昨日に引き続き、手抜きシリーズ。ベストセラー100本斬りの2本目。インサイトナウからの転用です・・・。このシリーズ、いつまで続けようか?記事はhttp://www.insightnow.jp/article/1205ですね・・・。
一度、水野さんとはお会いしたことはあるんですが、ごく普通な感じのする方だったんですけどね。1億円プロジェクトという会社名が印象的でした・・・。
1億円プロジェクトの水野敬也氏の最新作。処女作「ウケる技術」はベストセラー。DVDの企画、構成を担当した「温厚な上司の怒らせ方」も、マニアからは絶賛されている。DVD「スカイフィッシュの捕まえ方」は私には理解できないエスプリだったが、快進撃を続ける彼が、「成功法則」をエンターテインメント化した本書は、SHIBUYA TSUTAYAの7Fのビジネス書部門で堂々1位となっていました!
本書は、いわゆる「成功法則」本をエンターテインメント化したもので、既に60万部を突破し、テレビドラマ化が決まっているそうです。
一気に読めること、成功のための教えが1つずつ示されることから、あまりサマリー化の意味がないので、サマリーというより、さわりを説明しますと・・・
いわゆる成功者のパーティーに潜り込んだ主人公は、自分との落差に落ち込み、飲んだくれ、目覚める。すると、そこには、関西弁をしゃべるゾウの置物のようなオヤジが寝そべっていて、「覚悟はできとんのか?」と僕に聞く・・・。
彼の名はガネーシャ。インドの神様で、なぜか関西弁をしゃべり、過去の成功者、「ニュートンくん」(アイザック・ニュートン)や、「フォードくん」(ヘンリーフォード)を初めとして、「リンカーンくん」(アブラハムリンカーン)やら、「幸ちゃん」(松下幸之助)などなど、そうそうたる面々をコーチし、成功に導いたらしい。
その彼と、僕は契約し、修行をすることになったのだが・・・。
といったところでしょうか?
この本は、マーケティング的に「うまい」と思わせるポイントが多々あります。
まず、巷には、成功法則本が溢れていて、同じようなことを言っている。過去の偉人の言葉は繰り返し語られる。その実践哲学も。
でも、成功者はそれらの本の発行部数ほど、現れない。
成功法則本を読んでいる人のほとんどは、成功できていないということだと思います。彼らは、成功法則を本当に実践できているのか?と言えば、できていないのでしょう。
「変わりたくて成功法則本を読んでも、変われないよね。でも変わりたいよね?誰か、本当に助けてよ!」そういったインサイトを中心に作られている点は非常に素晴らしいです。
そこで繰り返し語られる成功法則に著作権なんて、ほぼないですよね。過去の偉人がどうした、というお話しを持ってきて、紹介すればいい。
そこからネタを持ってくればいい。ネタには過去の人類の英知が文字通り使える。
「ガネーシャ」が関西弁なのは、児童文学「竜退治の騎士になる方法」のジェラルドが「俺の名前はジェラルド言うねん」という設定にそっくり。
お話しの大部分が僕の部屋の中で展開し、回想で語られるのは、映画「12人の優しい日本人」や、ベストセラー「ソフィーの世界」にそっくり。
ある意味、過去に実績の出ている構造を、うまーく統合できています。
そこを、「温厚な上司の怒らせ方」や、「スカイフィッシュの捕まえ方」で実績がある著者が素晴らしいエスプリでくるんでいる。
でも、おそらく、この本を読んでも変われない人がほとんどかもしれません。多くの成功法則本と同じように。
ただ、この本での指摘ですごく正しいな、と思ったものとしては、
成功法則がいきなり、内面の変化を求めていくのに対し、行動の変化によって、内面を変えていくアプローチが正しいと主張している点ですね。
これは、まさに、今流行の「行動科学」で主張されていることですね。
いきなり「内面を変えろ!、できないのは、モチベーションがないからだ!」と言われても困る、簡単にできることを提示すれば、人はできるんだ、というところです。
心の内面は描写しにくいし、描写しても困るようなことが多いですよね。意識的な部分、無意識的な部分を含めて。だから、小さなアクションから変えていく、その行動が内面に作用する、というモデルのほうが人を変えていく上では強力だと思います。
先日、ご紹介した、「地頭力を鍛える」では、行動を変えようとしても、行動だけに手をつけたら、すぐに元に戻ってしまう。思考回路自体を変えれば、全ての行動が変わる!という主張がありました。
そりゃ、そうなのですが、思考回路自体を変えるのが、思考訓練で、それを変えれば、行動が変わるというアプローチには疑問を抱きました。
コンサルティングファームのように、思考回路のプロトコルの通りに会話しないと、相手にされない場所に24時間近くいるのであれば、確かに、思考回路自体も矯正されやすいでしょうが、そんな空間は、コンサルティングファームの中だけです・・・。
普通の空間で過ごす、普通の意思の力の人にとっては、思考回路を変えるためには、小さな習慣化できる行動を少しずつ加えていくアプローチ、この「夢をかなえるゾウ」で紹介されているアプローチのほうが、正しいと思います。
本書はビジネスマンとして、うまくいくためのことが非常に上手に描かれていますので、ぜひ、ご一読を。
言っていることは画期的な部分は少ないですが、伝え方、伝えるための舞台装置が非常に上手で、より多くの人に伝わるようになっている本だと思います。
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というか、私が「地頭力を鍛える」を嫌いみたいに読めてしまいます・・・。いや、嫌いと言うわけでは・・
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一度、水野さんとはお会いしたことはあるんですが、ごく普通な感じのする方だったんですけどね。1億円プロジェクトという会社名が印象的でした・・・。
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1億円プロジェクトの水野敬也氏の最新作。処女作「ウケる技術」はベストセラー。DVDの企画、構成を担当した「温厚な上司の怒らせ方」も、マニアからは絶賛されている。DVD「スカイフィッシュの捕まえ方」は私には理解できないエスプリだったが、快進撃を続ける彼が、「成功法則」をエンターテインメント化した本書は、SHIBUYA TSUTAYAの7Fのビジネス書部門で堂々1位となっていました!
