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> 設備投資の失敗を人的資源の努力でなんとかするのを美談にしないほうがいいと思う
 ブログは基本的にnote(https://note.mu/tatsuo_ito)に移行しているので、こちらにはあんまりちゃんとしたことを書いていません。ごめんなさい。今日はメルマガの転載です。メルマガの登録はhttp://www.taii.jp/からお願いします。

 こんにちは。伊藤です。
 毎週メールマガジンが書けていますね。土日は街が混むので、事務所に籠っていて、メールマガジンを書くにはいいのです。

 さて、今日は情報システム導入みたいなお話を書いてみようと思います。

 よくある話だと思いますが、とある会社が倉庫で先入れ先出しを採用しています。先に入れたやつを先に出して売り場に出す、というやつです。古い順に売られていくので、そうすることは意味がありますね。

 それでね、会計上、経理上は先入れ先出しで処理しているけれど、実際にはどうなっているかよく分からないというケースはよくあります・・・。こういう領域に触れたことがない人は、「怖い」と思うかもしれませんね。しかし、割といい加減なものなのです。

 それでね、とある会社の経営陣が、情報システムを入れて、先入れ先出し業務を徹底しよう!となったのですが、現場に導入するときに、現場の人が「こんな業務は無理」と言ってきた。

 システム屋さんは、「現場を押し切れない経営が情けない」と言っていて、
 経営サイドは、「システム屋さんがちゃんとできていないからだ」と言っていました・・・。

 私が思ったのは、倉庫の広さとか、形状的に先入れ先出しオペレーションをやるのが、かなり厳しいだなあ、ということですね。

 もしも、先入れ先出しを入れたいなら、倉庫を移転して、先入れ先出しができるような倉庫への荷物搬入保管搬出オペレーションとそれにあった内装が必要です。その投資を全くせずに、今の狭い倉庫で業務だけ変えろと言っても、なかなか無理があります。

 それは、管理システムを変えたところで、物理的な倉庫の形状が変わらないと難しいだろうなあ、と。

 情報システムへの投資だけで倉庫業務が変えられるわけもなく、倉庫の大きさから形状、その内装、搬入と搬出、保管方法を考えた上で、それに合わせたシステムを作って、従業員をトレーニングして、ようやく実現できるでしょうね。

 設備を変えずに、現場の人員の負荷を高めればなんとかなる、みたいな発想が多くて困ります。

 オフィスレイアウトも、レイアウト会社が業務を気にせずにやるケースが多々ありますよね。いわゆるフリーアドレスありきとかでレイアウトデザインすると、かっこいいだけで仕事の生産性が高まらないオフィスが出来上がります・・・。そういうの、やめたほうがいいと思うのですけどね。

 業務がきっちり定義できていて、それと物理的な空間制約が合わさって、オフィスのデザインが決まってくると思うんですけどね。なかなかそうもいかないものでして。

 ちゃんと、業務デザインができるオフィスデザインの会社があれば、儲かる気がしますし、業務デザインやっているなら、オフィスデザインもやればいいのにと思ったりするのですが、そんな会社はなかなかありません。

 あと、やろうとしても、人的リソースがなくてできないでしょうね。デザイン能力が一般的なオフィスデザインをやる人の能力を超えています・・・。私はできるでしょうけどね(爆)。仕事があるならくださいね(笑)。

 それでね、これは売り場デザインやら、プロダクトの使用デザインともからむお話です。たとえばね、内装投資に失敗しているカフェ、心地よくないデザイン、働きにくいデザイン、そういうカフェがあったとして、行かないですよね。しかし、店側は内装はそのままにバイトに必死の呼び込みをさせる。

 なんとか人が入ってくれるけれど、結局、リピーターにならないので、呼び込み用の人を雇わないといけない。みんなで呼び込んだ体験が美談になったりする。これ、本当によくありますよね。設計、投資の失敗を人的資源でなんとかして、それを美しい話にしてしまう。それじゃあダメですよね。

 そうするとね、デザインという意味では、業務もマーケティングも大差ないよなあといつも思っています。考えるときにわざわざ違う枠組みで考えたりしないのですが、あんまり話は通じないですね。宇宙人を見るような目で見られます。

 当然、発生する状況を考えたとして、その優先度設定は、業務とマーケティングでは考え方は多少違うかもしれません。ただ、それはそのときのエコシステム全体のボトルネックに依存しているように私は思っています。

 最近は、またしてもビジネスモデルブームが起こっていますが、状況と体験ベースで考えると、エコシステムまでの連続的記述が可能だと思っています。

 そりゃあね、業務から連続して描けないビジネスモデル、エコシステムなんて無価値ですよね。それでね、なんでエコシステムを記述しないといけないかと言えば、どこからどこに何を源泉として補完性が働き、ネットワーク効果等のいわゆる経済効果が生じるか?ということを理解しないといけなくなってきたからでしょうね。

 業務屋さんだろうが、レイアウトデザイナーだろうが、プロダクトデザイナーだろうが、連続的に捉えられる方が、強いビジネスモデルを組めるだろうと思うわけですが、実現の道のりは遠いですね。

 オフィス、使いやすいですか?自社の固有業務にあったオフィスデザインになってますか?使い勝手のいい倉庫やら売り場のバックヤードになってますか?買い物が楽しい売り場になってますか?使いやすくて、使い続けたくなるプロダクトになってますか?

 ということを考えると、全くなっていないことが多いので、なんともかんとも、という感じですよね。根は共通しているように思います。設計を軽視して、現場の人力でなんとかしようとし過ぎです。

 そのときの起点はなんども書いているように状況であり、体験ですね。このデザインが最も大事になってきているわけです。そして、現実空間は、情報空間と混ざり合い、AR的になっている。

 この現実を踏まえられるかどうかが、大事だよなあと思っています。それでは今日はこのあたりで。次回をお楽しみに。
 
 
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2019.07.24(14:10)|ポエムコメント(0)トラックバック(0)TOP↑
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