大学にいるんで、けっこう相談に来る学生がいます。
それでね、最近多いのは、「人脈を作りたい!」「Win-Winの関係を作って・・・」「信頼関係を初対面でも作るんです!」とか。
でね、なんて言おうかなあ、と思ったりするんですよ。
私はたまたま授業をやっていて、いろんな会社の人を呼んでいます。
三菱商事、SAP、ヒューレットパッカード、新日鐵などなど・・・。
そうすると、聞かれるんですよ。「人脈を作るにはどうするんですか?」とかね。
うーん。
最近、こういうことを聞かれた時に話すことを書いてみます。
とある、私の友人で、私が思うにすごい「人脈」があるのですが、彼のエピソードを話します。
彼はそれほど頭がいいわけではない。筆記試験とか得意じゃない。
ちなみに、私はSPI受けたりすると、筆記試験で満点で1位とか、そういうことになります。自慢です・・・。ごめんなさい。でも、彼はそういうのは得意じゃないけど、人脈がある。
彼が就職活動をしていた時、説明会の後、筆記試験があったそうです。筆記試験なんてわかんねーよ。クソが・・・。鉛筆ころがそーかなー、と彼がやっていて、いざ用紙を回収することになった時、隣に座っていた友人が、「おい、写せ!」と回答用紙を見せてきたので、彼は必死で写し、筆記試験を通過しました・・・。
まあ、いいことではないですし、彼はその会社には行きませんでしたが・・・。
でもね、みんなが彼を助けてあげたくなるんです。
それでね、「人脈の重要性とか、人脈の作り方を学んだ!」とか言う学生も相談に来ます。どこで何を学んだのかは敢えて聞きませんけどね・・・。
そういう人が「東北のボランティアを企画して、みんなに声をかけたけど、全然来ない。首都大の学生は意識が低いんだ!」と言っていました・・・。なんて言ってあげようか迷いました。
さすがに初対面の人に「みんなの意識が低いんじゃなくて、あなたを助けたいと思う人が少ないんじゃない?」とは言えないですからね・・・。
説明会で試験を写せ!と言われた彼は、別に頼んだりしていない。でも、周りの人は彼を助けてあげたくなる。彼の頼みを聞いてあげたくなってしまうんです。
ボランティアを企画して、みんなにそっぽを向かれた彼は、彼を助けたいと思う人がきっと少ない。
私も企業の方をお呼びしていますが、お願いして、「仕方ないな、やってやるか」と思って頂いて、お願いを聞いていただいているんです。
それだけですよ。
でね、私には人脈なんてないですよ。彼に比べれば全くない。
ただ、正論を意識高く振りかざし、それに呼応してくれない人を意識が低いと言うよりは、自分に頼まれたら、仕方ないけどやってやるかと思って頂ける人になろうとしたほうが生産的じゃないですかね?
そのための道のりとしては、道徳的には修身とか、そういう話になる。日本社会ではそっちのほうが強いでしょう。メリットのあるオファーというお話が米国的にはあるでしょうけどね・・・。
Win-Winというのは、日本的にはこの人に貸しを作って意味があるかとかでしょ・・・。頼んでいる段階では個人レベルではWin-Winにならんでしょ・・・。ビジネスではお互いにどれぐらいリソースを突っ込んで何をして、分け前の配分がこれぐらいという話でWin-Winがありますけど。
伝わりますかね?
