経営戦略について聞く場面は、近年のビジネスパーソンであれば日常的にあるでしょう。今回はそういった話題を聞くときに2つの視点をわかっておきたいということを確認します。
経営戦略と言う言葉が意味するものは、話し手によってさまざまですが、大きく2つの視点から語られていることが多いです。その話が2つの視点のどちらの話なのかを理解して聞くことが重要になってくるわけです。
その2つの視点とは、資源配分の視点と、価値の提供の視点です。
まず、『資源配分』の視点とは何かを見ていきましょう。
経営戦略は、経営を戦いを見なすわけですが、無限の資源があるケースはないでしょう。お互いに資源には限りがあり、その制約の中で最大限の効果を上げようとするわけです。
少しでも成果の出るところに資源を配分したいと企業・組織は思うわけです。すごく単純な例でいえば、100万円の予算があった場合に、リスティング広告とダイレクトメールの2つの手段があったとして、どちらにいくらずつ使えば最大の集客ができるのか?ということが考えられます。
また、当社がラーメンとカレーを売っていた時に、10人いる営業マンをどちらに何人ずつ配置すればいいのか?も問題になってくるでしょう。
こういった資源配分の最適化をしようとする視点が戦略と名前のつくお話には出てきます。
この視点が分かっていると、なぜ内部環境の話を『経営戦略』と称してしているのかがわかってきます。
『業務改革』は必ずしも戦略論点とは言えないことが多いのですが、限られた資源の中で、投入資源を変えずに、もしくは減らしながら同じ成果をあげられるような業務プロセスを作ろう!という意味では、資源使用の効率化とみなすことができ、資源配分に影響を与えるという意味で戦略的と言えるかもしれません。
もう1つの視点は『価値の提供』の視点です。
価値というのは、『お客さんが欲しいと思う何か』です。『お客さんが欲しいと思う何か』を作って売っているので、当社は企業として存続できているわけです。
このお客さんが欲しいと思う何かを作って売るというのが、価値の提供ということになります。
そうすると、『お客さんが欲しいと思う何かは何なのか?』という問いに答えるのも、戦略的と言えます。
コトラー的には、お客さんはドリルが欲しいんじゃない、穴が欲しいんだ!というのは有名ですよね・・・。
ただ、ドリルを買う人のすべてが穴が欲しいかどうかは議論の余地があります。ひょっとしたら、何かを壊す用途でドリルを買う人がいるかもしれません。
すると、ドリルじゃなくて、破砕機などを出したら今のお客さんに売れるかもしれないというのも、議論になるかもしれません。
こういうお客さんが欲しいことにまつわるようないわゆるマーケティング関連の議論も経営戦略と称して行われることがあります。
それで、そのお客さんが欲しい何かをどう提供するか?も問題にされることがあります。どういうプロセスで量産するの?とかね。
そのプロセスが少しずつお客さんが価値だと思うものを作っているとして、プロセスごとに費用対効果を見てみて、費用対効果が低いプロセス、お客さんが感じる価値が低いプロセスは削ったりしよう!となる。これはブルーオーシャン戦略の考え方ですよね。
プロセスごとに少しずつ価値を作っているという考え方はバリューチェーンです。
最後に少し難しいですが、お客さんに当社が提供している価値は、他の会社が提供している価値によって見え方が少しずつ変わってきますよね。
例えばね、自分がハンカチを1つ500円で売っていたとします。ティッシュペーパーというものが100枚入り10円で売られ始めた。そうすると、ハンカチはちょっとした汚れをふき取るという部分ではティッシュペーパーにとって代わられるかもしれない。
すると、デザイン的に可愛らしいハンカチにして、ファッションアイテムとしての用途を検討するようになるかもしれません。もしくは、自社のハンカチが木綿でできていたとして、シルクのハンカチを500円で売る会社が現れた。そうすると、シルクのほうがいいと思う人たちも出てきた。売上が減った。どうしよう?とか。
こういうお客さんが感じる価値が、別の会社が提供する価値によっていろいろと影響が受けるお話も経営戦略という話題の中に入ってきます。
まとめると、経営戦略のお話を聞くときの2つの視点とは、
①資源配分の視点
②価値提供の視点
の大きく2つで、社内の資源をどう効率的に、効果的に配分しよう?というところと、お客さんが感じる価値は何で、それをどう提供して、それは他社が提供する価値でどう変わるだろう?というところがあるということです。
それでは今日はこのあたりで。
