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インサイト100コンサルティング
> 根本原因という幻想
今日はコンサルティングアプローチについて
やや批判的に書いてみます。

コンサルティングでは、根本原因があるという主張をします。
この根本原因さえ叩けばうまくいくと。

こういうアプローチは説得力がありますし、
若いころは真顔でこれを信じたりするものですが、
コンサルティングをやって長いと、方便だよなあと思ったりします。

問題は常に複合的に起きていて、どの問題にフォーカスするかが問題ではあるわけですが、万能な解決策があるケースはレアです。

「隻腕の経済学者はいないのか?」は有名な話ですが、コンサルタントは常に隻腕であることを演じています。

どういう意味かといえば、米国のトルーマン大統領が経済学者に意見を求めると、
「On the one hand, ・・・ , on the other hand,・・・」と必ず答えたことに由来します。

こういう政策をやると、一方でこういう効果がありますが、また一方でこういう副作用があります。といった意見を必ず言ったということなんですね。

これは誠意がありますよね。

コンサルタントは誠意がないとも言えます。「こういうことをやればいいんですよ!」と言うのが仕事だったりするわけです。
私はどちらかと言えば、「根本原因はこれです!」と言わないほうですけどね。

ただ、決裁者の背中押しをして、サーティファイされるということが大事な場合もあるわけです。そういう意味ではこれをやればいいんだ!という主張が必要ではあるわけです。そのニーズに合致することは、サービス提供者としては必要ですからね。

でもね、このアプローチを信じ込むと、恥をかくんですよね・・・。「日銀がお金を刷れば万事うまくいきます!」とか言っちゃうわけです。

当然、大衆がそういった万能の薬を求めていることも確かでしょうし、企業経営者もそういったものを求めているのも確かです。

大衆はそういった幻想にすがりついたり、そもそもそういったものしか理解できなかったりするでしょうし、企業経営者は方便としてそういったものを求めます。社員を前を向かせないといけないからですね。

この根本原因を信じ込んでいるのと、方便と割り切るのとで、コンサルティングクオリティーはだいぶ違うと思います。所詮方便ですが、信じ込んだ風でプレゼンしないと、みんなが前を向いて実行できる状態にはならない。

根本原因以外にも、いくつか想定すべき要素があって、それも踏まえないといけないので、それをいかに踏まえて実行するかに心を砕かないと、実行フェーズではうまくいかないでしょうけどね・・・。実行のフェーズでは紙にはかけないことが山ほどあります。

何事も盲信したり、振りかざしたりしないことが、コンサルタントとしては大事だと思っています。プロモーション上は振りかざさないといわゆる大衆には売れないかもしれませんけどね。

それでは今日はこのあたりで。
次回をお楽しみに。
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2014.12.31(09:39)|コンサルティングコメント(0)トラックバック(0)TOP↑
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