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> ゲマインシャフトと共同体/農村がブラック企業の起源では?
おはようございます。伊藤です。

今朝の東京は晴れ渡っています。
日光が強すぎるぐらいです。

さて、今日は以前にも書いたかもしれませんが、
「共同体」についてです。

近代ドイツ人などの文章で共同体と言うと、
日本人がイメージする共同体とは少し意味が違います。

共同体はいわゆるゲマインシャフト、農村の地縁血縁共同体のことです。
これはビュルガリッヒゲゼルシャフトの反対語です。

つまりブルジョア社会、市民社会の反対語なのです。

ヘーゲルは都市が工業化で工場労働者が必要になると、
農村共同体を捨てて、人々は都市に出てくる。そこで形成されるのが、
ブルジョア社会だと言いました。

マルクスもそう考えていますね。

つまり、都市における市民社会との対極としての
農村共同体なわけです。

農村共同体では、人は土地に縛りつけられています。
伝統的な農業の生産力は大きくはないので、なかなか食えません。

ただ、「共同体を失うことが病理の始まり」というような
主張をする人はたくさんいました。

極論すると、資本主義に伴って成立する市民社会が人々の病理を作り出している!
といったことは多くの人が言ったわけです。

農村で精神的に病んでいる人はいないじゃないか!と。

いえ、居ても働かないので村から叩き出されていますよ・・・、と
私は言いたいですが、こういうことを言うと怒られます。

農村などの原始的共同体を極度に理想化する思想は
ルソーを代表としてなかなか強力です。

でもね、農村の間引きや子殺しは有名なんですけどね。
河童も座敷童も、子殺しの後ろめたさから出てきた妖怪ですよ・・・。

農村共同体では失業者や異常者は顕在化しません。
村から叩き出されて死んでしまいますからね。

しかし、都市においては浮浪者として顕在化します。
精神病者も顕在化しますよね。だから、公共的になんとかしようとなる。

私は資本主義社会のほうがずっとマシだと思うんですけどね。

富岡製糸場がブラック企業の元祖だとおっしゃる方がいましたが、
違いますよね。

富岡製糸場で罰金ばかりで大変だった人も、
「農村に戻るよりはましだ」と言っていたというのは有名です。

当然、富岡製糸場で成功した労働者は故郷に家を買えるレベルまで
豊かになりました。

むしろ、農村がブラック企業の起源じゃないかと思うわけです・・・。
また、怒られますね。

資本主義と市民社会はほぼ不可分に成立している。
そして、市民社会の対義語としての共同体である。

ここは基本的な認識としてわかっておかないと、
ドイツ人が書くことは読めないだろうなあ、と思うわけです。

そう、アドラーをディスっています。
その延長でガタリもディスっていますね・・・。

それでは今日はこのあたりで。
次回をお楽しみに。
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2014.12.17(09:08)|ソーシャルコメント(0)トラックバック(0)TOP↑
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