お返しができるレベルの技能みたいなもんがあるなら、お願いも受容してもらいやすいでしょうね・・・。
超越的な理念みたいなもんで日本人を動かそうとするのは、けっこう難しいというか、実態に即してないですよ・・・。クリスチャンなら別ですが・・・。
このあたりの文化・慣習の話を始めると、1年分ぐらい講義ができそうなので深入りはやめますが。
人脈があるという状態になろうとしたら、自分の能力を磨くか、こいつに頼まれたら仕方ないかと思われる人になるために、身を修めるか、ぐらいでしょう。いわゆる人望というやつです。
人脈を作ろうとするなら、能力を磨くか、人望がある人になる努力をしてね、というところです。
それでは今日はこれぐらいで。学生ネタでごめんなさい。次回はちゃんと書きます。
それでね、最近多いのは、「人脈を作りたい!」「Win-Winの関係を作って・・・」「信頼関係を初対面でも作るんです!」とか。
でね、なんて言おうかなあ、と思ったりするんですよ。
私はたまたま授業をやっていて、いろんな会社の人を呼んでいます。
三菱商事、SAP、ヒューレットパッカード、新日鐵などなど・・・。
そうすると、聞かれるんですよ。「人脈を作るにはどうするんですか?」とかね。
うーん。
最近、こういうことを聞かれた時に話すことを書いてみます。
とある、私の友人で、私が思うにすごい「人脈」があるのですが、彼のエピソードを話します。
彼はそれほど頭がいいわけではない。筆記試験とか得意じゃない。
ちなみに、私はSPI受けたりすると、筆記試験で満点で1位とか、そういうことになります。自慢です・・・。ごめんなさい。でも、彼はそういうのは得意じゃないけど、人脈がある。
彼が就職活動をしていた時、説明会の後、筆記試験があったそうです。筆記試験なんてわかんねーよ。クソが・・・。鉛筆ころがそーかなー、と彼がやっていて、いざ用紙を回収することになった時、隣に座っていた友人が、「おい、写せ!」と回答用紙を見せてきたので、彼は必死で写し、筆記試験を通過しました・・・。
まあ、いいことではないですし、彼はその会社には行きませんでしたが・・・。
でもね、みんなが彼を助けてあげたくなるんです。
それでね、「人脈の重要性とか、人脈の作り方を学んだ!」とか言う学生も相談に来ます。どこで何を学んだのかは敢えて聞きませんけどね・・・。
そういう人が「東北のボランティアを企画して、みんなに声をかけたけど、全然来ない。首都大の学生は意識が低いんだ!」と言っていました・・・。なんて言ってあげようか迷いました。
さすがに初対面の人に「みんなの意識が低いんじゃなくて、あなたを助けたいと思う人が少ないんじゃない?」とは言えないですからね・・・。
説明会で試験を写せ!と言われた彼は、別に頼んだりしていない。でも、周りの人は彼を助けてあげたくなる。彼の頼みを聞いてあげたくなってしまうんです。
ボランティアを企画して、みんなにそっぽを向かれた彼は、彼を助けたいと思う人がきっと少ない。
私も企業の方をお呼びしていますが、お願いして、「仕方ないな、やってやるか」と思って頂いて、お願いを聞いていただいているんです。
それだけですよ。
でね、私には人脈なんてないですよ。彼に比べれば全くない。
ただ、正論を意識高く振りかざし、それに呼応してくれない人を意識が低いと言うよりは、自分に頼まれたら、仕方ないけどやってやるかと思って頂ける人になろうとしたほうが生産的じゃないですかね?
そのための道のりとしては、道徳的には修身とか、そういう話になる。日本社会ではそっちのほうが強いでしょう。メリットのあるオファーというお話が米国的にはあるでしょうけどね・・・。
Win-Winというのは、日本的にはこの人に貸しを作って意味があるかとかでしょ・・・。頼んでいる段階では個人レベルではWin-Winにならんでしょ・・・。ビジネスではお互いにどれぐらいリソースを突っ込んで何をして、分け前の配分がこれぐらいという話でWin-Winがありますけど。
伝わりますかね?
お返しができるレベルの技能みたいなもんがあるなら、お願いも受容してもらいやすいでしょうね・・・。
超越的な理念みたいなもんで日本人を動かそうとするのは、けっこう難しいというか、実態に即してないですよ・・・。クリスチャンなら別ですが・・・。
このあたりの文化・慣習の話を始めると、1年分ぐらい講義ができそうなので深入りはやめますが。
人脈があるという状態になろうとしたら、自分の能力を磨くか、こいつに頼まれたら仕方ないかと思われる人になるために、身を修めるか、ぐらいでしょう。いわゆる人望というやつです。
人脈を作ろうとするなら、能力を磨くか、人望がある人になる努力をしてね、というところです。
それでは今日はこれぐらいで。学生ネタでごめんなさい。次回はちゃんと書きます。
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