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インサイト100戦略
> 『ロゴぐらい簡単に作れるでしょ』と『ビジョンぐらい簡単に作れるでしょ』
 デザイナーの転職サイトのコピーに『ロゴぐらい簡単に作れるでしょ』、身に覚えがあれば〇〇.JPというものがありました。これに似たセリフに、『ビジョンぐらい簡単に作れるでしょ』があるよなあ・・・、と思いました。

 ビジョンは、経営者が納得すればそれでいい面もあるのですが、ビジネスコンセプトそのものに近いので、ビジネスにクリティカルな社会の変化や社会の課題認識とそれに対するなんらかのインサイトがないときついですよね・・・・。

 私がコンサルタントをやっている課題認識は『ビジネスナレッジって軽視されるもんですよね』とか、『人は甘い話に弱くて、自分のビジネスに参照する文献を間違えますよね』といった感じです。何を参照しても自分の頭で考えるしかないわけですけど・・・。

 著名な外人さんの格言家は、ブランディングの文脈に使われます。

 この人と共著で書いている俺ってすごいマーケターみたいなプレゼンスメイキングに使われ始めたら『終わっている』と思ったほうがいいでしょう・・・。今月のHBRはそうでしたね・・・。

 HBR自体がいいか悪いかは別として、その人がHBRに現役で書いてた頃はいつですか?というのを踏まえれば、今、使えるか使えないかはわかりそうなもんなんですけどね・・・。

 経営学も、経済学も、社会学でもそれなりに進歩しているので、その知見を踏まえるというのは、けっこう大事なことだと思います。

 そういう人類の叡智みたいなもんを、経営者がビジネスに活かすようになれば、もっと世の中がましになるだろうなあと思っていて、そのお手伝いができればいたしますよ、というのが弊社のビジョンなわけです。

 最近の企業だと、技術革新やら、社会の変化やら、グローバリゼーションをどう捉えるかはけっこう難しいですよね。薄い知見で何かを言おうとすると、かっこいいビジョンにならない。

 ちゃんとしたデザイナーが作ったロゴと、その辺の人が作ったロゴの違いぐらいに、ビジョンが違ってくるわけですね。情報社会の捉え方とか、グローバリゼーションとか、自由・平等とか、そういったものにインサイトがないとちゃんとしたビジョンにはならないでしょう。

 例えばね、パーソナライズビジネスみたいなものがあったとしましょう。この会社がビジョンを作ろうとする。昔から、ワントゥーワンマーケティングというのは、さも真のことのように喧伝されてきました。これからは一人一人のニーズに対応するんだ!と。これだけで行こうとすると、薄っぺらいビジョンになる。

 なぜかと言えば、一人だけが欲しい何かって本当にあるんですかね?という問いに答えられていないからです。

 人権とかそういった観点からは一人一人を尊重するというのが素晴らしいことには見えますが、自分だけが欲しい何かって本当にあるの?と問うと、意外とこれはみんな欲しいよなとか、これはあの人も欲しいだろうとか、そういうことになってきます。

 なぜか、人にはある程度共通して欲する何かがある。

 だから、ビジネスというか、組織化した生産活動というものが大規模化して、今の企業社会のベースが作られた面があるわけです。

 こういう『みんなが共通で思うことというのがある程度ある』ということを共同主観と言ったりします。

 ただ、この共同主観は文化によって少しずつ違います。虹の色が5色の文化もあれば、7色の文化もある。育った文化圏で世界の見え方が違うわけです。

 この違いへの対応が、ローカリゼーションだったりするわけですよね。

 というようなことを踏まえて、パーソナライズ商品の価値って何だろう?と考えないといかんわけですよ。こういった現実を踏まえてそれでもパーソナライズは意味があると言える何かがあるほうが重厚なビジョンになるわけです。宗教の教義みたいなもんですね。

 これを社内でちゃっちゃか個人の担当者が作れると思うほうが間違っていますよね・・・。

 『ビジョンぐらい簡単に作れるでしょ』は転職理由になっちゃうわけですね。金と時間はかかりますよ、と。

 長くなってきたのでこのあたりで。次回をお楽しみに。

 
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2014.10.07(20:34)|戦略コメント(0)トラックバック(0)TOP↑
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・過去に人類が考えてきたこと(Thought)を蓄積し、そこから鋭い洞察(Insight)を生み出し、その洞察がまた、Thoughtの一部になっていくプロセスを回していくこと。そのプロセスが社会のナレッジ量を増加させ、全ての価値を生み出すことを認識すること

・先人の知恵に対する敬意を払い、学び続けること。ナレッジの自己への入力量が自身の考える能力を向上させ、社会のナレッジ量を増加させることを知ること

・社会のビジネスナレッジの偏在を正すことを目指すこと。そのために社会の構成員であるクライアントに対してビジネスナレッジを提供すること

・ビジネスナレッジの偏在を利用する悪貨たる企業を駆逐する良貨たらんとすること。そのために偏在を利用する企業以上のマーケティング力を持つこと。そして、提供したナレッジに見合った対価をクライアントから頂き収益を上げ、成長していくこと

・社会に対する志を持つ企業、個人をクライアントとすること。例え儲かるとしても、志を持たない企業、個人をクライアントとしないこと

・クライアントの成長を望むこと。具体的な解の提示よりも、その解を出すプロセスをシェアすることにより、クライアント自身がプロセスを組みなおし、異なった解を出す力を増加させることに重きを置くこと

・抽象的な理論のレイヤから、クライアントサイドの具体へと寄っていくこと。ただし、その過程でクライアントにも具体のレイヤから抽象のレイヤに寄ってもらうこと。その上で、中間のレイヤでクライアントと共に新しいナレッジを生み出していくこと
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