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> 【効率が10倍アップする!新・知的生産術】
 ベストセラー100本斬り、第3弾。今、売れに売れている、勝間和代氏の著作です。帯にお写真が出ていますが、日本的な名前のわりに、外人さんのようなお顔立ちですね・・・。

効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法
(2007/12/14)
勝間 和代

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 この本、相当、まともです・・・。言っていることの考え方と、語るフレームワークもばっちり。でも、全体像のフレームワークはチャート化して書いてないです。

 フレームワークを使って考えたものを、文章形式で伝える、というお手本のような本です。

 フレームワークをチャートにして本に載せたりするのは、ダサダサです。ちゃんとフレームワークで考えつつ、フレームワークを相手に意識させずに説明する。これがコンサルティング上級者の技術です。

 本当にできるコンサルタントはチャートで説明しなくても伝えられるんです・・・。自分でチャートを持って、それを傍らに置きつつ、フレームワークに従って自分の意見を整理しつつ、フレームワークをわざわざ相手が意識せずにすむように伝える。

 私が出会った本当にすごいコンサルタントは、チャート100枚ぐらい準備しつつ、チャートを一切使わずにクライアントを動かしていました。

 何度も書きますけど、この本は、シンプルなフレームワークに従いつつ、その中身だけを伝えるお手本のような本だと思います。

 では、この本の全体像はどんなチャートなのでしょうか?

 この本は、知的生産術の本です。その中心にあるのは何でしょう?

 それは、人間の頭です。頭を使った作業が知的な生産作業ですもんね。

 私だったら、頭のでっかい人間をチャートの真ん中に書きます。

 その上で、左のほうに、知的生産術の必要性が高まっている背景を書きますね。

 それで、頭の左から、「インプット」というボックス、右側に、「アウトプット」というボックスを作ります。そして、頭の上から、頭の中のほうに矢印をつけて、「処理」というボックスを書きますね。

 それぞれのボックスには、人間が必要な考え方、技術と、ITツールの活用法を書きます。マトリックスですね・・・。

 そして、体の健康を保つための事項を、体の部分から吹き出しを引っ張って書きますね。

 ちょっと、大きさ調整の問題で、見にくいですが・・・。




 こんな感じでしょうか?それぞれのボックスに情報を書き込んでいくと、多分、MECE感があるように、書けると思います。

 情報が入ってないので、しょぼく見えるかもしれませんが、これぐらいシンプルな構造化ができると思います・・・。

 言葉を入れても、見栄えはそんなによくはなりませんが・・・




 こんな感じですね。

第1章:自分をグーグル化する方法、というのが、左の台形のボックス。
・現代においては、情報が富を産む。つまり、情報を扱う力は富に直結する。だったら、情報処理におけるトヨタ生産方式を目指したノウハウを身につけよう。このやり方は、グーグルやIT機器で自分の脳を補完しつつ、自分の五感をフルに使っていける方式である

第2章:情報洪水から1%の本質を見極める技術、が頭の上の情報の処理技術のボックス。
・①ある目的に沿って整理された思考の枠組みをつくり、本質を見極める「フレームワーク力」、②長年の経験に基づいて暗黙知がたまっていることによって、新しい洞察ができるようになる「ディープスマート力」、③たくさん失敗することで、何が失敗でないのかがわかってくる「失敗力」、④先人がうまく行った方法を知り、真似る「ベストプラクティスの共有」、⑤自分が強みを発揮できないところはバッサリ切り捨てる、⑥本代をケチらず良書を読む、の6つの技術で、情報洪水から1%の本質を見極める

