として、サービスとしてローコストで複製することで成立します。同じことをひたすらやれ、というパワーが企業内で行使されます。
同じことをひたすら効率的にやることで価値を複製する。
しかし、バリューは常に変わっていく。
ただ、顧客が求めるバリューは劇的に変わるというよりは、少しずつ、少しずつ変わっていく。
顧客が求める価値と、企業が提供する商品の価値のずれが大きくずれてきた時、顧客の求める新たな価値を提供する企業が出てきた時に、なかなか転換できない。
それはなぜか?と言えば、別にこれまでの商品でもそれなりに売れるし、これまでの商品のほうが、設備の償却が終わっていたりして、コストが低い。だから、なかなか新たな価値のほうに対応しにくい。
社内的には、同じことをずっとやってきて、その商品を守ることが、自分たちの部門を守ることになる社員たちが出てくる。同じ価値を複製する時には都合が良かったこの人たちの商品へのロイヤリティが、逆に邪魔になってしまう。
社内で、新たな価値にシフトするプロジェクトを立ち上げたりすると、旧来の主力商品の担当部門と対立が生じます。
「夜道を歩くときは気をつけろよ!」ぐらいな関係になります。
まあ、自然ですよね。
わかりやすい話で言えば、サントリーがハイボールでがっぽがっぽ儲けている時に、他社はなぜすぐに追随できなかったかと言えば、ビール事業の連中が足を引っ張ったから、と言われていますよね。
ビール会社では、ビール担当が偉い。まあ、当たり前です。そして、相当なパワーをビール担当が持っている。
それが、ハイボールなるものを売りたいという連中がいて、ビールを食い合う可能性がある。そりゃあ、許すまじ!となりますよ。
これは過去の成功が大きな成功であればあるほど、難しい。
これはバリューの論点で正しい解が出せても、パワーの論点で正しい解が出せない、もしくは実行しずらいというのがあって、困るわけです。
わかっちゃいても、難しい。
昔は、イノベーションのジレンマについて、「わかっちゃいるけど」は共有されていたような気がしますが、最近は「イノベーションのジレンマが起きるなんて、当事者はダメだよねー」という論調も見かけるような気がするので、とりあえずわかっちゃいるけど、というところまで書いてみました。
それでは今日はこのあたりで。
次回をお楽しみに。
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