本書は、いわゆる「成功法則」本をエンターテインメント化したもので、既に60万部を突破し、テレビドラマ化が決まっているそうです。
一気に読めること、成功のための教えが1つずつ示されることから、あまりサマリー化の意味がないので、サマリーというより、さわりを説明しますと・・・
いわゆる成功者のパーティーに潜り込んだ主人公は、自分との落差に落ち込み、飲んだくれ、目覚める。すると、そこには、関西弁をしゃべるゾウの置物のようなオヤジが寝そべっていて、「覚悟はできとんのか?」と僕に聞く・・・。
彼の名はガネーシャ。インドの神様で、なぜか関西弁をしゃべり、過去の成功者、「ニュートンくん」(アイザック・ニュートン)や、「フォードくん」(ヘンリーフォード)を初めとして、「リンカーンくん」(アブラハムリンカーン)やら、「幸ちゃん」(松下幸之助)などなど、そうそうたる面々をコーチし、成功に導いたらしい。
その彼と、僕は契約し、修行をすることになったのだが・・・。
といったところでしょうか?
この本は、マーケティング的に「うまい」と思わせるポイントが多々あります。
まず、巷には、成功法則本が溢れていて、同じようなことを言っている。過去の偉人の言葉は繰り返し語られる。その実践哲学も。
でも、成功者はそれらの本の発行部数ほど、現れない。
成功法則本を読んでいる人のほとんどは、成功できていないということだと思います。彼らは、成功法則を本当に実践できているのか?と言えば、できていないのでしょう。
「変わりたくて成功法則本を読んでも、変われないよね。でも変わりたいよね?誰か、本当に助けてよ!」そういったインサイトを中心に作られている点は非常に素晴らしいです。
そこで繰り返し語られる成功法則に著作権なんて、ほぼないですよね。過去の偉人がどうした、というお話しを持ってきて、紹介すればいい。
そこからネタを持ってくればいい。ネタには過去の人類の英知が文字通り使える。
「ガネーシャ」が関西弁なのは、児童文学「竜退治の騎士になる方法」のジェラルドが「俺の名前はジェラルド言うねん」という設定にそっくり。
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お話しの大部分が僕の部屋の中で展開し、回想で語られるのは、映画「12人の優しい日本人」や、ベストセラー「ソフィーの世界」にそっくり。
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ある意味、過去に実績の出ている構造を、うまーく統合できています。
そこを、「温厚な上司の怒らせ方」や、「スカイフィッシュの捕まえ方」で実績がある著者が素晴らしいエスプリでくるんでいる。
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でも、おそらく、この本を読んでも変われない人がほとんどかもしれません。多くの成功法則本と同じように。
ただ、この本での指摘ですごく正しいな、と思ったものとしては、
成功法則がいきなり、内面の変化を求めていくのに対し、行動の変化によって、内面を変えていくアプローチが正しいと主張している点ですね。
これは、まさに、今流行の「行動科学」で主張されていることですね。
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いきなり「内面を変えろ!、できないのは、モチベーションがないからだ!」と言われても困る、簡単にできることを提示すれば、人はできるんだ、というところです。
心の内面は描写しにくいし、描写しても困るようなことが多いですよね。意識的な部分、無意識的な部分を含めて。だから、小さなアクションから変えていく、その行動が内面に作用する、というモデルのほうが人を変えていく上では強力だと思います。
先日、ご紹介した、「地頭力を鍛える」では、行動を変えようとしても、行動だけに手をつけたら、すぐに元に戻ってしまう。思考回路自体を変えれば、全ての行動が変わる!という主張がありました。
そりゃ、そうなのですが、思考回路自体を変えるのが、思考訓練で、それを変えれば、行動が変わるというアプローチには疑問を抱きました。
コンサルティングファームのように、思考回路のプロトコルの通りに会話しないと、相手にされない場所に24時間近くいるのであれば、確かに、思考回路自体も矯正されやすいでしょうが、そんな空間は、コンサルティングファームの中だけです・・・。
普通の空間で過ごす、普通の意思の力の人にとっては、思考回路を変えるためには、小さな習慣化できる行動を少しずつ加えていくアプローチ、この「夢をかなえるゾウ」で紹介されているアプローチのほうが、正しいと思います。
本書はビジネスマンとして、うまくいくためのことが非常に上手に描かれていますので、ぜひ、ご一読を。
言っていることは画期的な部分は少ないですが、伝え方、伝えるための舞台装置が非常に上手で、より多くの人に伝わるようになっている本だと思います。
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というか、私が「地頭力を鍛える」を嫌いみたいに読めてしまいます・・・。いや、嫌いと言うわけでは・・
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