 第3章:効率が10倍アップするインプットの技術、が情報の入力と蓄積術のボックス。
・①ノートパソコンは1つのコンパクトな場所に大量の情報を保管でき、簡単に検索できるのだから、ノートパソコンを使い倒すこと、②フォトリーディングや親指シフト、マインドマップなど、自分ならではの情報を効率的に扱うオペレーションシステムを持つこと、③アナログ入力とデジタル入力の長所短所を把握した上で、両者をバランスよく使い分けること、④情報ソースとしては、テレビなどのマスメディアは情報が広いターゲットのための薄い情報なので極力減らし、自分の体験、他者の体験、良書から学ぶこと、⑤現代人は視覚情報に頼りがちだが、目以外の感覚器、特に耳の活用の可能性が非常に残されているので、オーディオブックを使うなど、耳の活用にも意識を向ける、⑥体全体を鍛えることで、五感が研ぎ澄まされ、情報摂取の効率が上がるので、よく運動し、よく眠ること、以上6つの技術で、インプットの効率を上げていく

 第4章:効果が10倍になるアウトプットの技術、が情報の出力術のボックス。
・①人が言っていることは、実際にやってみないとわからないこともあるので、入力情報の信憑性を確かめるために、独自のアウトプットを作る、やってみる技術、②自分の学びを人にわかりやすいように言葉で表現する技術、③自分の学びを数字に置き換えるクセをつける技術、④情報を簡略化、階層化、フレームワーク化して情報絞込む技術、⑤自分の学びをブログに表現してみる技術、⑥自分の学びを本として出版する技術、の6つの技術で、アウトプット力を高める

 第5章:知的生産を根底から支える生活習慣の技術が、体の横にある健康保持の技術のボックス。
・①喫煙・飲酒など、知的生産の6大危険因子を遠ざける、②すき間時間を有効活用するクセをつける、③睡眠時間をしっかりと確保し、情報整理とストレス解消に役立てる、④知的生産の集中力をつけるために体力をつける、⑤頭と健康にいい食生活を心がける、という6つの技術で自分の知的生産活動を支えていく

 第6章:自分の力が10倍アップする人脈作りの技術が、人脈作りという観点から、全体の統合のし直したもの、
・①情報をGive&Give&Give&Give&Giveする、②メールの質量を高めて、つながりを広める、③コミュニティ、メーリングリストなどを活用して、人の集積基地となる、④ランチミーティングを上手に活用する、⑤自分のコミュニケーションスタイルを尊重する


 最終章:今日の5つの新しい行動から、明日を変える!、がこの情報を踏まえた今後のアクション、全体を統合しなおして、やりやすいアクションとしてまとめています
・「新しい行動1」:脳に格納庫を作ること、「新しい行動2」:インプット力を高めるために、いい情報を脳の栄養のために与える、「新しい行動3」:アウトプット力を高めるために、ひたすらブログに書き残す、「新しい行動4」:知的生産を継続するために、できることから生活習慣を改善する、「新しい行動5」:知的人脈を作るために、Giveの5乗を実践する


 ・・・というつながりですね。

 こういう全体像チャートを見せずに、お話しを流していって、伝わるのが一番いいと私は思っていますし、いわゆる私が出会った範囲での一流のコンサルタントがやっていたことです。

 やたらと全体像をチャート化して見せるのは、センスがない。ダサダサです。文章、言葉だけで伝わるなら、それに勝るものはないのです。

 やたらとチャート化するのは、頭でっかちの人間が安心するためにやっているだけだと私は思います。

 このシンプルなチャートに圧倒的な情報量を詰め込んで、一気に流していくパワーに感服です・・・。

 でも、この著者の方は、こんなに生産性を上げて、どこへ行こうとしているのでしょう・・・。会話したら宇宙人みたいにすさまじい、と思うほどではないかな、と。

 それと、よく7つの技術にまとめていますが、この人が使う数字は、3、5、7ですね。これは、普通の人間が一気に認識できることが、5+-2、つまり、どんな人でも、3つの違うことなら認識できる、頭のいい人なら、7つのことを同時に認識できる、という知見を踏まえています。

 この人、惜しみないですね。よく7つにまとめて、情報を放出しますね・・・。私も惜しみなく出しているつもりですけど、この人は、本当によくやりますね。すさまじいパワーです。

 いつまで読書感想シリーズを続けるかわかりませんけど、読んでくれてありがとうございます。

 次回をお楽しみに。

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2008.04.11(16:03)|書籍コメント(0)トラックバック(0)TOP↑
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