次回をお楽しみに。
経営戦略と言う言葉が意味するものは、話し手によってさまざまですが、大きく2つの視点から語られていることが多いです。その話が2つの視点のどちらの話なのかを理解して聞くことが重要になってくるわけです。
その2つの視点とは、資源配分の視点と、価値の提供の視点です。
まず、『資源配分』の視点とは何かを見ていきましょう。
経営戦略は、経営を戦いを見なすわけですが、無限の資源があるケースはないでしょう。お互いに資源には限りがあり、その制約の中で最大限の効果を上げようとするわけです。
少しでも成果の出るところに資源を配分したいと企業・組織は思うわけです。すごく単純な例でいえば、100万円の予算があった場合に、リスティング広告とダイレクトメールの2つの手段があったとして、どちらにいくらずつ使えば最大の集客ができるのか?ということが考えられます。
また、当社がラーメンとカレーを売っていた時に、10人いる営業マンをどちらに何人ずつ配置すればいいのか?も問題になってくるでしょう。
こういった資源配分の最適化をしようとする視点が戦略と名前のつくお話には出てきます。
この視点が分かっていると、なぜ内部環境の話を『経営戦略』と称してしているのかがわかってきます。
『業務改革』は必ずしも戦略論点とは言えないことが多いのですが、限られた資源の中で、投入資源を変えずに、もしくは減らしながら同じ成果をあげられるような業務プロセスを作ろう!という意味では、資源使用の効率化とみなすことができ、資源配分に影響を与えるという意味で戦略的と言えるかもしれません。
もう1つの視点は『価値の提供』の視点です。
価値というのは、『お客さんが欲しいと思う何か』です。『お客さんが欲しいと思う何か』を作って売っているので、当社は企業として存続できているわけです。
このお客さんが欲しいと思う何かを作って売るというのが、価値の提供ということになります。
そうすると、『お客さんが欲しいと思う何かは何なのか?』という問いに答えるのも、戦略的と言えます。
コトラー的には、お客さんはドリルが欲しいんじゃない、穴が欲しいんだ!というのは有名ですよね・・・。
ただ、ドリルを買う人のすべてが穴が欲しいかどうかは議論の余地があります。ひょっとしたら、何かを壊す用途でドリルを買う人がいるかもしれません。
すると、ドリルじゃなくて、破砕機などを出したら今のお客さんに売れるかもしれないというのも、議論になるかもしれません。
こういうお客さんが欲しいことにまつわるようないわゆるマーケティング関連の議論も経営戦略と称して行われることがあります。
それで、そのお客さんが欲しい何かをどう提供するか?も問題にされることがあります。どういうプロセスで量産するの?とかね。
そのプロセスが少しずつお客さんが価値だと思うものを作っているとして、プロセスごとに費用対効果を見てみて、費用対効果が低いプロセス、お客さんが感じる価値が低いプロセスは削ったりしよう!となる。これはブルーオーシャン戦略の考え方ですよね。
プロセスごとに少しずつ価値を作っているという考え方はバリューチェーンです。
最後に少し難しいですが、お客さんに当社が提供している価値は、他の会社が提供している価値によって見え方が少しずつ変わってきますよね。
例えばね、自分がハンカチを1つ500円で売っていたとします。ティッシュペーパーというものが100枚入り10円で売られ始めた。そうすると、ハンカチはちょっとした汚れをふき取るという部分ではティッシュペーパーにとって代わられるかもしれない。
すると、デザイン的に可愛らしいハンカチにして、ファッションアイテムとしての用途を検討するようになるかもしれません。もしくは、自社のハンカチが木綿でできていたとして、シルクのハンカチを500円で売る会社が現れた。そうすると、シルクのほうがいいと思う人たちも出てきた。売上が減った。どうしよう?とか。
こういうお客さんが感じる価値が、別の会社が提供する価値によっていろいろと影響が受けるお話も経営戦略という話題の中に入ってきます。
まとめると、経営戦略のお話を聞くときの2つの視点とは、
①資源配分の視点
②価値提供の視点
の大きく2つで、社内の資源をどう効率的に、効果的に配分しよう?というところと、お客さんが感じる価値は何で、それをどう提供して、それは他社が提供する価値でどう変わるだろう?というところがあるということです。
それでは今日はこのあたりで。
次回をお楽しみに。
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